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下剋上球児【第3話感想】良心の呵責

 

 

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鈴木亮平さん出演『下剋上球児』第3話が放送されました。教員免許を偽造したまま教師をズルズルと続けている主人公と、暴力事件を正直に名乗り出た日沖が対比されていて「良心の呵責」を強く意識する回でした。夏の地方大会も始まり、いよいよ野球ドラマらしくなってきました。

 

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 日曜日 21:00~

放送日

2023年10月29日

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 日曜劇場『下剋上球児』

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
下剋上球児 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原案

「下剋上球児」(菊地高弘/カンゼン刊)

 

脚本

奥寺佐渡子

キャスト

主人公

南雲脩司(鈴木亮平)三重県立越山高校の社会科地理・歴史担当。

三重県立越山高校

山住香南子(黒木華)家庭科教諭で野球部部長。
横田宗典(生瀬勝久)野球部の顧問と監督を兼務。
丹羽慎吾(小泉孝太郎)校長。

野球部員

犬塚翔(中沢元紀)1年生。樹生の孫。名門クラブチームの元エース。
根室知廣(兵頭功海)1年生。柚希の弟。
椿谷真倫(伊藤あさひ)1年生。野球初心者。
日沖壮磨(小林虎之介)1年生。誠の弟。
久我原篤史(橘優輝)1年生。中学時代は陸上部。
楡伸次郎(生田俊平)1年生。久我原と同じ中学出身。
日沖誠(菅生新樹)3年生。主将。壮磨の兄。
長谷川幹太(財津優太郎)3年生。幽霊部員。
藤本大牙(鈴木敦也)3年生。幽霊部員。
富嶋雄也(福松凜)2年生。幽霊部員。
野原舜(奥野壮)2年生。幽霊部員。
紅岡祥悟(絃瀬聡一)2年生。幽霊部員。

南雲家

南雲美香(井川遥)脩司の妻。
南雲青空(番家天嵩)美香の連れ子
南雲なぎさ(倉田瑛茉)南雲の娘。青空の妹。

その他

犬塚樹生(小日向文世)先祖代々の大地主。
犬塚杏奈(明日海りお)翔の母。樹生の娘。
賀門英助(松平健)星葉高校野球部の監督。南雲の恩師。

相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ 日曜劇場『下剋上球児』

感想

暴力事件

前回衝撃的な告白で終わりましたが、今回はその南雲の告白が常にベースにある感じが面白かったです。
本作の元となった本が原作ではなく「原案」とされているのは南雲のこの設定のせいなのかもしれません。

日沖弟が起こしたと思われていた暴力事件は、実は兄の日沖誠が起こしていて、弟はそれを庇っていたことが発覚します。
普段は仲が悪い兄弟で、兄が3年間一人で野球をしていたことを馬鹿にしていた弟ですが、そんな兄を傍で見ていたからこその行動で兄弟愛を感じさせます。
兄の方も最終的には自ら名乗り出ていますし、良い兄弟ですよね。
正直者と兄貴思いの兄弟の横で彼らと一緒に謝っている南雲が実は現在進行形で大きな秘密を抱えているんですよ。
日沖に「三日考えろ」って言った張本人の南雲はズルズル野球部に引き戻されてしまいます。
彼が感じているであろう良心の呵責を想像するといたたまれない気持ちになります。

連帯責任

このドラマは単純に高校野球を礼賛しているわけではなく、批判的な目線も含んでいます。
暴力事件による活動休止・出場辞退という連帯責任は時代錯誤の面があります。
日沖もこの連帯責任のせいでかえって名乗り出ることを躊躇してしまいました。
連帯責任が逆に作用して隠ぺいが生まれやすくなるんですね。

抽選会と開会式

暴力沙汰のけじめとして大会出場を辞退した日沖にとって、抽選会は最後の晴れ舞台でもあります。
シード校との対戦を避けられて安心する一同と、遠くの方で越山との対決に楽勝ムードが漂う相手校の感じも面白いですし、その横でキャプテンとしての役割を果たし静かに3年間の集大成を迎えた日沖が「よくやった、キャプテン」という声掛けに肩を震わせるという重層的な演出が面白かったですね。

開会式では反対方向の電車に乗車してしまう、ベルトを忘れる、ゼッケンの向きを間違えるというズッコケ具合で可愛らしいです。
徐々に部員たちそれぞれのキャラクターがはっきりしてきました。

レミゼラブル

一度は身を引くことを考えた南雲でしたが、教え子たちの想いにほだされて副責任教師として夏の大会に参加することを決めます。
山住香南子(黒木華)も共犯関係になり、あと1週間程度バレなければ1回戦は乗り切れるわけですが、そうはいかないようですね。
恩師の賀門(松平健)が「南雲は大学を中退したはず」という話を聞き、合点がいったような顔をしていました。
知ってしまった以上見て見ぬ振りもできませんし、どのような形で露見するのかは分かりませんが、次回には大きな展開を迎えるようです。

なんとなく『レ・ミゼラブル』を思い出しました。

犬塚樹生(小日向文世)の過去

何かと口出しをしてくる樹生(小日向文世)の過去が明らかになりました。
音楽で世界を目指した彼は夢を諦め、家を継いで地主として暮らしていたようです。
お金以外に誇れるものは何もなく、傍から見れば放蕩息子が家を継いだだけなので尊敬もされていません。
むしろ馬鹿にされています。
時折り彼が見せる寂しげな表情にはこういう背景があったんですね。
彼は翔(中沢元紀)に自分の夢を託し期待をかけていますが、彼が本当の意味で翔を応援する日が来るのかも見どころです。

自転車のヘルメット

最後にどうでもいいことを書きます。
4月にヘルメットの着用が努力義務とされたことで、ドラマ内でも自転車に乗るときはヘルメットを着用することが多くなりました。
最近見たドラマで言うと『One Day』『この素晴らしき世界』などはヘルメットを被っています。
しかし、このドラマでは着用していませんでした。
必ずしも「ドラマ内では絶対着用しなければならない」と決められているわけではないようですね。

おわりに

南雲の設定には賛否あるようですが、個人的にはアリだと思っています。
「優れた指導者とは?」を問うには「免許がなくとも」という要素があっても不思議ではないからです。
まぁ、どのように決着をつけるか次第ですけどね。
『未来への10カウント』では木村さんが途中で教員免許を所持していることが発覚するのですが、本作と真逆なのも面白いですね。
生瀬さんは両方に出演しています。