30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

VIVANT【第4話感想】誤送金編が完結

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

堺雅人さん、阿部寛さんをはじめとする日曜劇場オールスターが出演した『VIVANT』第4話が放送されました。ようやく誤送金事件の真犯人が判明し、新たに松坂桃李さんが登場しました。乃木の正体も明らかになり、このドラマの構図が判明した回となりましたが、どことなく保守的な雰囲気が気になります。

 

放送日・あらすじ

放送日

2023年8月6日(日)21:00~ TBS系列で放送

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 日曜劇場『VIVANT』

配信状況はこちらか公式サイトをご確認ください↓
VIVANT - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

乃木憂助(堺雅人)
野崎守(阿部寛)
柚木薫(二階堂ふみ)
(二宮和也)
黒須駿(松坂桃李)
(役所広司)

相関図はコチラ↓
日曜劇場『VIVANT』|TBSテレビ

感想

どことなく安っぽい

このドラマは多額の予算をつぎ込んで製作されているらしいのですが、どことなく安っぽいんです。

これはバルカ編でも感じていたことなんですが、「撮ったものをすべて見せたい」とか「ほかのドラマにまねできない映像を大量に盛り込みたい」という思いが強すぎてかえって貧乏くさいんです。
今回で言うと「住宅街でカーアクションできるんですよ~。」とか「画面に映っている人たちみんなエキストラですよ~。」とか、製作者の顔がチラつくんですよね。
こういうのはさりげなくお金を使うからカッコいいんですけどね。
逆に飛行機での再会シーンはさりげなくて良かったと思いますよ。

ハッカーが志ん生・円生・文楽のCDを保有するほどの落語好きという設定もなんかうるさいんです。
それに、落語好きの人にとってはその3人は古典というか、とりあえず聞くレベルのもので、そこから入って自分の好みを見つけていくんじゃないのかな?
前回のウルトラマンやその前のルパン三世、今回の落語、どれもオタク感があまりないんですよね。

別班とテント

別班の人間は自衛隊の中でも優秀な人材が選ばれるため、その経歴を見れば察しが付くようです。
今回で言えば長野(小日向文雄)のように自衛隊に関係したことがあり、空白期間がある人物が別班の可能性が高いようですね。
ただ、乃木はこの例外なのかもしれません。

長野自体もただの不倫男というわけではないでしょうから、今後再登場するかもしれないです。

さて、別班でなければテントに違いないということで、ここからはテントのモニター探しに移行しました。
窓越しに動転する山本(迫田孝也)が映るシーンは良かったと思います。
それ以外はイマイチでした。
山本の行動は動揺しすぎというか、第1話の敵ならこれでもいいんですけど、4話かけた真犯人がタクシー運転手と喧嘩するような男っていうのは残念です。
あの3人は視聴者に対するデコイだけのためにキャスティングされたのでしょうか?

ジャミーンの過去の写真に山本らテントの面々が写っていたということはジャミーンたちもテントと関係していることになりそうですね。
ジャミーンが善人を見抜けることを今回も強調していたので、Fに遭遇しジャミーンがおびえるという描写が今後出てくるのでしょう。

松坂桃李さん登場・乃木の正体判明

別班の一員として黒須(松坂桃李)が登場しました。
モニターのふりをして山本に近づき拘束する役でしたが、やっぱりカッコいいですね。
日曜劇場っぽくないどこにでもいそうな男を演じていていい感じでした。

乃木の別人格Fが別班であることは誰もが予想していたというか、逆にそうじゃなかったら不安になるほど明らかだったので驚きはありません。

堺雅人さんは以前ジョーカーというドラマで私刑を行う捜査官を演じていて、その雰囲気に似ているなぁと思いました。
JOKER ジョーカー許されざる捜査官 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

テントは日本でのテロを企てているようで、その動機は「平和ボケした日本を目覚めさせる」というベタなものでした。
今放送中の『警部補ダイマジン』でも同じことを言っていたような気がします。
憲法9条とか日米安保とか絡んでくるかもしれないですね。

それに対する乃木も「美しい我が国を汚すものは何人たりとも許さない」とこれまた保守的な思想をぶつけていました。

テロリストの主張は間違っていることが前提なのでいいとしても、それを裁く側の思想は描き方を間違えると危険になりそうです。
モニターになるような人たちって、この国を美しいと思えないから参加しているのであって、それを「この国は美しい」と言われても響かないですよね。
しかももう一つのプレイヤーが公安なんですよね。
庵野秀明監督の『シン○○』シリーズでもよく指摘されることですが、公安という組織、社会の秩序を守ることを是とする組織の描き方もこれまた注意が必要です。

別にいいんだけど

でもまぁ、テロ組織や別班のような組織が思想を持たず行動している方が不自然なのでその思想を描くことは何ら問題ありませんし、身分を隠して捨て駒になってまで日本のために働く別班の思想は愛国的であるのが自然です。

要はその塩梅ですよね。
『MOZU』なんかは比較的上手くやっていたような気がします。

結局のところ何が気になるのかというと、監督の福澤克雄さんのエスタブリッシュメントな雰囲気と宗教的な描写の多さです。
第1話で日本人の特殊な宗教観に対して言及がありましたが、イスラム教の描写などちょっと危うさを感じています。

 

最後に、掛川市の方たちはどんなシーンか聞かされていなかったのだろうか?
カッコいい橋ですけどね。

おわりに

「美しいから好き」っていうより、「汚くても好き」とか、「好きでもないけどやるんだ」っていう方がドラマチックです。
多分その方向に帰着するのではないかと予測しています。

ようやく松坂桃李さんは登場しましたが、二宮さんと役所さんはいつ絡んでくるのでしょうか?