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トリリオンゲーム【第9話感想】電子マネー

 

 

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目黒蓮さん、佐野勇斗さん、今田美桜さん出演ドラマ『トリリオンゲーム』第9話はドラゴンバンクとの直接対決に備え電子マネー事業に乗り出します。交通系電子マネーという面白い題材をいつものように一足飛びにたった1話で使い切るこのドラマには賛否がありそうです。

 

放送日

2023年9月8日(金)22:00~ TBS系列で放送

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』

配信状況はこちらをご確認ください↓
トリリオンゲーム - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

ハル/天王寺陽(目黒蓮)天性の人たらし。
ガク/平学(佐野勇斗)パソコンオタク。ハルの中学時代の同級生。
黒龍キリカ (今田美桜)ドラゴンバンク取締役。一真の娘。
高橋凜々(福本莉子)堅物な就活生。社長。
長瀬忠則(竹財輝之助)キリカのボディーガード兼秘書。
祁答院一輝(吉川晃司)「祁答院ベンチャーキャピタル」の社長で投資家。
黒龍一真(國村隼)「ドラゴンバンク」を一代で築き上げたカリスマ経営者。

相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』

感想

買収拒否

一人当たり300億円という破格の値段で買収を持ち掛けた黒龍(国村淳)の提案を拒否します。
平均年収の100倍という金額を手に入れれば人生上がりですが、「トリリオンダラーを手に入れる」という彼らの夢はあきらめることになります。
その決意をカジノのルーレットでオールインする様子で表現したのはベタすぎる気がします。

この提案は事実上黒龍による最後通牒ですよね。
提案を拒否したことで全面対決へと進んでいきます。

キリカ(今田美桜)をスーパーマーケットに左遷するのとか、ゴミを突き返すのとか、それぞれの展開がぶつ切りな感じがして物語に入り込めませんでした。

それにしても國村淳さんのリアクションがCMと完全に一致しています。

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キャッシュレス決済

このドラマの良いところは毎回ある業界の裏側や儲けのシステムを簡単に説明してくれるところです。
おそらく漫画原作が有している要素なのだと思います。
経済漫画の雰囲気がドラマにも残されています。
今回はキャッシュレス決済でした。

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「トリンリンペイ」のモデルは「PayPay」なのでしょう。
決済手数料無料やポイント還元などの戦略だけでなく、CMの感じまで似せていました。

でも、もし本当にこの戦略を選ぶのであれば、もうけが出るのは3年後からなんですよね。
彼らの住んでいる世界の時間の進み具合が最早わからなくなっています。
企業価値さえ上がればOKっていうことなのかな?

対するキリカの持ちだした電子マネーは「WAON」とかのイメージですかね?

交通系電子マネー

このあたりまでの情報は誰でも知っているレベルというか、それほどドラマが生まれない単なる情報だったのですが、今回は交通系電子マネーに着目することで一気に解像度が上がった気がします。

PASMOの誕生と歴史|PASMO(パスモ)

経営規模が異なる私鉄各社が参加しているため、各社の意向がバラバラで意思決定が難しいという背景事情があるようですね。

「モバイルPASMO」の実現までに13年もの歳月がかかった裏事情 - CNET Japan

この「パスカ」という電子マネーはドラマの題材としてかなり面白いです。
WOWOWならこれだけで全5話のドラマを作るんじゃないか?ってぐらい、各社の思惑や主導権争い、鉄道会社という企業文化・風土などいろんな面白い要素を盛り込む余地があります。
TBSの日曜劇場なら地方のバス会社を舞台に私鉄連合のドロドロを描くかもしれません。

ただ、このドラマはそうはなりません。

「それぞれの弱点を補えば最強!」程度の理屈で乗り切っていきます(多少描かれてはいます)。
ここがこのドラマの良さでもあり、悪い部分でもあります。
意表を突くことばかりで深みが全くありません。

気になるのが不倫の証拠をつかんで脅迫するという展開がここ最近のドラマでは多用されすぎています。
私が観ただけでも『ハヤブサ消防団』『この素晴らしき世界』『トリリオンゲーム』でこの手法が使われていました。
このドラマに限ったことではないですが安直すぎます。

システムトラブル

ハルたちのパスカ・SUISUIとの統合というアイデアは大資本であるドラゴンバンクに丸ごと奪われてしまいます。
それどころか、システムをハッキングされ個人情報が漏洩してしまいました。
次回最終回なので、現在ハルが不在である理由にもつながりそうですね。
ここでも不満が少しあって、今回の冒頭で登場した人物が終盤で裏切るんです。
もっと前から登場していないと裏切った感じが出てきません。
というか登場したときから「こいつスパイだな」って分かります。
もう第9話なので逆算するとそうなってしますんです。

次回最終回なのですが、ハルについて驚くほど何もわかっていません。
彼がなぜお金を稼ぎたいのか?すべてを手に入れた先に何があるのか?分かりませんし、初回からハルのキャラクターはほとんど動いていません。

今回少し描かれたのはハルの思い描く理想の将来像が年に一回海外旅行に行くレベルの暮らしぶりだったことですね。

おわりに

真の主人公はガクだということなのかもしれないですけど、そのガクだってそれほど成長していません。
最終回どのように終わっていくのか正直不安です。

関連リンク

原作漫画は電子書籍で

稲垣理一郎/作画:池上遼一『トリリオンゲーム』