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フェルマーの料理【第2話感想】エンタメとして面白い

 

 

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高橋文哉さん、志尊淳さん出演ドラマ『フェルマーの料理』第1話が放送されました。妙に不穏な現在パートが気になりますが、主人公が料理人として成長していく物語はエンタメとして面白いです。

 

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 金曜日 22:00~

放送日

2023年10月27日

あらすじ

金曜ドラマ『フェルマーの料理』|TBSテレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
フェルマーの料理 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

小林有吾『フェルマーの料理』

 

脚本

渡辺雄介/三浦希紗

キャスト

主要人物
北田岳(高橋文哉)数学に人生を捧げてきた数学少年。
朝倉海(志尊淳)二つ星レストラン「K」のオーナーシェフ。
赤松蘭菜(小芝風花)前菜を担当。
乾孫六(板垣李光人)コミ。
王明剣(朝井大智)スープ担当。
ダビド・サロ・ペーニャ(フェルナンデス直行)魚料理担当。
ジャン・ジョルダン(ジュア)デセール担当。
布袋勝也(細田善彦)スーシェフ。
福田寧々(宮澤エマ)給仕長。
魚見亜由(白石聖)岳の高校の同級生
西門景勝(及川光博)岳が通う高校「私立ヴェルス学園」の理事長。
北田勲(宇梶剛士)岳の父親。

相関図はコチラ↓

相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『フェルマーの料理』

感想

現在のパート

『トリリオンゲーム』もそうでしたが、最初と最後に主人公の現在が描かれます。
現在からスタートして、過去に遡るという構成ですね。

個人的にはこれは無いほうがすっきりしていて良いかなと思うんですけどね。
初回は物語の骨子が分かるという意味では挿入されるのも納得できるのですが、毎回闇落ちした主人公を見せられると応援する気持ちが若干失せるんですよね。

リトルの法則

もう一つ、有っても無くてもいいような描写がありました。
主人公が数学の知識を利用して店の前の行列の待ち時間を予測するシーンです。

「リトルの法則」というらしいです。数学が経営学の分野に取り入れられた代表例のようで、下のサイトの説明を拝読した限りではそれほど難しくはありません。

リトルの法則-待ち時間の推定-この行列は、あと何分、待たなくてはならないのか? |ニッセイ基礎研究所

数学オタクの主人公の様子と、熱中すると早口になる様子を描いているのですが、どうせ紹介するのならもう少し詳しく説明してほしいですね。
『LIAR GAME』みたいな感じで。

皿洗い

まかない料理を作りスタッフに認めてもらうというミッションを課された主人公ですが、目まぐるしいスピードで進行していく厨房の雰囲気にのまれ、皿洗いすらろくにできません。

ブリュノワーズを予習していたことで褒められたと思ったら、「遅い」と叱責されて自信を喪失するという「上げて落とす」感じがいたたまれないですね。
第2話ではこの「上げて落とす」が何度も登場します。

まかないの品評でもすごく褒めてくれるんですよね。
スタッフたちは料理に対する姿勢は真摯でフェアなので、観ているこっちが戸惑うぐらいでした。

水泳部の魚見亜由

挫折しかけた主人公に寄り添い、復活するきっかえを与えたのは魚見でした。
分野は違えど周囲との実力差に自身を喪失し焦っているという境遇は同じです。
このドラマは北田岳(高橋文哉)が主人公なので、彼女の状況はわずかにしか描かれませんが、焦りのあまりオーバーワークをして怪我をしてしまう彼女のどん底具合は北田にも劣りません。
自分がそんな状況にあるのにお弁当を持参して「北田には数学がある」と励まし、自らも鼓舞する二人の関係性はグッときます。

数学しかやってこなかった

料理の基本が未熟な主人公は「数学しかやってこなかった」ことを後悔しますが、魚見の励ましにより「自分には数学がある」と思い直します。
ここから逆転劇が始まるのですが、非常にロジカルで面白かったです。

まず、スタッフたちの作業ペースについて行けない問題について、各人の動きに法則性を見出すのではなく料理の配置や動線を観察することで法則性を見出しました。
これは私のような数学素人からすると非常に数学的だと感じました。
アプローチを変えることで無秩序に見えていたものに法則が存在すると気付くという展開は、NHKスペシャルとかでたまにやってる数学の特集でたまに見かけますよね。

そして、一回目では好評だったものの「なぎ倒されるような」衝撃がないという理由で不合格となった肉じゃがを大幅に改良します。

これは一回目の様子を観ているときに多くの視聴者が「外国人のスタッフもたくさんいるのに肉じゃがかよ」って思ったんじゃないですかね?
視聴者にさりげなくヒントを与えてくれるのでストーリーを追いやすいです。

面白いのはここでもアプローチの仕方なんです。
朝倉が指摘したように「凡庸なシェフならそれぞれの出身地に合わせて多種類を作ろうとする」ところを、北田は肉じゃがという日本のノスタルジーを究極まで極め、普遍的なノスタルジーにまで到達させることで万人に受け入れられる料理にするというアプローチを採用しました。
ノスタルジーという概念を一皿で表現したあの肉じゃがには興味がそそられます。

成功に至るまでの失敗の過程も良かったです。
「とりあえず高級食材を使ってみる」っていうのは絶対一度は通りますよね。
ああいう描写があるのとないのとでは大違いです。

また、外国人役の俳優の方たちも良かったです。
彼らの存在自体が一つのトリックになっているし、そもそもスタッフの一員なので非常に大切なのですが、ダメなドラマってここで手を抜くんですよ。
その点このドラマはちゃんとしています。

数学の描写がやっぱりダサい点や、「どちらかというと経営学なんじゃないの?」って思うこともありますし、口々に料理の解説をするのが漫画っぽいなど、気になるところはありますけど、細かいことなので気にしないことにします。

名前

仲間と認めるまで名前を教えないというルールは冷静に考えると謎です。
しかし、仲間として迎え入れられるシーンは感動的ですよね。

赤松蘭菜(小芝風花)が良いですね。
北田がまかないを作る様子を最後まで見ていて多分いい人なんだろうなっていうのが伝わってきますし、スーシェフの布袋も口調こそ厳しいですが重要なヒントを教えてくれましたし、「実はみんないい人なんじゃないか?」って感じがします。
そうなると逆に朝倉のダークさが際立ってきますね。

おわりに

朝倉は追放されたんですかね?
ナポリタン、肉じゃがと庶民的な料理が続いていますが、こんな感じで進んでいくのかな?