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いちばんすきな花【第3話感想】もごもごする関係

 

 

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多部未華子さん、松下洸平さん、今田美桜さん、神尾楓珠さん出演ドラマ『いちばんすきな花』第3話が放送されました。もごもごする関係性から友人だと認め合う関係への進展が描かれ、連絡先の交換がコミカルに表現されていました。

 

放送日・あらすじ

放送枠

フジテレビ 木曜日 22:00~

放送日

2023年10月19日

あらすじ

いちばんすきな花 - フジテレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓

いちばんすきな花 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

基本情報

原作

ありません

脚本

生方美久(過去作:『silent』)

キャスト

潮ゆくえ(多部未華子)
春木椿(松下洸平)
深雪夜々(今田美桜)
佐藤紅葉(神尾楓珠)

潮このみ(齋藤飛鳥)
望月希子(白鳥玉季)
穂積朔也(黒川想矢)
白石峰子(田辺桃子)
相良大貴(泉澤祐希)
小岩井純恋(臼田あさ美)
赤田鼓太郎(仲野太賀)

相関図はコチラ↓
いちばんすきな花 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

感想

もごもご

今回は4人の主人公がシンクロするような描写がいくつかありました。
また、前回に引き続き女性チームと男性チームに別れる場面も多かったですね。

夜々が学習塾を訪問した時、椿が弟に来客について尋ねられた時、それぞれ「もごもご」としてしまいます。
なぜもごもごするかというと、友達の定義はそもそもあいまいであることに加えて、彼らは「自分は友達だと思っていても、相手はそう思ってないかもしれない」ということを常に懸念していて、安易に友達を名乗れないからなんですね。

しかし純恋が帰る際には、椿は3人を「友達」だと紹介します。
椿は残りの3人と話すことで「友達」だと思い至ったのではなく、純恋と話す中で自分にとって「(何度もあっているのに)気を遣わなくていい存在(=友達)」だと気付いたところが面白いです。
椿の友達の定義も同時に示されています。

LINE

紅葉とゆくえを除く4人それぞれはお互いの連絡先を知らないことに気付きます。

LINEの交換にもたついてしまうのはあるあるだと思います。
LINEを使い始めた当初や、新生活が始まった際には新規登録の機能・QRコードの表示を頻繁に行いますが、しばらくすると追加する相手もいなくなり使い方も忘れてしまいます。
「大人になってから友達ができることは少ない」からですね。

そんな中紅葉だけは手慣れていました。
これは彼のキャラクターからすれば自然なことです。
ゆくえが「交友関係の狭さがバレる」と言っていましたが、LINEを使い慣れていて交友関係が広いことと友達の数は必ずしも一致しません。

椿の悩み

今回は椿にスポットライトが当てられました。
こんな感じで各話一人ずつ扱っていくのでしょうか?
もしそうだとすると、5話ぐらい残りますので、さらにその先が描かれることにはなると思います。

椿は幼いころ突飛な行動をとらないようにしつけられているうちに、個性がなく周囲にっ付和雷同するだけ人物になってしまったようです。
そうなると周囲からは(先生からも)「都合のいい人」「怒らない人」とみなされるようになっていくんですね。

面白かったのが、彼が怒っていないわけではないという点です。
怒っていてもそれを表現できないだけなんですね。
そしてそのうっぷんを二度と会わないであろう初対面の人にぶつけて発散しています。
タバコを吸わないのに喫煙所に出かけ、第1話で夜々に対して行ったように一方的に話しまくるという椿の突飛な行動は彼の生い立ちを知れば納得できます。

楓との再会

椿は純恋に初めて思いのたけをぶつけます。
「好き同士だったけど両思いではなかった」という必要条件と十分条件的な「わかりにくいこと」を言ってましたね。
こういう「分かりにくいこと」を常に考えているのが椿ですが、彼は嫌われることを恐れ純恋の前でも気を遣い本当の自分を押し殺していたようです。
彼の体に染みついた習性は恋人の前でも変わらなかったんですね。
自分の感情を犠牲にした関係など早晩破綻することは目に見えていますし、別れて正解ですよ。

注目すべきは弟の持ってきた枯れかけの花束を純恋に渡した点です。
後に弟が「友達にこそあげないでしょ」と言っていたように、普段の椿なら絶対に渡しません。
純恋との別れに際して、はじめて「気を遣わない」ことで彼なりに誠意を示したのかな。

数3C

懐かしい響きですね。
このあたりも特定の世代を狙い撃ちにしています。
数3Cとは主に理系の大学で受験科目とされていた発展的な内容の数学です。

実は現在共通テスト(旧センター試験)において数3は存在しますが数Cは統廃合され存在しません。
来年度から新たな数Cが誕生するそうですよ。

数学C - Wikipedia

「リケジョ」なんていう言葉はおそらくここ10年で使われ始めたでしょうし、珍しいからこそそういう言葉が生まれるわけで、「女性は文系」という固定観念はまだまだ残っていると思います。
次回の話題の中心は夜々になりそうです。

塾の生徒の女の子も頭の中で数学の問題に悩まされているのもクスッと笑えますね。

部室

椿の一人暮らしにはだだっ広い新居は彼らの「部室」になるようです。
おそらく、最終回で椿がこの家を引き払うことになるんじゃないかな?

学校生活の思い出をとことん引っ張り出してくる本作ですが、携帯電話に関する考察は名台詞だと思いました。

携帯電話を持った時に感じる「一人で何でもできる」という万能感は「一人じゃない」という確信に依拠している。

このセリフを聞けただけでこのドラマを観た価値があったなと思うぐらい、核心を突いた内容でした。

おわりに

「あきたこまちのある家は敵」という新潟県民ギャグは唐突で面白かったですね。
次回は夜々の母親として斉藤由貴さんが登場するようです。

個人的には早く紅葉のモヤモヤを解消してあげてほしいなぁって思っちゃいますね。
「好きなことを仕事にするには覚悟がいる」って椿が話した時の彼の顔の曇り方とか、本当に細かい描写が多いです。

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