30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

VIVANT【第2話感想】大使館からの脱出劇

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

堺雅人さん、阿部寛さんをはじめとする日曜劇場オールスターが出演した『VIVANT』第2話が放送されました。西村京太郎風『アルゴ』かと思ったら『アラビアのロレンス』でした。初回よりは面白かったと思います。

 

放送日・あらすじ

放送日

2023年7月23日(日)21:00~ TBS系列で放送

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 日曜劇場『VIVANT』

配信状況はこちらをご確認ください↓
VIVANT - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

乃木憂助(堺雅人)
野崎守(阿部寛)
柚木薫(二階堂ふみ)
ドラムの声(林原めぐみ)
(二宮和也)
(松坂桃李)
(役所広司)

相関図はコチラ↓
日曜劇場『VIVANT』|TBSテレビ

感想

大使館からの脱出

前回大使館に逃げ込んだものの、日本に脱出しなければならないということで今回は大使館からの脱出が描かれていました。
個人的にはその辺は適当に処理して今回から東京に戻るのかなと予想していたので意外でしたね。

大使館からの脱出といえば『アルゴ』が思い浮かびます。

 

(本ページの情報は2023年7月時点のものです。最新の配信状況はU=NEXTサイトにてご確認ください。)

この脱出劇にも「大使館の中に裏切者がいる」という展開があって、時刻表トリックのように相手に誤情報を流すなどして時間を稼ぐというのを2回やってました。

「そこまで相手の行動を読めるのなら床下でじっとしておけばよかったのでは?」と思わなくもないです。
それに脱出路の出口を当局に教えるというのは大使自身の身の安全を脅かすことにもなりかねないのに結構大胆ですよね。

在ペルー日本大使公邸占拠事件 - Wikipedia

こんな感じで疑問点は多少ありますし、日曜劇場独特の顔ドアップで「ぐぬぬ」と表情をゆがめるシーンなど興ざめな部分もありましたが、おおむね面白かったです。

VIVANTの意味とモニター

誤送金の件についても進展がありました。容疑者は5人に絞られて、その人物は「テント」という組織のメンバーだそうです。

スリーパーエージェント - Wikipedia

セキュリティの厳しそうな商社の送金システムを軽々と突破した方法や、一番怪しい乃木に単独で現地に向かわせた謎についてはそれほど考慮されていないのかもしれないですね。
このテントという組織も目的不明ということで実態はよくわかりません。
犯行声明をしないということは工作機関に近いイメージなのかも。

VIVANTの意味も判明しました。
「別班」という自衛隊の非公認諜報機関だそうです。
劇中にもありましたが平成25年にその有無について国会で質問されているみたいです。

陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)に関する質問主意書 (shugiin.go.jp)

 

この「日本には非公式の諜報機関が存在する」という話はたまに聞きますね。
別班とはちょっと違うのかもしれませんが、現在テレビ朝日で放送中の『警部補ダイマジン』では44(ヨンヨン)という旧日本軍の残滓のような組織が工作活動をしているとされていました。

でも、日本の作品で諜報機関を描く場合、公安警察や外事警察が題材にされることが多くて、陰謀論的な別班が正面から扱われる作品は少ないのではないかと思います。

こういう陰謀論ってエンタメとしては面白いですけど、一定数本気で信じてしまう人もいるので公共の電波で取り扱うことには賛否があるでしょうね。

ジャミーンの病状と国外脱出

大使館脱出後の野崎の計画は緻密で納得感はありました。
時刻表トリックの要領で40分の猶予を稼ぎ出し、それがチンギスの迅速な行動で10分、ジャミールの家に寄り道することでさらに10分削られてしまうというのは分かりやすかったと思います。
でも、その後のジャミールの容態が悪すぎて、残った20分が活用されることなく終わってしまったのは残念でした。

ファロー四徴症(指定難病215) – 難病情報センター (nanbyou.or.jp)

パルスオキシメーターはコロナ禍でおなじみとなった医療器具なので分かりやすいですね。
87という数値はかなり悪いです。

酸素飽和度の正常値は?【パルスオキシメータ】 | よくあるご質問 | オムロン ヘルスケア (omron.co.jp)

いくら思い入れがあるからといって、生死の縁をさまよっている少女を洞窟で限られた医療器具で治療することがベストな選択だったのでしょうか?

アラビアのロレンス

私はムスリムの方たちの文化に詳しくないので判断できないのですが、イスラム教徒の装束は世界共通なのでしょうか?
私には彼らの服装が中東諸国の衣装に見えました。
このドラマに登場するバルカ共和国は架空の国家なのでなんとも言い難いですが、「死」を連想するという共通点から、あの砂漠はタクラマカン砂漠だと思います。
確かこのドラマは2月の設定だったはずなので、乾燥はしていても暑くはない、むしろ寒いと思います。

タクラマカン砂漠 - Wikipedia

タクラマカン砂漠の辺縁に位置する都市の気温はこんな感じです。

ホータン市 の気候、月別の気象、平均気温(中国) - Weather Spark

ウイグルの人たちってああいう衣装を着るんですかね?

このあたりでちょっと嫌な予感がしたのですが、ラストで柚木が行方不明になったところで完全に『アラビアのロレンス』になってしまいました。

Arabia no Rorensu (1962) - IMDb

『アラビアのロレンス』をやるのは別にいいですけど、そのためにその地域の文化性をゆがめてしまうのはちょっと引っ掛かります。
異文化に対する敬意をもう少し払ってほしいですね。
女性を庇護の対象のように描くのも時代感覚からズレるので、次回の描き方が個人的には気がかりです。

おわりに

3人で行動するとSTAWARS感が増します。
乃木がルーク、柚木がレイア姫、野崎がハンソロ、ドラムがチューバッカに見えました。

今のところ名作映画の寄せ集め感があって、あまりオリジナリティを感じません。