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いちばんすきな花【第5話感想】

 

 

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多部未華子さん、松下洸平さん、今田美桜さん、神尾楓珠さん出演ドラマ『いちばんすきな花』第5話が放送されました。これまでの似た者同士の傷のなめ合いぽかったエピソードとは異なり、紅葉の加害性のようなものにも言及していてフェアな内容だったと思います。

 

放送日・あらすじ

放送枠

フジテレビ 木曜日 22:00~

放送日

2023年11月09日

あらすじ

いちばんすきな花 - フジテレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓

いちばんすきな花 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

基本情報

原作

ありません

脚本

生方美久(過去作:『silent』)

キャスト

潮ゆくえ(多部未華子)
春木椿(松下洸平)
深雪夜々(今田美桜)
佐藤紅葉(神尾楓珠)

潮このみ(齋藤飛鳥)
望月希子(白鳥玉季)
穂積朔也(黒川想矢)
白石峰子(田辺桃子)
相良大貴(泉澤祐希)
小岩井純恋(臼田あさ美)
赤田鼓太郎(仲野太賀)

相関図はコチラ↓
いちばんすきな花 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

感想

第5話の特徴

今回のエピソードはこれまでの4回とは少し異なります。

これまでは「分かっている」側の4人が配慮に欠ける周囲に一方的に傷つけられるお話でしたが、今回の紅葉は他人を傷つけています。
要は自分がされて嫌なことを相手にしていた罪悪感に耐え切れなくなったという話です。

閉鎖的で内輪の感じがしていたこれまでのエピソードより、「傷つける側でもあり、傷つく側でもある」というフェアな感じに好感が持てますが、その分複雑でいろんな感情が湧いてきますね。

良かった点

「『お邪魔しました』という言葉への返答は何がふさわしいか」という冒頭の会話がネタフリになっていました。
篠宮との別れで「お邪魔しました」という紅葉の言葉に「バイバイ」と返されてしまいます。
気付かない人もいるのではないかというほどさりげないやりとりで、彼らの関係が修復不能でありもう二度と会うことがないことがわかるようになっているんですね。

こういうさりげなくっておしゃれな表現は楽しいです。

紅葉

紅葉は誰に対しても優しく親切で常に多くの「友達」に囲まれていますが、孤独を抱えています。
友人たちは彼を都合よく利用しているだけでなんですね。
親身になってくれる人、紅葉の悩みに耳を傾けてくれる人は一人としていなかったようです。
そんな彼は一人ぼっちの人を見つけては声をかけ、孤独を紛らわしていました。彼も彼の友人たちと同じく他人を自分のために利用していたんです。
ここに紅葉の加害性があります。
他人の孤独を利用して友人のふりをして近づいていたわけですからね。
現在も友人たちに利用され続けている紅葉は、自分の行為の代償を支払っているつもりなのかも。
自分と同じ、あるいは自分より下の人間を見つけて近寄っていた紅葉ですが、最も孤独なのは自分であることを思い知らされてしまいます。
でも、篠宮と友人であり続けることだってできたはずですし、彼は多くの友人に囲まれているという状況は捨てられないようですね。

違和感

彼は過去に篠宮を利用したという罪悪感を抱えたまま、篠宮をだまし続け高額の報酬を得ることに耐えられず、すべてを告白したわけです。
友情だと思っていたのが同情だった、「可哀そうなやつ」だと思われていた、という事実はショッキングなものだったのでしょう。
篠宮が「勝手に良い思い出を塗りつぶすな」と怒るのは理解できます。
ただ、現在の篠宮の行為も正体を隠して紅葉に接近したあたりから加害性をはらんでいます。

ここまでは理解できるんです。
でも、ゆくえの「わざわざ言わなくていい」というアドバイスには少し首をかしげます。
全て本音を言う必要があるとは思いませんけど、紅葉が篠宮に対して誠実であろうとしたことは正しいと思うんですよね。
言い方は悪かったですけど、やっていることは正しいですよ。
「篠宮を救った黒崎もまた紅葉が引き合わせた友人である」という点に着目して、「結果的に悪いことばかりじゃなかった」ということなのかもしれないですけど、腑に落ちません。
それに、紅葉は「孤独を紛らわすため」に近づいたと言っていましたが、それだけなら篠宮に黒崎を紹介して自分が余る必要もありません。
紅葉の心の中に相手を利用する以外の気持ちがあるようにも思えるんですよね。

あと黒崎と篠宮の学生時代のシーンを挿入して「最初に傷ついたのは紅葉だった」みたいな感じもあまり好きじゃなかったです。

恋愛への発展

コンビニにアイスクリームを買いに行くシーンでは『日曜の夜ぐらいは……』を思い出しました。
ちょっとした幸せ、イベント感がテレビドラマと相性良いのかも。

このドラマは友情と恋愛の二種類に押し込まれてしまう人間関係の多様性のなさをテーマにした作品です。
したがって、夜々と椿や紅葉とゆくえがすんなりと恋愛関係に発展するとは思えません。
そもそも「発展」という言い方を拒否するタイプのドラマですからね。
でも恋愛自体を否定しているわけでもないですし、恋愛になることで友情との二者択一を迫られるということもなさそうです。
折り返し地点に差し掛かったこのドラマがどのように終わっていくのか予想がつきません。

そういえば赤田とゆくえが再会していました。
久しぶりに会っても一瞬で元の雰囲気に戻れるのが友達っぽいです。
赤田がゆくえを「元カノ」だと思われて否定しなかったのは、過去の恋愛関係の方が関係が持続する友人関係よりも嫉妬されないと判断したからなのでしょう。

おわりに

正直あまり消化しきれていません。
マグカップのところとか、将来の夢のところとか、このみの話もどういう意味があるのか分からないんですよね。

もう一回観ようかな?

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