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フェルマーの料理【第1話感想】期待以上に面白い。

 

 

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高橋文哉さん、志尊淳さん出演ドラマ『フェルマーの料理』第1話が放送されました。良い意味で漫画的な要素が残されており、挫折を経験した主人公が再び夢に向かって立ち上がる様子やそれを応援する周囲の様子にはグッとくるものがありました。案外面白いです。

 

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 金曜日 22:00~

放送日

2023年10月21日

あらすじ

金曜ドラマ『フェルマーの料理』|TBSテレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
フェルマーの料理 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

小林有吾『フェルマーの料理』

 

脚本

渡辺雄介/三浦希紗

キャスト

主要人物
北田岳(高橋文哉)数学に人生を捧げてきた数学少年。
朝倉海(志尊淳)二つ星レストラン「K」のオーナーシェフ。
赤松蘭菜(小芝風花)前菜を担当。
乾孫六(板垣李光人)コミ。
王明剣(朝井大智)スープ担当。
ダビド・サロ・ペーニャ(フェルナンデス直行)魚料理担当。
ジャン・ジョルダン(ジュア)デセール担当。
布袋勝也(細田善彦)スーシェフ。
福田寧々(宮澤エマ)給仕長。
魚見亜由(白石聖)岳の高校の同級生
西門景勝(及川光博)岳が通う高校「私立ヴェルス学園」の理事長。
北田勲(宇梶剛士)岳の父親。

相関図はコチラ↓

相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『フェルマーの料理』

感想

あらすじを読んで

このドラマのあらすじを読んだときには正直言って「つまらなそうだな」って思ってました。
漫画原作過ぎるというか、数学と料理という組み合わせもイマイチピンとこないし、『トリリオンゲーム』と似た感じになりそうな予感がしたからです。
まぁ、『トリリオンゲーム』もなんだかんだ言って楽しかったですけどね。

実際観てみると

ところが実際観てみると結構面白いんですよね。
数学オリンピックへの出場を目指すような数学好きの主人公が、選考会まで自分に数学の才能がないことに気付かないというのには多少違和感はありますが、田舎の神童が都会に出てみると大したことなかったっていうのは『車輪の下』みたいな話だと思えば納得できます。

「数学の世界では主人公になれないが、料理の世界なら主人公になれる」というのもグッときますし、いい意味で漫画っぽさが残されています。

数学とは?

「料理と数学のマリアージュ」なんてセリフも出てきましたが、このドラマにおける数学は今のところ「完成品から逆算する」程度の意味しかありません。
証明すべき定理があって、それを証明するために論を組み立てるイメージなのでしょう。
我々一般人がイメージする「数学」に合致しているので分かりやすいのですが、一方で「それって数学なの?」とか「単に手際がいいってだけじゃない?」みたいな疑問が生じます。
ただ、料理というのは数学だけではなく、科学などの知識も必要とされるという点は納得できました。
とりあえず「数学的思考」あるいは「理系脳」程度に思っておくことにします。

フェルマーの最終定理 - Wikipedia

ナポリタン

初回はナポリタンでした。
誰でも作れて味も想像できる料理なので初回にはふさわしいですね。
逆に言えば、今後料理人として駆け上がってしまうと、「観ていて味が想像できない」という問題が生じるかもしれません。

食器の温度、香り、メイラード反応、食感の全てにこだわったナポリタンは北田の料理センスを物語るには十分説得力がありました。
良かったのは、「知識として知っている」ことと「自力でたどり着いた」ことが区別されていた点です。
正直メイラード反応やケチャップを先に炒める手法は多少料理に詳しい人なら知っているはずです。
でも、「香りをよくするためにどのような工夫があり得るか」を考えてたどり着く人や理屈を理解している人はほぼいないのではないかと思います。

ここが切り分けられていることで説得力が増しましたし、細部にまで気を配る主人公の非凡さが感じられました。
「やらないよ、普通」っていうセリフも良かったですね。

親の期待

初回では男手一つで育ててくれた父の期待に応えるために数学を志し、東大を志望していた北田が料理の道へ進むまでが描かれます。
「自分に才能がないとわかっていて既に興味は別のところにあるが、苦労する親の背中を見ているので言い出せない」というシチュエーションは共感できますね。
飾られたトロフィーが重たく映るんですよね。
同級生の魚見亜由(白石聖)がすべてを目撃し、北田の背中を押すのも良かったです。
きっと彼女もスポーツの道で同じような境遇にいるのでしょうね。
「先に大事なことを親に言ってから出かけろよ」っていう場面があって、多少強引さを感じましたが、おおむね良かったです。

最もよかったのは、北田が数学に熱中した幼少期の記憶の傍らには常に父親の手料理があったという描写です。
彼のルーツに親の愛情があるっていうことにグッときます。

おわりに

数学のイメージ映像が『ガリレオ』から進歩していない点はちょっと気になります。
率直にダサいです。
小芝さんは『美食探偵』の弁当屋のイメージがあったので意外な感じがします。
厨房を取り仕切るまでになった主人公の様子から始まるのも『トリリオンゲーム』に似ていますね。