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トリリオンゲーム【第4話感想】ゲーム事業の買収

 

 

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目黒蓮さん、佐野勇斗さん、今田美桜さん出演ドラマ『トリリオンゲーム』第4話はヨリヌキの失敗を教訓とし、メディアを握るためにハルたちがゲーム事業を買収するところから始まります。新たなキャラクターの桜の描写が不十分で若干不満が残りましたが、このドラマの転換点となる重要な回であることに変わりはありません。

 

放送日

2023年8月4日(金)22:00~ TBS系列で放送

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』

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トリリオンゲーム - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

ハル/天王寺陽(目黒蓮)天性の人たらし。
ガク/平学(佐野勇斗)パソコンオタク。ハルの中学時代の同級生。
黒龍キリカ (今田美桜)ドラゴンバンク取締役。一真の娘。
高橋凜々(福本莉子)堅物な就活生。社長。
長瀬忠則(竹財輝之助)キリカのボディーガード兼秘書。
祁答院一輝(吉川晃司)「祁答院ベンチャーキャピタル」の社長で投資家。
黒龍一真(國村隼)「ドラゴンバンク」を一代で築き上げたカリスマ経営者。

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相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『トリリオンゲーム』

感想

未来のガク

前回は若干つまらなかったですが、今回再びスピード感を取り戻した感じがありましたね。
このドラマは未来の成功しているガクの視点から過去を振り返るという構成をしています。
これまではこの構成があまり機能していないというか、むしろ「あぁ、成功するのね」と緊張感をそぐ面もあったように思いますが、今回は少し意味を持ちはじめました。

この未来のガクの描写で特徴的なのが、ハルが不在であることです。
そして、どうやらその原因、ガクとハルが袂を分かつきっかけが今回取り上げられたゲーム事業にあることが暗示されます。
ゲーム事業は結果的に成功しているみたいですしね。

そういう意味で第4話はこのドラマの大きな転換点にあたるのかもしれません。

ゲーム事業

前回ヨリヌキを売却し1億円ゲットしたものの、ドラゴンバンクにパクられてしまったことで、ハルはメディアを握ることの重要性を痛感します。

メディアを握るには大金がいる、大金を稼ぐのに手っ取り早いのはソシャゲであるというハル流の短絡的な発想から、今回はゲーム事業を取り扱うことになりました。

やっていることはもっと上を目指すために新たな作戦を考えるというこれまでと変わらない手法ですし、ハッタリで乗り切るという手法もこれまでと同じなのですが、今回はハルのダークな一面が浮き彫りになりました。
これまでも例えば人力AIなんて詐欺的な手法でしたが、それでもハルを信用していたのはハルがガクやリンリンを信頼していることが分かっていたからなんですね。
どんなに詐欺的でも最終的にはハルが辻褄を合わせるのだという信頼が3話までで醸成されました。
今回はその視聴者のハルに対する信頼を逆手に取る形で大きな仕掛けが動いていました。

サクサクラボ

自分たちのためにゲームを作ってくれる会社を買収するためにゲーム会社のリストを一件ずつ訪問する描写はRPG風でした。
他にも会社のリストをレイヤーにして風景に重ねる演出もありましたけど、それほどスタイリッシュには感じませんでしたね。
遊び心は感じましたけど。

このサクサクラボの面々の描写はかなり端折っていて、特に桜(原嘉孝)は情緒不安定に見えました。

彼らの手元には1億円あって、家賃が300万円、普通ゲーム開発には2年の歳月と10億円の資金が必要という説明は正攻法では立ち行かないことを説明するのに十分でしたし分かりやすかったです。

桜とガクの対話

今回最も大切なシーンは、世界的ゲームプロデューサーとの仕事に浮足立つ社員たちから軽んじられた桜と彼を説得するガクの対話です。

このあとハルは桜たちを捨て駒にしようとするわけで、ガクが板挟みになるためには桜への共感を強く描かなければなりません。

桜という男はゲームが好きでゲームに強いこだわりを持っていますが、それゆえに作品としてのクオリティを下げるというビジネス的な妥協ができず、多くの社員を失いました。

彼の存在自体が事業の成功の障壁になっていることを自覚していたわけですね。

そんな桜にガクが語りかけたのは、信頼して付いてきてくれた仲間の存在で、それはガク自身の体験でもあるのですが、ちょっとずれているような気がします。
というか、なんか雰囲気だけで押し切られた感じがします。
ガクの抱えていた悩みと桜が現在抱えている悩みって方向性が違いますよね。

桜の悩みはプライドと自己犠牲のバランスであって無力感とはちょっと違います。
結論的には仲間が付いてきていることが何よりの証明であるっていうことで一致しているんですけど、過程がちょっと違うんですよね。

このシーンの説得力が弱いのは結構致命的な欠陥だと思います。

ハルの仕掛け

このドラマも第4話なので、視聴者はハルの別行動が多いこと、ハルが別行動しているときは何か企んでいることを把握しています。

今回も「何かやってるなぁ」と思いながら観ていたわけですけど、その仕掛けが2重3重になっているのが今回の面白いポイントです。

細かいところで言えば、蜜園社長にサクラ行為をお願いしたことなんかもたくらみの一つですね。
「世界の堀本」が偽物であることも、全くゼロから作り上げたとは思わないまでも、怪しいことは比較的わかりやすかったです。
ドラゴンバンクが開発者情報を隠していることを逆手に取っているのでフェイクニューだと証明できないというロジックは面白かったです。

「世界の堀本さんならきっとこうするはずだ。」とか、「世界の堀本が関わっているなら成功間違いない。」とか、実在しない人物に自分の願望を投影して都合よく利用する人々の愚かさは都市伝説的な滑稽さがありましたね。
ちょっと気になったのは堀本が扮装を解くシーンが挿入されていた点。
そもそも実在しない人物なら扮装する必要も薄いですし、それを解いたところで「お前誰やねん⁉」ってなるだけです。
視聴者へ向けた「かもめんたるのう大さんですよ。」という説明シーンになっています。

今回最大の仕掛けはハルにとってはメディアを握ること、そのための資金を得ることが主目的で、ゲーム事業はダミーでしかないという点です。
確かに今回の冒頭の時点でハルがゲームに対して興味がなく、集金のための手段としか考えていないことは示されていますし。

勝つためなら何をしてもいいというのは黒龍一真(國村隼)の考え方ですし、ハルが彼の考えに染まったのか、それともさらに大きなすべてを包括する解決策を持っているのかがこれからの見どころですね。

それは結局「何のために稼ぐのか?」という命題にたどり着きます。

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おわりに

トリリオン稼ぐというゴールのためにサクサク前に進んでいくスピード感がこのドラマの魅力ですが、要所はもう少し丁寧に作っても良いんじゃないかなとは思いました。

今回で言うと桜の描写が不十分に感じます。
それでも面白いんですけどね。

関連リンク

原作漫画は電子書籍で

稲垣理一郎/作画:池上遼一『トリリオンゲーム』