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目黒蓮さん・有村架純さん出演ドラマ『海のはじまり』第2話が放送されました。「産むか産まないか」という選択をめぐり、異なる判断をした二人が、夏を介して出会うことで生じる苦しさが描かれています。かなり重い作品になってきました。
放送日・あらすじ
放送枠
フジテレビ 月曜日 21:00~
放送日
2024年7月8日
公式サイト
基本情報
原作
ありません
脚本
⽣⽅美久
キャスト
月岡夏 目黒 蓮
百瀬弥生 有村架純
南雲海 泉谷星奈
月岡大和 木戸大聖
南雲水季 古川琴音
津野晴明 池松壮亮
南雲朱音 大竹しのぶ
相関図はコチラ↓
https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/chart/
感想
選択
第1話から「選択」という言葉がたびたび登場していました。
弥生(有村架純)は第1話での後輩とのやり取りの中で「選択肢に加える」という表現を使っていましたし、今回も同じ言葉を使っていました。
弥生という人物は合理的な考えの持ち主のように見えますが、人間の意思決定には限界があり、すべての選択肢を正しく検討して意思決定をすることなど不可能なんですよね。
彼女が数年前に下した決断はこのドラマの核になりそうです。
海の教育方針としても「自分で選ばせる」という言葉が出てきたかと思います。
選択とは複数ある選択肢の中から一つを選び取り決定することを意味します。
このドラマがテーマとする最大の選択は言うまでもなく「産むか産まないか」をめぐるものです。
意思決定は合理的ではありえない――ノーベル賞に輝いた「限られた合理性」との対峙 | いまこそ読みたい! ダイヤモンド社100年100冊 | ダイヤモンド・オンライン
中絶
中絶に対する是非はその人が持つ宗教観等に大きく影響されるでしょう。
実際アメリカでは大統領選挙の大きな争点になるほど国論を二分し、その対立はかなり根深いものとなっています。
母体の健康や女性の自己決定などさまざまな論点があり、センシティブなテーマですね。
アメリカで中絶巡り何が起きている?連邦最高裁の判断とは? | NHK
日本では堕胎罪が存在する一方で、母体保護法の下で中絶は可能なようです。
しかし、配偶者の同意が原則として必要であったり、このドラマにも描かれていたように配偶者ではないパートナーの同意が求められることも一般的なようです。
人工妊娠中絶で配偶者の同意は必要か 日本の産婦人科医たちの戸惑い - ジェンダーをこえて考えよう - NHK みんなでプラス
このドラマをきっかけとして、中絶の在り方について広く考えられるようになればいいですね。
このドラマの描き方
とは言ったものの、今のところこのドラマの描き方は中絶に対して結構厳しいものになっています。
夏が事情を知らないとはいえ「中絶は殺したようなものだ」と発言した時には、弥生の心の内を思うといたたまれない気持ちになりました。
彼女が生まれてきたかもしれない自身の子供の代替物として、あるいは贖罪として海を育てるのは違う気がしますし、これから弥生をどのように描いていくのかは気になります。
南雲朱音(大竹しのぶ)は不妊治療の末に水季を生んだようで、「産めるのに産まなかった」弥生の選択は身勝手に感じるのかもしれません。
海と血のつながりがない津野にとっては、血のつながりを持つ夏が「知ろうとしなかった」ことは腹立たしく感じるのでしょう。
このドラマでは自由な選択を描きつつ、同時にそれが必ずしも周囲に受け入れられるわけではないことも描いていました。
鳩サブレ
今回登場したエピソードで個人的に面白かったのは海が「黙って会いに行ってはいけない」という朱音の言葉を反対に解釈し、「会ってきます」と宣言して出て行ったところです。
誰かに注意をしたり批判したりするときには、言葉そのものよりも言外にこそ意味の中心があるのかもしれませんね。
あえて言葉にしない部分に生きづらさがあるのかもしれません。
そういう意味では、お土産の定番鳩サブレを普段から食すことも自由ですが、周囲からは変わっているとみられるわけで、少し関連しているかも。
それは置いておいて、お供え物として鳩サブレを持ってきたことで、朱音が夏と水季の間には確かに二人の時間が流れていたことを実感しるというのは面白い展開でした。
おわりに
かなり心に突き刺さるような鋭い言葉も登場するので、万人が楽しめる作品ではないのかもしれませんが、もうしばらく視聴を続けてみます。