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下剋上球児【第2話感想】展開が早い

 

 

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鈴木亮平さん出演『下剋上球児』第2話が放送されました。理想的な指導者を体現する鈴木亮平さんを観ているだけで心地よく、また、越山高校や野球部員個人が抱える問題も出し惜しみすることなくサクサク解決していくので退屈しません。

 

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 日曜日 21:00~

放送日

2023年10月22日

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 日曜劇場『下剋上球児』

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓

下剋上球児 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原案

「下剋上球児」(菊地高弘/カンゼン刊)

 

脚本

奥寺佐渡子

キャスト

主人公

南雲脩司(鈴木亮平)
本作の主人公。三重県立越山高校の社会科地理・歴史担当。

三重県立越山高校

山住香南子(黒木華)
家庭科教諭で野球部部長。
横田宗典(生瀬勝久)
教諭。国語科・古典担当。野球部の顧問と監督を兼務。
丹羽慎吾(小泉孝太郎)
校長。

野球部員

犬塚翔(中沢元紀)
1年生。樹生の孫。名門クラブチームの元エース。
根室知廣(兵頭功海)
1年生。柚希の弟。
椿谷真倫(伊藤あさひ)
1年生。野球初心者。
日沖壮磨(小林虎之介)
1年生。誠の弟。
久我原篤史(橘優輝)
1年生。中学時代は陸上部。
楡伸次郎(生田俊平)
1年生。久我原と同じ中学出身でマイペースな問題児。
日沖誠(菅生新樹)
3年生。主将。壮磨の兄。
長谷川幹太(財津優太郎)
3年生。幽霊部員。
藤本大牙(鈴木敦也)
3年生。幽霊部員。
富嶋雄也(福松凜)
2年生。幽霊部員。
野原舜(奥野壮)
2年生。幽霊部員。
紅岡祥悟(絃瀬聡一)
2年生。幽霊部員。

南雲家

南雲美香(井川遥)
脩司の妻。
南雲青空(番家天嵩)
美香の連れ子
南雲なぎさ(倉田瑛茉)
南雲の娘。青空の妹。

その他

犬塚樹生(小日向文世)
地元越山の名家であり先祖代々の大地主。
犬塚杏奈(明日海りお)
翔の母。樹生の娘。
賀門英助(松平健)
三重県内で最も強豪の星葉高校野球部の監督。南雲の恩師。

相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ 日曜劇場『下剋上球児』

感想

三重の風景

茶畑や英虞湾?工場夜景など、三重県の風景が登場します。
下のサイトにまとめられていましたので紹介しておきます。

https://www.kankomie.or.jp/topic/292

おそらく実際は広い地域に散らばっていて、地元の人からすれば高校がどこにあるのか分からない感じなのではないかとは思いますが、高校野球はローカル感が大切なのでこういう景色を観るだけでも楽しいですね。

越山高校の問題点

野球部が抱える問題、各個人が抱える問題は多岐にわたりますが、最も根本的な問題は「自己肯定感が低い」という点です。
いわゆる「落ちこぼれ」高校とされる越山高校の生徒は周囲からやる気がない、礼儀がなってないなどなど、レッテルを貼られていて、自然と自信を失ってしまうんですね。
そうやってみられているから余計に何かに挑戦することやコツコツ努力することをはじめから諦めてしまうんです。

南雲はそんな彼らに成功体験を与えるために「1回戦突破」という目標を掲げますが、これが終盤で良い意味で裏切られます。
生徒たちの可能性を過小評価していたことに南雲が気付くというのが第2話の構造でした。

分かりやすい演出

部員たちの現在地を知るためにフィジカルテストを実施したのは視聴者からすれば分かりやすいです。
誰が何が得意で何が苦手なのか、どういう個性を持っているのか、そういう情報が手に入りますからね。

初回は単なる金持ちのモンスターペアレンツ状態だった犬塚樹生(小日向文雄)にも彼が抱えるコンプレックスが明らかになって共感する余地が生まれました。
『Nのために』の父親の感じがありました(あそこまで酷くはないですが……)。

放送部によるラジオ番組は試合の進行を解説してくれるのでとても見やすいです。
試合に来なかった野原が試合経過を知ることもできましたしね。
生瀬さんのラジオと言えば『ごめんね青春』のカバヤキ三太郎を思い出します。

日曜劇場『ごめんね青春!』|TBSテレビ

各生徒の抱える課題

今回意外だったのが生徒たちの抱える悩みがとんとん拍子で解決していく点です。
普通なら1話あたり1人の悩みが解決すると思うのですが、このドラマでは3つぐらい一気に解決します。

まず、エースの犬塚は星葉高校に進学できなかったコンプレックスを抱えており、野球では負けないことを証明しようとします。
しかし、仲間の部員たちを信用していないことから、三振狙いで独りよがりのピッチングをしてしまいます。
もちろんキャッチャーのことも信用していないため、球種はストレート中心になり、打ち込まれて自信を失いますが、そこで仲間の大切さに気付くんですね。
彼が試合を終えてかつてのチームメイトに「またな」と声をかけたのは爽やかでしたね。

次に遠方に住む根室はそれだけではなくヤングケアラー的な役割もあって、生計を助けるためにアルバイトまでしています。
野球は下手とされ、硬式の道具も揃えられず、中学時代はごみクズのように扱われていました。
しかし、南雲は彼がコツコツ問題に取り組む姿勢を評価し「どんなことにだって解決策はある」と声をかけます。
そして試合ではエース犬塚の負担を減らすというミッションを担い登板すると、いきなり球持ちの良いサイドスローで相手打者を翻弄しました。

また、足が速いが「部活は役に立たない」と勧誘を断っていた久我原も野球の楽しさに目覚めましたし、野原も再び野球部に戻ってきました。

そして、彼らに「負け慣れているから焦らない」という強みも見つかります。

理想的な指導者像

このドラマを支えているのは間違いなく鈴木亮平さんの実在感です。
『TOKYO MER』の時も思いましたが、「こういう先生がいてくれたらなぁ」という視聴者の想いを完璧に体現しています。

野球部に限らず、部活は練習が厳しく、まるで軍隊のように規律を重んじる指導も多いため卒業後スポーツを嫌いになってしまう人は結構います。
「小学生の頃は家族で楽しく野球の話をしていたのに、部活に入ると野球の会話が無くなってしまった」なんて話もよく聞きます。
このドラマで言うと根室がその予備軍でした。
だからこそ「野球部入ってよかったです」っていう彼の言葉は響きますね。

黒木華さん演じる山住も「憧れていたからこそ形から入る」という姿勢は理解できますね。

 
 

意外な過去

第1話でいきなり南雲が教師を辞めると言い出した理由が判明しました。
教員免許を持っていないことが恩師・賀門との再会で露見することを危惧したようです。
部員たちが強くなった時に南雲が無免許だと発覚すれば、彼らにも迷惑をかけてしまいますしね。
理想的な指導者で爽やかな南雲がスキャナーで教員免許をチマチマ偽造する様子はショッキングでした。

でも、3年後も監督を続けているということは教師はやめて監督に専念するということなのかな?
それとも、足りない単位を何かしら補うことが出来るのかな?

おわりに

「時を移さずに行うのが勇将の本望である」という伊達政宗の言葉も出てきました。

https://xn--toshin-943e1b2dxhrbz4b.com/proverb/story-m.php?id=131

賀門は基本的に良い指導者のように見えますが、「レフトは素人だ」と嫌な声掛けをする面もあってまだよくわからないですね。

スポーツの楽しさを表現しつつ現代の教育に問題提起をする本作は傑作になる予感がします。