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波よ聞いてくれ 全編を通した感想

 

 

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小芝風花さん出演ドラマ『波よ聞いてくれ』が最終回を迎えたので、これまでの各回の感想をまとめつつ、全編の感想を書き加えました。完璧だった最終回をはじめ、小芝風花さんの新たな魅力が発揮されたドラマでしたね。

放送日・各話感想

金曜日23:15~テレビ朝日系列で放送

ep1 2023年4月21日 感想
ep2 2023年4月28日 感想
ep3 2023年5月05日 感想
ep4 2023年5月12日 感想
ep5 2023年5月19日 感想
ep6 2023年5月26日 感想
ep7 2023年6月02日 感想
ep8 2023年6月09日 感想

配信状況はこちらを参考にしてください↓

波よ聞いてくれ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

沙村広明

『無限の住人』の作者の方です。

脚本

古家和尚

『LIAR GAME』などを手掛けておられます。

主題歌

マカロニえんぴつ『愛の波』

キャスト

鼓田ミナレ(小芝風花)
スープカレー屋でバイトしていたらある日突然ラジオパーソナリティに抜擢される。

麻藤兼嗣(北村一輝)
ラジオ局チーフディレクター。ミナレを見出す。

相関図はコチラ↓
相関図・キャスト|金曜ナイトドラマ『波よ聞いてくれ』|テレビ朝日 (tv-asahi.co.jp)

感想

小芝さんらの熱演

なんといっても主演の小芝風花さんの熱演がこのドラマの最大の魅力です。
噛むことなく怒涛の如くしゃべり続けるというミナレの役を魅力的に演じていました。
小芝さんって『魔女の宅急便』のせいでしょうか?優等生的なイメージが強かったので、ガサツなミナレを演じるという意外性が面白かったです。
露出の多い衣装や、金髪など容姿の面でも小芝さんのイメージをガラっと変えるドラマでしたね。

他にもミナレのライバルまどかを演じた平野綾さんもさすが声優だけあって落ち着いたトーンでコントラストが効いていました。
そして放送作家の久連木を演じた小市慢太郎さんの実在感は飛びぬけていました。

面白かった初回

そういう意外性もあってか、初回は特に面白かったです。現実とラジオドラマの境界線があいまいなまま突き進んでいく語り口は勢いもあったし何より笑えました。

次に面白かったのは第6話ですかね。
無難な受け答えをするマシーンと化したまどか(平野綾)との丁々発止の掛け合いはこのドラマのハイライトです。

完璧だった最終回

そして、最終回は完璧でした。
ミナレがラジオパーソナリティとして成長する様子、緊急時にベストを尽くすチーム感、ラジオの果たす社会的役割など最終回で描くべきことをすべて描いていました。
一言でいえばプロ意識なんですけど、今まで置き去りにされていたキャラクター達までも活躍の場を与えられていました。

全部同じ味

ただ、それらの回を除けば全部同じテイストで変化に乏しく感じました。
毎回セリフ量が多くハイカロリーなので余計食傷気味にもなりました。
まぁ、エピソードの8分の3が面白ければ十分かもしれませんけど。

ミナレの解決策にそれほどバリエーションがないんですよね。
ラジオの魅力を伝えきれていたかと言われると微妙です。

それに、小芝さんのセリフは噛んではいないけど聞き取りやすいわけではないんです。
早口で読み上げるためにこぶしをきかせたり独特の節のようなものがついていて、「ん?何て?」って思うことが多々ありました。

最大の問題はキャラクターが放置されていることです。
特にマキエはチェーンソーで扉を突き破って登場した割に特に何も起こさないし、南波の成長物語は久連木へのあこがれが起点となっていてミナレとあまり関係ないんです。
最終回で幾分マシにはなったものの、別に必要のないキャラクターがいました。
シセル光明の話もそれほど重要とは思えません。

コミュニケーションの極意

このドラマの舞台はラジオ局であり扱っているのはラジオパーソナリティとしてのミナレの成長ですが、このドラマのテーマはむしろ「人に何かを伝えることの難しさと楽しさ」だと思います。
真剣に向き合わなければ、踏み込まなければ、悩みは解決できないが、踏み込めば誰かを傷つけてしまうかもしれない。
そういったリスナーから寄せられるメールに寄り添う姿はラジオに限らずすべてのコミュニケーションに通じるものがあると思います。
ストーカーや炎上したYouTuberのように独りよがりになっては上手くコミュニケーションできません。
そして、一方的にがなり立てるだけだったミナレのラジオも最終回ではリスナーに寄り添いました。
ラジオの特徴である双方向性、自由な発想こそがコミュニケーションの極意であるっていうことなんだと思います。