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トリリオンゲーム【第8話感想】スタジオポポラを巡る攻防

 

 

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目黒蓮さん、佐野勇斗さん、今田美桜さん出演ドラマ『トリリオンゲーム』第8話は攻勢を強めるドラゴンバンクに対抗するためアニメスタジオ・ポポラ社と独占配信契約を結ぶ過程が描かれました。ゲーム編の焼き直しのようで面白くはなかったです。

 

放送日

2023年9月1日(金)22:00~ TBS系列で放送

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』

配信状況はこちらをご確認ください↓
トリリオンゲーム - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

ハル/天王寺陽(目黒蓮)天性の人たらし。
ガク/平学(佐野勇斗)パソコンオタク。ハルの中学時代の同級生。
黒龍キリカ (今田美桜)ドラゴンバンク取締役。一真の娘。
高橋凜々(福本莉子)堅物な就活生。社長。
長瀬忠則(竹財輝之助)キリカのボディーガード兼秘書。
祁答院一輝(吉川晃司)「祁答院ベンチャーキャピタル」の社長で投資家。
黒龍一真(國村隼)「ドラゴンバンク」を一代で築き上げたカリスマ経営者。

相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』

感想

つまらなかった

今回は正直に言ってつまらなかったです。
弱小のトリリオンゲームが大手ドラゴンバンクを出し抜くという展開も、そのためにハッタリをかまし、会見の場で裏切るというやり方もすべてゲーム事業編で既に登場しているんですよね。

そして明らかにスタジオジブリを意識したスタジオポポラが全く魅力的に見えず、説得力もありませんでした。

順番に振り返りたいと思います。

トリリオンつぶし

つまらないとはいっても出だしは面白かったんです。

キリカ(今田美桜)は動画配信サービスDLEXの全ユーザーに1年間無料という破格のキャンペーンを打ち出します。

独占禁止法に引っ掛かりそうな内容ですが、規模を利用してダンピングすることで競合他社を潰し、その後に値上げするという手法は実際効果的ですし、なによりドラゴンバンクのキャラクターに合っています。

“Winner takes all.”というこのドラマの基本理念にも合っていますよね。

不当廉売に関する独占禁止法上の考え方 | 公正取引委員会 (jftc.go.jp)

インターネットにおける「ウィナー・テイクス・オール」とは? | MarkeTRUNK (profuture.co.jp)

そして同時にテレビリモコンの専用ボタンについても言及されました。
専用ボタンが無くてもテレビで観ることは可能ですが多少手間なんですよね。

リモコンに設置できるボタンの数は限られていますし、競争を最も可視化したアイテムとしてリモコンを持ち出してきたのは面白いです。
なにより我々視聴者にとって身近です。

リモコン激変!「ボタン争奪戦」が熾烈極める理由 Netflix追う日本勢、テレビメーカーも前のめり | メディア業界 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

スタジオポポラ

この圧倒的なピンチを逆転する秘策としてスタジオポポラが登場します。
アニメに対してこだわりが強く採算度外視のクリエイター・宇佐美は宮崎駿氏、そんな宇佐美のわがままを叶えるために資金面や商業面のやりくりをするプロデューサー安住は鈴木敏夫氏をモデルにしています。

宮崎駿 - Wikipedia

鈴木敏夫 - Wikipedia

でも、本作の宇佐美はただのパワハラ気味のクリエイターでしかなくて、全く魅力的ではないんです。
私はジブリの事情に詳しいわけではないですが、宮崎氏の持つ「困ったおじさん」感がないんですよね。
安住も縁の下の力持ち過ぎて、鈴木氏のもつ一筋縄ではいかない感じがないんですよ。

どうせまねるのであればもっと似せてほしかったです。

これを言うと元も子もないですが、たしかにスタジオジブリ作品を独占配信するサブスクが登場すれば話題にはなるでしょうけど、それでも世界を制するとまでは思いません。

スタジオポポラはそれを手に入れれば逆転できるという「マクガフィン」的なものとして登場しているので、本来ならその中身自体はどうでもいいんです。
でも、中途半端にスタジオジブリに似せているためかえってノイズになってしまっています。

風の丘の少女

ハルはお蔵入りになっていた『風の丘の少女』を完成させトリリオンTVで独占配信することを提案します。
言うまでもなく、『風の谷のナウシカ』っぽい作品です。
プロデューサー安住の提案が唯一採用された作品で、二人の絆を象徴することは分かりますけど、大前提としてこの作品のどのあたりが優れているのかが分からないんです。

ゲーム事業の時には「独特の触り心地が癖になる」って説明がありましたよね。
そういう説明が必要でした。

また、ディズニーっぽい会社のウォルトとの提携をでっち上げ、そのハッタリで契約にこぎつけるというのもゲーム事業でやっています。
その後にAIをプレゼンするためだったというエクスキューズはありますが、基本的には一緒でした。

『風の丘の少女』は彼らが何物でもなかった頃の作品として紹介されます。
だったら、「今の宇佐美が失っていた何かがこの作品にはある」とか、「実現にはあまりに膨大な作業工程が必要で当時の技術では(AIを使わないと)不可能だった」とか、それっぽい理由が欲しかったですね。

むしろ「この作品は他の安住の企画と同様つまらない。でもこの作品にしかないパワーがある」って説明してくれたほうが良かったかも。

おわりに

このドラマは金曜10時に放送しているので、裏では金曜ロードショーが放送されています。
実際7月には3週連続でジブリ作品が放送されていました。
そういうメタ的な面白さはあるかもしれないですね。

金曜ロードショーとジブリ展 (kinro-ghibli.com)

関連リンク

原作漫画は電子書籍で

稲垣理一郎/作画:池上遼一『トリリオンゲーム』