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Believe(テレビ朝日・木曜9時・木村拓哉)第1話感想

 

 

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木村拓哉さん出演ドラマ『Believe』第1話が放送されました。木村さん自身の人生とも重なる内容で『ショーシャンクの空に』のような刑務所のを描いた映画を彷彿とさせる部分も多くありました。

放送日・あらすじ

放送枠

テレビ朝日木曜日 21:00~

放送日

2024年4月25日

公式サイト

テレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』|テレビ朝日

基本情報

原作

ありません

脚本

井上由美子

(『緊急取調室』『BG〜身辺警護人〜』)

キャスト

狩山陸          木村拓哉
狩山玲子      天海祐希
本宮絵里菜  山本舞香
南雲大樹      一ノ瀬颯
磯田典孝      小日向文世
秋澤良人      斎藤工
林一夫         上川隆也
野口ヒロト  濱田龍臣
灰谷耕太      一ノ瀬ワタル
赤塚力         持田将史
黒木正興     竹内涼真
坂東五郎     北大路欣也

相関図はコチラ↓

相関図・キャスト|テレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』|テレビ朝日

感想

木村拓哉さんの実人生

近年の木村拓哉さんのドラマには、木村さん自身の人生や境遇を反映した作品が多いです。
私は「何を演じても木村拓哉」だとか「いつもカッコつけている」といった類の木村拓哉評は半分正しいけど、半分間違っている気がするんですよね。

そもそも、木村さんの演じる役は木村さんを投影しているので、意図的に木村拓哉を演じているわけですし、最近の役はそれほどかっこいいわけでもないんですよ。
『BG』では老いが描かれていますし、『未来への10カウント』は挫折と再生の物語でした。

そんな木村さんの実人生を反映する傾向の強い近作の中でも本作は特にその色が濃いです。
会社や仲間を守るのために不正の責任を一身に引き受ける狩山陸の姿からは旧ジャニーズ事務所の不祥事を思い起こさずにはいられません。  

大企業であるテレビ局や新聞社すら沈黙していた問題について、なぜか所属タレントに過ぎない木村拓哉さんが矢面に立たされ、一挙手一投足を批判にさらされたのはフェアではなかったように思います。
スターであるがゆえに弁解する機会も少ないし、言い訳をするのは木村さんのパーソナリティからは難しい面もあったでしょう。
CMからも降板することになるなど、実害も被っているのも木村さんなんですよね。
木村さんも事務所を退所することもできたでしょうが、残される後輩や事務所スタッフたちを思えばそうすることもできない面があったのかもしれません。
この面も狩山と重なります。
かといって彼に全く責任がないわけでもないところが難しいですよね。

このおうに本作における狩山の境遇はかなりの部分で木村さんに重なりますし、組織の中で生きる多くの視聴者にも起こりうる事態です。

「存在を反省しろ」というセリフも実際にスターである木村さんへ向けられる理不尽な批判と重なる部分がありました。

「もう一度仲間たちと橋を架けたい」と夢物語を語る狩山のセリフは橋をライブやコンサートに入れ替えれば木村さん自身の思いそのもののように思えます。

本作の変わったところ

このドラマのような「無実の罪を背負って刑務所に入る」ストーリーは世にたくさんあります。
まず思いつくのが『ショーシャンクの空に』ですよね。本作の看守の様子などいくつかのシーンは『ショーシャンクの空に』を彷彿とさせます。

一方で類似する作品と比べて若干特殊なのが主人公の罪がそれほど重くない点です。

執行猶予がつかなかったとはいえ、1年程度服役すれば社会に復帰できることになっているし、会社にも一応戻れることになっています。
彼は工具の使い方も上手だし刑務作業も苦ではありません。

にもかかわらず脱獄する理由として、妻の余命が1年であることを設定として設けています。
この設定を受け入れられるかどうかが本作を楽しめるか否かの分水嶺になりそうです。

追憶

個人的には『ゴーンガール』を思い出したのですが、狩山夫妻の関係は一見するとそれほど悪くないものの、どこか寒々しさが漂います。
細かいところにもよく気が付く陸は妻が瘦せたことにも気づいていましたが、それががんによるものだとは思いもしませんでした。
「気付く」が「行動する」になるためにはその間に相手への関心がなければならないのですが、彼はそれを失っていたようですね。
「夫婦には逃してはならない瞬間がある」という玲子の言葉は辛辣でした。

そんな彼は刑務所の中で頻繁に過去を回想します。
そこでは人を大切にする彼の仕事観とともに、運命の分岐点ともいえる箇所がいくつか見え隠れしました。
彼は橋を架けたいという思いのために多くの犠牲を知らず知らずのうちに払っているし、周囲も彼の夢のために振り回されていることにも無自覚だった面があるんですよね。

すべてを背負い、独断で進める彼の美徳は時に人を苛立たせるのでしょう。

「君にかける橋」とは

このドラマのタイトルは「君にかける橋」です。
橋とは隔てられた地域をつなぐものですので、人とのつながりを描いていくことになるのでしょう。
もともと人に関心があったはずの彼がその本来の目的を忘れてしまったことが橋の崩落につながります。
そう考えると橋の崩落ってかなり象徴的ですね。

そしてもう一度橋を架ける、その主たる相手は妻のようです。

妻との間には橋にまつわる思い出があるようでした。
まるで『人間の証明』のような彼の言葉にはもう一度妻の心を取り戻したいという思いがあふれていましたね。

出演者

このドラマの出演者は『華麗なる一族』の北王子欣也さんをはじめ、過去に木村さんと共演している小日向文世さんや斎藤工さんなどが多く起用されています。
また、『華麗なる一族』や『プライド』を彷彿とさせる場面もありました。
そういった意味では新しさはあまり感じませんでした。

個人的には竹内涼真さんが気になりますね。

おわりに

「安い部材に変更されていた」という事故の真相を視聴者は既に知ってしまっています。
どのように展開していくのでしょうね?