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Destiny(テレビ朝日・火曜9時・石原さとみ)第3話感想

 

 

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石原さとみさん・亀梨和也さん出演ドラマ『Destiny』第3話が放送されました。『アンチヒーロー』と同じ冤罪と証拠の捏造を描いていますが、作品のテイストの違いにより描き方も異なっています。事件がなかなか明らかにならず停滞している印象を受けました。

放送日・あらすじ

放送枠

テレビ朝日火曜日 21:00~

放送日

2024年4月23日

公式サイト

Destiny|テレビ朝日

基本情報

原作

ありません

脚本

吉田紀

(『Dr.コトー診療所』『リエゾン』)

キャスト

西村奏   石原さとみ
野木真樹  亀梨和也
森知美   宮澤エマ
梅田祐希  矢本悠馬
及川カオリ 田中みな実

相関図はコチラ↓

相関図・キャスト|Destiny|テレビ朝日

感想

アンチヒーロー

現在TBS日曜9:00に放送中のドラマ『アンチヒーロー』と本作はどちらも広い意味でリーガルドラマであるという共通点があります。
第3話の内容は『アンチヒーロー』第2話と同じテーマを扱っていたのでこの2作を比較してみようと思います。

本作は検事の葵が主人公、ヤメ検の野木が敵という構成です。対する『アンチヒーロー』は弁護士が主人公です。
本作では特捜部の検察官だった主人公の父は国会議員を検挙しようという勇み足により証拠の捏造を見逃したとされています。
そして、捏造であるという指摘自体が事件もみ消しのための何らかの力が働いた結果であることが暗示されています。
現時点では事件の概要すらよくわかりません。

一方の『アンチヒーロー』では、検事も人である以上失敗の許されないプレッシャーにより、証拠を捏造することへの心理的ハードルが下がってしまうことを指摘していました。
第1話・第2話を通して「なぜ人はうそをつくのか?」、「社会の構造として嘘をつかざるを得ない状況があるのではないか?」という指摘をしているんですよね。
ゲームとして裁判を突き詰めると、「罪を憎んで人を憎まず」ではないですが、属人的な要素が消えていくのが面白いんですよね。
キャラクターの解像度に本作と雲泥の差があります。

このようにリーガルドラマとしては圧倒的に『アンチヒーロー』のほうがおもしろいです。
そもそも本作では法廷が登場しませんし、純粋なリーガルドラマではないのでこの比較自体がフェアではないですけどね。

長谷川博己さんしゃべり方、語尾の母音を残す「~ですよねE」みたいなしゃべり方は癖になるのでぜひ『アンチヒーロー』もご覧になってください。

話を戻して

先ほども書きましたが、本作は純粋なリーガルドラマではありません。
では何を描いているのかというと、『リバース』や『最愛』のような10年前の友情と事件の真相なんです。
むしろこちらに重きを置いています。
でも話が進まないんですよね。

こういうドラマって、「忘れようとしても忘れられない過去」であることが大切だと思うんですよ。
蓋をして前に進もうとしても、その真実を解明せずには一歩も前進できないような避けては通れない宿命がドラマを生むと思うんです。

私は『リバース』というドラマが好きでした。
明かされる真実自体は大したことないのですが、主人公が親友の死から目をそらし続けていたこと、そして「自分の人生がうまくいかないのはあの時の報いだ」と思い続けていた十字架がリアルだったんですよね。
こういうものが見たいんです。

『Destiny』では友人の死、父の死、元恋人が殺人を犯した可能性など盛りだくさんなんですけど、宿命って感じがあまりしません。
真樹(亀梨和也)も海外で井戸掘ってましたし。
忘れようと思えば忘れられるし、葵(石原さとみ)はどちらかというと蚊帳の外に置かれていたんです。

知美

そんな感じで物足りなさのある本作ですが、ある一人のキャラクターが登場するときだけグッと面白くなります。

それが森知美(宮澤エマ)です。
彼女は(明確にはされていませんが)カオリの死の直接的な原因を作ってしまった人物です。
真樹(亀梨和也)にきつく当たるのは自分の抱える罪の意識の裏返しでしょう。
勉強熱心で向上心にあふれていた彼女が、妊娠したからと言ってキャリアを断念したのもよく考えれば不自然です。
彼女はカオリの死に対する十字架を背負い続けていたのでしょう。

知美からは「あの時から時間が止まっている」感じが伝わってきて興味をそそられるんです。

おわりに

半分以上別のドラマの話をしてしまいました。
結局ドラマで見たいものって事件の真相というより人間そのものなんですよね。
私の中でこのドラマを見続けるか微妙になってきました。