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笑うマトリョーシカ(TBS・金曜10時・水川あさみ)第3話感想

 

 

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水川あさみさん・櫻井翔さん出演ドラマ『笑うマトリョーシカ』第3話が放送されました。元政策秘書の石井の証言により、空っぽに思われていた清家には人を引き付ける天賦の才があることがわかりました。利用しているつもりが利用されているというスリリングな展開の中で、美和子の正体に迫っています。

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 金曜日 22:00~

放送日

2024年7月12日

公式サイト

金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』|TBSテレビ

基本情報

原作

早見和真『笑うマトリョーシカ』

脚本

いずみ吉紘
神田 優

キャスト

道上香苗 水川あさみ
東都新聞の記者。社会部から文芸部に異動。
鈴木俊哉 玉山鉄二
清家の政務秘書官。
清家一郎 櫻井翔
厚生労働大臣。未来の総理候補。

山中尊志 丸山智己
青山直樹 曽田陵介
道上香織 筒井真理子
道上兼高 渡辺いっけい
旗手健太郎 和田正人
佐々木光一 渡辺大

相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』

感想

大学時代の恋人・美和子(田辺桃子)の正体を探るために二つの方向から迫りました。
その二つとは

  • 一つは美和子が応募したというシナリオコンクールの作品「最後に笑うマトリョーシカ」を入手すること
  • もう一つは元政策秘書・藤田(国広富之)への取材

でした。
シナリオの件は取材が取材が難航したため、藤田への取材が先行したのですが、この内容が結構面白かったです。

政策秘書・藤田への取材

語られた内容は要約すると

  1. 美和子に会ったことがあり、27歳へのこだわりはその時も語っていた
  2. 武智議員(小木茂光)は不倫関係にあり、相手は美和子だったかもしれない
  3. 清家には天賦の才があり、鈴木は黒幕たり得ない
  4. 政策秘書になることは断られた

ですね。

中でも意外だったのは、武智議員が次の選挙で清家に地盤を引き継ぐことを予定しており、清家には武智を殺害する動機がないという点です。
美和子が27歳という年齢にこだわっているとしても、それだけのために殺害するのはリスクが大きすぎますよね。
それに美和子は武智の愛人としての顔も持ち合わせているようですし、彼女が何者なのかが当面の主題になりそうです。
彼女自身「27歳でパッと散りたい」という人生観を持っていたようなので、存命なのかもわかりません。

もう一つ意外なのは藤田が清家の天賦の才を高く評価しているのに対し、鈴木への評価は低かった点です。
確かに清家には人を魅了する力があります。
鈴木は優秀ですが、清家を利用しないことには何も成しえない存在であるのに対し、清家には彼を利用しようとしてさまざまな人間が接近してきます。
むしろ清家に依存しているのは鈴木や美和子のほうなんですよね。
清家が藤田を秘書として雇わなかったのは清家をみくびらなかったからなのかもしれません。
清家にとって鈴木や美和子のほうが御しやすい相手なのかもしれません。
空虚に見せて相手を取り込んでいく恐ろしさを感じました。

清家は「生者必滅会者定離」と書かれた色紙を飾っていましたが、世の中の無常を語る本来の意味とは異なり、利用価値のなくなったものを切り捨てる意味で用いているような気がしました。

「最後に笑うマトリョーシカ」

このように今回石井の証言によりわかったのは、清家の才能でした。
相手が主導権を握っているように思わせておいて、実は主導権を手放していない。
自分の利用価値を自身が一番理解しているという強みが彼にはあるようです。

「最後に笑うマトリョーシカ」というタイトルには、空っぽの清家を裏で操る黒幕のイメージが込められているようですが、それは美和子の短絡的なイメージと言わざるを得ません。
実際には笑っているはずの黒幕も入れ子人形の一つでしかなく、そのもう一つ奥の階層には、美和子や鈴木を操る清家の姿が見え隠れするんです。
権力のもつ複雑性、無限に連なる不気味さがこのドラマの面白さですね。

「心の内を探らせない。そもそも心なんてない」空虚な存在だからこその人心掌握術は今後も描かれそうです。
そんな彼が政治家として成し遂げたい「悲願」とは何なのか、気になります。

清家

清家は道上(水川あさみ)に接近し、「私を見ていてください」と意味深なことを言っています。第1話ではSOSと受け取られた言葉ですが、そんな単純なものではなさそうですし、道上も清家に利用されているのかもしれませんね。

子供を取材に利用

さて、今回も道上と子供の関係が描かれていました。
今回は石井に近づく口実として、子供を利用したようです。
マスコミは権力を監視する役割を担う一方で、それ自体が権力である側面もあって、ある意味マトリョーシカの一部でもあります。
そういう複雑性のなかで個人の幸せをどうやって実現していくのか、空虚ではない生身の人間の在り方を描いているのかもしれません。

おわりに

二転三転していくストーリーだけに、途中から視聴するのは難しいドラマです。
見たいけどまだ見ていないという方は、このタイミングで視聴を始めることをお勧めします。