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鈴木亮平さん出演『下剋上球児』第10話が放送されました。紆余曲折のあった本作ですが、最終回は真っ当なメッセージを決勝戦に挑む部員たちと南雲の姿を通して描いており、きれいにまとめた印象です。
放送日・あらすじ
放送枠
TBS 日曜日 21:00~
放送日
2023年12月17日
あらすじ
配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
下剋上球児 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ
基本情報
原案
「下剋上球児」(菊地高弘/カンゼン刊)
脚本
奥寺佐渡子
キャスト
主人公
南雲脩司(鈴木亮平)三重県立越山高校の社会科地理・歴史担当。
三重県立越山高校
山住香南子(黒木華)家庭科教諭で野球部部長。
横田宗典(生瀬勝久)野球部の顧問と監督を兼務。
丹羽慎吾(小泉孝太郎)校長。
野球部員
犬塚翔(中沢元紀)1年生。樹生の孫。名門クラブチームの元エース。
根室知廣(兵頭功海)1年生。柚希の弟。
椿谷真倫(伊藤あさひ)1年生。野球初心者。
日沖壮磨(小林虎之介)1年生。誠の弟。
久我原篤史(橘優輝)1年生。中学時代は陸上部。
楡伸次郎(生田俊平)1年生。久我原と同じ中学出身。
日沖誠(菅生新樹)3年生。主将。壮磨の兄。
長谷川幹太(財津優太郎)3年生。幽霊部員。
藤本大牙(鈴木敦也)3年生。幽霊部員。
富嶋雄也(福松凜)2年生。幽霊部員。
野原舜(奥野壮)2年生。幽霊部員。
紅岡祥悟(絃瀬聡一)2年生。幽霊部員。
南雲家
南雲美香(井川遥)脩司の妻。
南雲青空(番家天嵩)美香の連れ子
南雲なぎさ(倉田瑛茉)南雲の娘。青空の妹。
その他
犬塚樹生(小日向文世)先祖代々の大地主。
犬塚杏奈(明日海りお)翔の母。樹生の娘。
賀門英助(松平健)星葉高校野球部の監督。南雲の恩師。
相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ 日曜劇場『下剋上球児』
感想
元木さん
決勝の対戦相手の監督として元木さんが出演していました。
今シーズンまで巨人でコーチを務めており、サインを出す仕草など良かったですね。
ちなみに元木さんは『フルーツ宅配便』の第2話にも本人役で出演しています。
第2話 ストーリー|ドラマ24 フルーツ宅配便|主演:濱田岳|テレビ東京
負けたら引退
プロ野球から声がかからないし大学でも野球を続けない彼らの大半はこの大会で負けた時点で野球から引退することになります。
負けたらその時点で終わりですし、勝ったとしてもこの夏で野球人生は終了です。
南雲もいつまでもチームにかかわるつもりはないようです。
「プロにもならないのになぜ部活に打ち込むのか?」「野球が終わった後に彼らに何が残るのか?」が大きな問いとして冒頭に提示されます。
青春の終わりって感じですね。
試合展開
決勝戦の試合自体は面白いんですよ。
でも、例えば越山の応援に駆け付けた星葉の吹奏楽部の面々だって最後の夏なんですよね。
そういう周辺の細かい部分は描けていない気がします。
象徴的だったのは根室に代わって一年生の知らないピッチャーが登板したことです。
10話かけたドラマの最終回で知らない人が登場するってどうなんでしょうね。
小言から入ってしまいましたが、基本的には面白かったです。
まず、日沖が自己判断で二塁に送球したシーンなど、南雲の指示を受けずとも彼らが自分たちで今何をするべきか判断して行動できるようになっていた点が良かったです。
星葉の雰囲気に気圧されないように何度も聞いていた星葉のチャンステーマが今度は彼らの応援歌になっているというのも展開としてはよく考えられています。
姑息な手
南雲は高校生の時に姑息な手段で勝利したことがトラウマになっていました。
そして、人格者であるはずの賀門英助(松平健)がなぜそのような指示をしたのかは謎として残されていました。
今回南雲は決勝戦の場に監督として舞い戻ったことで、恩師の想いを初めて理解します。
南雲の無免許の件で有耶無耶になっていましたが、このことが南雲と賀門の関係の根底にあったんですよね。
脳震盪で激しい運動はできない久我原(橘優輝)を囮に使うという作戦もよく考えられています。
それぞれの未来
冒頭に出された問い、「野球が終わった後に何が残るのか?」に対して南雲のあいさつと数年後の同窓会で答えが出されます。
「負けても終わりじゃない、次を目指している限り人は終わらない」
という南雲の言葉に、無免許で道を踏み外し再起しようともがく南雲と、野球が終わっても続いていく人生に一歩踏み出す部員たちが重なってくるんですね。
全話を通した感想
最終回なのでドラマ全体を振り返りたいと思います。
個人的には無免許という設定自体はそれほど悪いものとは思いません。
単なる青春スポーツドラマではなく、道を踏み外した大人の再チャレンジを一緒に描くことや、「真の教育者とは?」という問いを設定することは有意義だと思うからです。
しかし、あまりにも時間を費やしすぎましたね。
部員や周辺人物の描写がありない印象がありましたし、特に山住は理解不能なエピソードを担わされていました。
南雲の妻も中途半端な描き方です。
3年後に甲子園に出場することが分かっているので、一年生の描写が多くてその他がキャラとして薄いのも気になります。
野球の試合は何度も描かれていましたが、展開が毎回考えられていて退屈しませんでした。
プレー自体も上手かったです。
総合すると傑作とまでは言わないまでもそれなりに楽しめる作品だったと思います。
おわりに
翔のために空回りしていた犬塚も「『空き地にグラウンドを作った馬鹿なオヤジがいた』と思い出してくれればそれでいい」と言ってましたね。
翔を通して自分の夢にいまだに執着していた彼が、利他的な行動にでるまでに成長したようです。