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いちばんすきな花【最終話感想】

 

 

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多部未華子さん、松下洸平さん、今田美桜さん、神尾楓珠さん出演ドラマ『いちばんすきな花』最終話が放送されました。これまでのエピソードで登場した人物たちのその後が描かれるとともに、4人の成長と変化が感じられる優れた最終回だったと思います。

放送日・あらすじ

放送枠

フジテレビ 木曜日 22:00~

放送日

2023年12月21日

あらすじ

いちばんすきな花 - フジテレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
いちばんすきな花 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

基本情報

原作

ありません

脚本

生方美久(過去作:『silent』)

キャスト

潮ゆくえ(多部未華子)
春木椿(松下洸平)
深雪夜々(今田美桜)
佐藤紅葉(神尾楓珠)

潮このみ(齋藤飛鳥)
望月希子(白鳥玉季)
穂積朔也(黒川想矢)
白石峰子(田辺桃子)
相良大貴(泉澤祐希)
小岩井純恋(臼田あさ美)
赤田鼓太郎(仲野太賀)

相関図はコチラ↓
いちばんすきな花 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

感想

回収

最終回はこれまでに登場した人物がほぼ全員再登場し、回収されていなかったことで心にほんの少し引っかかっていた部分、ささくれだった部分を丁寧に一つ一つ取り扱っていました。

「キャスト総入れ替え」というメタなギャグも面白かったですね。
このドラマでは4人の側が正しくて、彼らにいやなことを押し付けてくる人たちを「分かり合えない人々」として枠外に置いていた面があったので、この展開はうれしいですね。

個人的に好きだったものをいくつか挙げます。

「カレーありがと」と照れ隠しのように言い直したこのみ(齋藤飛鳥)は、短いシーンですがキャラクターがよく出ていました。
赤田をゆくえが送るときに二人がカラオケ店員の話をしているのを途中から聞かせる演出も好きでしたね。
純恋(臼田あさ美)にだって思うところはあったはずで、彼女が排除されなかったのも最終回らしくてよかったです。
力士のエピソードも洒落ていました。

中でも特に好きだったのは紅葉の学生時代の友達の話ですね。
紅葉と彼らのすれ違いは一番私の心に引っかかっていたので、2冊ずつ本を買ってくる彼らの様子には安心しました。

塾の二人は演技が素晴らしくて「大人びた子供」の理屈っぽいけど感情的な感じが見ていて「いいなぁ~」っていつも思ってました。
冷めたココアという小道具も気が利いています。

それぞれの勤め先の同僚などいろんな人が登場するのですが、夜々の母親のようにすでに解決済みのキャラは登場させていないのもすっきりしていていいと思います。

自分が嫌いなことを言い合える関係

塾を開校した美鳥の視点でドラマは終わっていきます。
それぞれの学びや気づきが披露され、ネガティブだった言葉がポジティブに変換されていきます。
結局のところ「人それぞれ」ってことで、「みんな」というものは存在しないし、好きな人もいれば嫌いな人もいるっていう当たり前の結論に到達します。
当たり前な結論だからこそ意味があると思うんですよね。
あたり前なのに気づかなかったわけですし、わかっていても腑に落ちてなかったわけですからね。

相手を理解したいと思う気持ちこそが人間関係の本質なのかもしれません。

全体の感想~視座を提供する

最終回なのでドラマ全編を通した感想を書きたいと思います。

毎話いろんな気づきを与えてくれるドラマでした。
中でも「二人組を作るのが苦手」なんて考えたこともなかったです。
主人公4人の抱える悩みはすべて学校生活にその根源があるもので、どれも共感まではいかなくとも理解できるものでした。
普段の自身のふるまいを振り返るきっかけにもなりましたね。

特に「携帯電話を初めて持った時の心強さ」であるとか、「図書館で丸を付けられたウォーリー」など思わず膝を打ってしまうような観察眼には感服させられます。

全体の感想~美鳥の登場

美鳥の登場以降、良くも悪くもドラマの質が変化しています。
よく言えばそれまで内輪の傷のなめあいだった4人の関係が相対化され、彼らの側にも加害性があることがはっきりとしてくるなど、世界が広がりました。

一方で、偶然出会った4人という前提が崩れて、4人が出会うのは必然だったということになってしまいました。
それで何か不都合が生じるわけでもないのですが、若干困惑しました。

おわりに

最終回を視聴したことでこのドラマに感じていたひっかかりは大部分解消されました。
見ていて笑えるやり取りが少ないなど坂本裕二作品と比べると物足りなさもありますが、オリジナルな視点や気づきは長く心に残るものとなると思います。

 

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