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日曜の夜ぐらいは…第1話~清野菜名・岸井ゆきの・生見愛瑠出演ドラマ

 

 

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清野菜名さん、生見愛瑠さん、岸井ゆきのさん出演ドラマ『日曜の夜ぐらいは……』第1話は衰退していく街に取り残された主人公たちがとあるラジオ番組をきっかけに出会うというストーリーでした。生き辛い世の中を感情を殺して生き延びている3人の様子を振り返ります。

放送日・あらすじ

放送日

2023年4月30日(日)テレビ朝日系列で放送

あらすじ

www.asahi.co.jp

配信状況はこちらを参考にしてください↓
日曜の夜ぐらいは... - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

相関図はこちら↓
キャスト|『日曜の夜ぐらいは...』|朝日放送テレビ (asahi.co.jp)

 

 

感想

トレンディドラマには登場しない人たち

古ぼけた団地、郊外の借家、街中を空しく走るタクシー。時代に取り残され、活気を失い、どことなくもの寂しさが漂うどこにでもある光景に、特筆すべき要素はない。だが、それぞれの窓の奥に目を凝らせば、そこにはさまざまな事情を抱えた暮らしがあった。

日曜の夜ぐらいは…イントロダクション

公式サイトにも書かれてある通り、本作の主人公たちは時代から取り残された人たちです。
団地・郊外の借家・タクシー運転手とそれぞれ寂れていく地域に住んでいたり、斜陽になっている職業に就いていたりするんですね。
全体が緩やかに衰退していくので、彼女たちが普通に生きていたとしても下降線の一途をたどり、未来は暗く閉ざされていることを意味しています。
バブル期のトレンディドラマの逆です。
全体が上昇気流に乗っていれば、普通に暮らしているだけで勝手に上がっていきますからね。

そんな今まで描かれてこなかった人たちが本作の主人公に選ばれています。

岸田サチ

第1話の段階ではそれほど彼らのバックグラウンドがはっきり描かれたわけではありません。
若葉は両親と疎遠であること、翔子は元ヤンキーで空回りする性格であることぐらいでしょうか?(ちなみに矢田亜希子さんが『やまとなでしこ』で演じた役名って若葉ですよね)

そのなかでサチについては分かりやすく悩みが描かれていました。
足の不自由な母親と二人暮らしで、上司を脅してまでバイトのシフトを確保して働き詰めの生活を送っています。
友達はおらず、分かりやすくジリ貧です。

彼女だけがラジオ番組のリスナーではないのも面白いですね。

ラジオ番組

エレキコミックさんが実際にやっているラジオの企画でリスナーが参加するバスツアーがあるそうです。下のリンクは2022年の案内です。
第15回 エレキ学園修学旅行 in 静岡 (knt.co.jp)

一泊二日のバスツアー、食事は夕食だけで4万円ほどしていますね。他のバスツアーと比較してもやや割高程度の値段です。
ドラマ内では『エレキコミックのラジオ君』というタイトルになっています。
架空のラジオ番組ですが実際にABCラジオで放送されたようです。

劇中番組「エレキコミックのラジオ君」ABCラジオで実際に放送 - お笑いナタリー (natalie.mu)

ラジオ番組という閉鎖的なコミュニティの中でも、バスツアーに参加しようというのは精鋭部隊ですよね。
そんな中に一度も番組を聴いたことがない人間が混じるのは相当気が重いはずです。
母親が娘の気晴らしのためと思って応募していたとしたらかなりずれています。

バスに乗り込んだ時の「ヤバいところに来てしまった」感がいいですね。

サチの変化

「代理で来ただけです」と周囲から距離を取ろうとするサチと、ズケズケと距離を縮める翔子の関係が楽しいですね。

サチが自分が笑っていることに驚くシーンにはグッときました。
そして単純に「いい写真だなぁ~」って思っちゃいました。
この写真の3人の表情がなんか良いんですよ。

楽しいことがあるとその分だけ日々の辛さのコントラストが強くなるためサチは人と関わることを避けて、感情を揺れ動かさないように生きてきたみたいです。
彼女も学生時代は母親は足が不自由でなかったみたいだし、こういう普通に楽しいことを楽しいと感じていた日々があったんだろうなぁと考えてしまいますね。

高級なアイスクリーム

東京が近づくにつれて曇っていく三人の表情が印象的でした。
連絡先を交換することなく別れます。

サチは一番高いアイスクリームを買って食べるという「たかが知れている幸せ」をかみしめることで何とか生きています。
サチにとってはこのバス旅行もアイスクリームのようなものなのでしょうか?

このドラマのタイトルは『日曜の夜ぐらいは…』です。

この「……」のところに続くのは「つらいことを忘れて、楽しもう」みたいなポジティブな言葉だと思うんですよね。
このドラマ自体がアイスクリームなのかもしれませんね。

まとめ

面白いっていうわけでもないし、気のきいたセリフがあるわけでもないですが、空気感が良いドラマでした。