30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

わたしのお嫁くん 感想まとめ

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

波瑠さん主演ドラマ『わたしのお嫁くん』が最終回を迎えたので、これまで書いた各話の感想とドラマの基本情報をまとめ、さらに全編を通した本作の感想を書きました。ダメな部分の多いドラマでしたが、良いところもたくさんありました。

放送日・全話感想

水曜日22:00~フジテレビ系列で放送

ep01 2023年04月12日 感想
ep02 2023年04月19日 感想
ep03 2023年04月26日 感想
ep04 2023年05月03日 感想
ep05 2023年05月10日 感想
ep06 2023年05月17日 感想
ep07 2023年05月24日 感想
ep08 2023年05月31日 感想
ep09 2023年06月07日 感想
ep10 2023年06月14日 感想
ep11 2023年06月21日 感想

配信状況はこちらを参考にしてください↓
わたしのお嫁くん - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

 

基本情報

原作

柴なつみ

主題歌

SEKAI NO OWARI『サラバ』

キャスト

速見穂香(波瑠)
家電メーカー営業部のエース社員。実はズボラ女子。

山本知博(高杉真宙)
速見の後輩。家事力最強男子。

↓相関図はこちら
わたしのお嫁くん | 相関図 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

類似したテーマの作品

『アットホームダッド』

阿部寛さんの2004年のドラマです。会社をクビになり不本意ながら専業主夫として奮闘する男と家族の物語です。男性が家事をするという点では本作と似ています。

『ホタルノヒカリ』

綾瀬はるかさん主演の2007年のドラマです。
職場では華やかなOL、自宅ではズボラな干物女という2面性のある設定や、会社の同僚と同棲するという点で本作と似ています。
シーズン2や劇場版も制作されました。

『私の家政婦ナギサさん』

多部未華子さん主演の2020年の作品です。
家事のプロフェッショナルの男性が登場するという点で本作と似ています。

 

本作はこれら3つの作品のちょうど真ん中に位置すると思います。

感想

3話ぐらいで失速

3話ぐらいまでは普通に面白いドラマです。
世間一般で当たり前とされている男女の役割分担について疑義を唱える内容で、そのやり方も押しつけがましさがなくて、楽しく見ることができました。
しかし、徐々にその面白さが消えて行ってしまいました。

このドラマはタイトルからもわかる通り男女の社会的役割について取り扱っています。
しかし、最終回で示された結論が「難しいことを抜きにして一緒にいたいと思う気持ちが大切」だったことからもわかる通り、それほど言いたいことがあるわけではなかったんです。
大体3話目ぐらいですべて言い終えてしまいました。

自縄自縛

じゃあ残りの8話は何をしていたかというと面白いキャラのふざけあいと、勝手にルールを作って勝手に悩む自縄自縛のストーリーです。
山本の兄とかわした誓約書が典型的な例で、現実の成人同士の交際ではあり得ない設定でした。
他にも「家ではセックスしない」とか、「福岡に行くまでに速見が家事を身につける」とか、理由のない決め事が多かったです。

赤嶺というキャラクター

キャラクターのふざけ合いというあまり褒められたものではない展開の中からも意外な副産物が生まれました。
赤嶺というキャラクターです。
このキャラクターの設定自体は漫画にありがちな主人公の恋路を邪魔する高慢なお嬢様キャラなのですが、単なる当て馬にするのではなく、実は速見に強いあこがれを抱いていたという一工夫ある設定が明らかになったことで、愛すべきキャラクターになりました。
そして、仁村紗和さんの全力の演技は印象的でしたし、ストーリーの推進力にもなりました。

逆説的な手法 

このドラマの構造的な煩わしさとして、逆説的な手法が挙げられます。
普通男女の格差を描く場合、「男女に差はない」という結論に向かって一直線に話が進みます。
それに対して、このドラマでは一旦男女の役割分担があるものとして受け入れ、男女を逆転したうえで、「やっぱり男女に差はない」という結論に達しています。
間に何個かクッションを挟む説明方法は分かりにくい印象を与えていたかもしれません。

要所では的確なストーリー展開 

このドラマは先ほども述べたように、3話以降ほぼ意味のあることをしていませんが、時々思い出したようにストーリーを前に進める瞬間があります。
そういう時はかなり手際よくスマートに演出しているのが印象的です。
炊飯器の販促イベントの回(5話)や山本が速見の祖母に一口大の肉じゃがを提供するシーン(8話)などはとてもよくできています。
そして最終回は第1話の断捨離エピソードを持ち出し、綺麗にストーリーを閉じています。

おわりに

視聴には体力がいるドラマで受け付けない人には全くダメなタイプのドラマです。
ただ、最初の3話と第5話あたりは面白いですし、ダメな回も何ヵ所かは優れている部分がありました。

そして、仁村紗和さんに出会えたことが一番の収穫と言えるでしょう。