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目黒蓮さん、佐野勇斗さん、今田美桜さん出演ドラマ『トリリオンゲーム』が最終回を迎えました。黒龍によって窮地に追い詰められたハルとガクが逆転劇を演じる中で、これまでの9話の要素を程よく盛り込んでいて、最終回としての完成度が高かったです。
放送日
2023年9月15日(金)22:00~ TBS系列で放送
あらすじ
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トリリオンゲーム - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ
キャスト
ハル/天王寺陽(目黒蓮)天性の人たらし。
ガク/平学(佐野勇斗)パソコンオタク。ハルの中学時代の同級生。
黒龍キリカ (今田美桜)ドラゴンバンク取締役。一真の娘。
高橋凜々(福本莉子)堅物な就活生。社長。
長瀬忠則(竹財輝之助)キリカのボディーガード兼秘書。
祁答院一輝(吉川晃司)「祁答院ベンチャーキャピタル」の社長で投資家。
黒龍一真(國村隼)「ドラゴンバンク」を一代で築き上げたカリスマ経営者。
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相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』
感想
このドラマの特徴
このドラマはちょっと特殊な構成をしていて、トリリオンゲームを成長させるために奮闘する二人の物語と、成功した後のガクに分けられていました。
最終回ということで、今回はその“未来”にどのようにつながるのかがポイントでしたが、結構綺麗にまとまっていたと思います。
前回の続き
前回の情報漏洩によりトリリオンゲーム社は存続の危機に立たされてしまいます。
ハル・ガク・祁答院で42.5・42.5・15%ずつ保有している株をそのうち二人が黒龍に譲ればドラゴンバンクの傘下に入り子会社化します。
明言はされてなかったですけど黒龍は、仲間同士が疑心暗鬼に陥ることで相手を裏切り我先に自白しようとする「囚人のジレンマ」を利用したのだと思います。2人の友情への試練としてこのやり方は面白いですね。
まぁ、ハルがハッタリや裏の目的を持って行動することはこれまでも何度も登場しているので、この展開が成功するためには
- さすがのハルでもこの状況を逆転するのは困難であると示すこと
- 本当にハルが裏切ったと視聴者に思わせること
- 裏の裏まで練られた計画であること
の3つが必要です。
そういう視点で見ても、これら全ての要素がある程度盛り込まれていたと思うので個人的には満足です。
集大成的内容
ただ単にこれらの要素を盛り込むだけでなく、これまでハルたちがやってきた成果や人脈、ペテン的な手口の総決算になっていたり、伏線回収のような総集編感を出したりしているところが今回のすぐれたポイントです。
順番に振り返ります。
まず、初回に登場したハルのロードマップに「ドラゴンバンクの社長室を手に入れる」とあったこと、そして「キリカごとすべてを手に入れる」とあったことが重要な意味を持ちました。
ハルがドラゴンバンク役員としてトリリオンを目指しているように見えたことで、ハルの裏切りにリアリティを与えましたし、キリカへの挑戦状も株の譲渡の件で有効に使われています。
もう片方で、「ガクは絶対に仲間を見捨てない」ことをハルが確信していたことも重要でした。
このようにハルが確信していたのは、第5話での1度目の裏切りがあったからです。
まだまだたくさんある
重要なのはこの二つですが、細かいものはたくさんあります。
社長室でデータを盗む際、監視カメラに細工をするのは第1話で登場したハルとガクの最初の出会いのエピソードからの引用です。
不正の証拠をつかみ一斉に流す手法が可能だったのも第7話で作ったメディアの成果です。
不正の証拠を掴みインサイダー情報で投資家たちや黒龍本人を誘導するのは第6話のゴップロ買収の手法をアレンジしたものです。
相手に食いつかせてから反撃するのは第1話以来の彼らのやり方ですね。
そして黒龍をはめるために彼らが利用したのは、黒龍の強みである「メディアを支配している」というおごりです。
これはフラワーショップの第3話頃から度々黒龍が用いてきた強引なやり方への意趣返しでした。
さらに、第10話序盤の「引き際を間違えれば二度と這い上がれない」という序盤のセリフが黒龍に返ってくるのも面白いです。
さらにさらに、本筋の展開の中で回収しきれなかった花屋のエピソードはリンリンに社長を継がせることで回収しました。
彼らの成功の裏にロードマップを一マスずつ進めるリンリンの実直さがあったことも言及されています。
リンリンを通じて第2話~第4話の要素ももりこまれているんです。
このドラマの結末
ハルたちの強みである「ハルとガクが揃えば無敵」という精神がトリリオンゲーム社とドラゴンバンク社の社員たちが共闘する形で具現化していたのも素晴らしいですね。
大団円って感じです。
途中ハッタリばかりで空虚に見えたこのドラマが言いたかったのは結局ココなんですね。
「誰でも長所や短所がある。でも、互いに補い合い、信頼し、みんなで力を合わせればワクワクするものが作れるんだ!」というメッセージは若々しくてエネルギッシュです。
おわりに
私はハルとガクの成長物語としてこのドラマを観ていました。
でもそれは誤りだったようです。
少なくとも最終回は彼らに影響されて変わっていく人々の姿が描かれていました。
ハルがなぜお金を稼ぎたいのかは結局のところ分からずじまいでしたが、彼が駆け抜けた後には互いの個性を認め合う豊かな世界が広がっています。
全編を通した感想はまとめページに書きます。
関連リンク
原作漫画は電子書籍で
稲垣理一郎/作画:池上遼一『トリリオンゲーム』