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日曜の夜ぐらいは… 全編を通した感想

 

 

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清野菜名さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さん出演ドラマ『日曜の夜ぐらいは……』が最終回を迎えたので、これまで書き連ねた各話の感想を1ヵ所にまとめ、新たに全編を通した感想を書き加えました。2023年現在の生き辛い社会の中にちょっとした休息と希望を見出す良いドラマでした。

放送日・各話感想

日曜日22:00~テレビ朝日系列で放送

ep01 2023年04月30日 感想
ep02 2023年05月07日 感想
ep03 2023年05月14日 感想
ep04 2023年05月21日 感想
ep05 2023年05月28日 感想
ep06 2023年06月04日 感想
ep07 2023年06月11日 感想
ep08 2023年06月18日 感想
ep09 2023年06月25日 感想
ep10 2023年07月02日 感想

配信状況はこちらを参考にしてください↓
日曜の夜ぐらいは... - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

ありません。オリジナル作品です。

脚本

岡田惠和

『ビーチボーイズ』など有名作品を多数手がけています。

最近だと映画『余命10年』担当されています。

主題歌

「ケセラセラ」Mrs. GREEN APPLE

キャスト

岸田サチ(清野菜名)
車椅子の母と二人暮らし。ファミレスでバイト。

野口翔子(岸井ゆきの)
タクシー運転手。

樋口若葉(生見愛瑠)
祖母と二人暮らし。ちくわぶ工場で働く。

相関図はこちら↓

キャスト|『日曜の夜ぐらいは...』|朝日放送テレビ (asahi.co.jp)

全編を通した感想

時代から取り残された人々

このドラマの登場人物は障害を抱える母と一緒に郊外の団地に住みバイトに明け暮れるサチ、田舎のちくわぶ工場で祖母と働く若葉、家族と縁を切らた孤独なタクシー運転手の翔子という時代の変化から取り残され、懸命に生きていてもジリ貧な人々です。
こういうテレビドラマではあまり取り上げられない人々の中にストーリーを見出し、彼女たちを通してすべての生き辛さを抱えた人々にメッセージを送るという試みが面白いです。

ラジオという装置

何ら接点のない3人が出会うきっかけとしてラジオの旅行ツアーが選ばれました。このラジオは現実にも存在し、そしてエレキコミックさんがドラマにもパーソナリティとして登場します。現実との地続きな感じがリアリティを与えています。

そしてサチは母の代理としてこのツアーに参加し、おだいりさまというニックネームをつけられるんですね。人との関わりを避け、幸せから意識的に遠ざかることで生き辛さに耐えていたサチの心の緊張が翔子や若葉との出会いを通じて解けていくシーン、なかでもおやきの体験中に無自覚に笑ってしまうシーンは素晴らしかったです。 

宝くじ3000万

このドラマの賛否が分かれるとすればこの展開でしょう。
生き辛さを抱えた3人が偶然幸運に恵まれて人生が変わっていくというのはファンタジー過ぎて期待した内容と違うと感じた人も多いのではないでしょうか?
確かにそういう面はありますが、3000万という額は人生を一変させるほどの金額ではありませんし、最初1000万ずつ山分けした時点ではそれほど人生は好転しませんでした。
むしろ3人が出会ったことの方が奇跡なんですよね。
そういう意味ではドラマとして許容される幸運だと思います。

夢と陣営を詰め込んだカフェ

夢であるカフェ開店に向けて邁進するにつれて、彼女たちは自分の過去に向き合い一歩踏み出す決意を一つずつ固めていきます。変化することを恐れて幸せと距離を取っていた過去の自分と、仲間たちと夢に向かって邁進する自分が常に対比され、肯定的なメッセージを伝えていました。

またそこで示される幸せのカタチは多様で、人間関係も押しつけがましくないんですよね。
ただ親しいというだけではなく、相手の境遇に共感しリスペクトのある接し方をする登場人物たちは観ていて心地よかったです。

「日曜の夜ぐらいは」というメッセージ

このドラマでは生き辛さが消えてなくなることはないという前提のもとに、日曜の夜ぐらいは深呼吸ができるようなゆとりが持てる社会の実現を主張しています。
それはサチのいう「ちょっと高いアイス」であり、「名前の長い飲み物」なんですよね。
生き辛さを抱えていても駅伝で7人抜きをしたサチのようにお互いにカバーしあうことで、敬意を払うことで、ほんの少しの休息と希望ぐらいは持てるのではないか?という現代社会に対する結構的を射た提案だったと思います。

カラフルな色使い

毎回エンディングで流れる映像は色使いが美しく、リッチな印象でした。
劇中でも3人はカラフルな衣装を着ていたり、おそろいの衣装を着ていたり、視覚的にも楽しめました。

欠点があるとすれば

欠点を強いてあげるなら第1話が暗すぎるというところですね。
「日曜の夜ぐらいは」という楽しそうなタイトルなのにすごく暗くて詐欺に遭ったような気分でした。
それにハッピーエンドで終わることが確信できないのもちょっとこのドラマにのめりこむ邪魔になったような気がします。
早めに「ハッピーエンドです」と宣言してくれたほうが良かったかも。

もう一つは回を重ねるごとにままごと感が強くなるというか、カフェ経営のリアルな側面が薄まってしまうんですよね。
3人は結局一度もカフェ経営で躓いていません。すべてが順調です。

おわりに

多分初回や宝くじのあたりで視聴をやめた人が多くいるドラマだと思います。
そういう方にもぜひもう一度見てもらいたい作品です。