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松岡茉優さん主演ドラマ『she』第1話は中条あやみさんや成田凌さんなど豪華キャストによる青春サスペンスです。『桐島、部活やめるってよ』にも似た部分があります。本音と建前の中で少しずつ明らかになるあづさ失踪の謎について振り返りたいと思います。
放送日・あらすじ
放送日
2015年4月18日(土)23:40~フジテレビ系列で放送
あらすじ
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She - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ
基本情報
原作
ありません。オリジナル作品です。
監督
安達奈緒子
過去に携わった作品としては
- 透明なゆりかご(2018年NHK)
- きのう何食べた?(2019年テレビ東京)
- 連続テレビ小説 おかえりモネ(2021年NHK)
- 100万回言えばよかった(2023年TBS)
などがあります。
主題歌
[Alexandros]
多数の挿入歌が使われています。
キャスト
西澤涼子-松岡茉優
あづさの親友。ジャーナリスト志望。カメラを片手に調査を行う。
荻原あづさ-中条あやみ
学年で一番の美女。成績優秀で性格も良い。ある日忽然と姿を消した。
山本沙綾-竹富聖花
奥村千里-森川葵
地味な生徒。ヘッドホンを着用。電波ちゃん。
江藤美百合-清水くるみ
バドミントン部に所属
村岡晴人-成田凌
あづさの恋人。バドミントン部では県大会で優勝。
広瀬祐喜-白洲迅
感想
Tver
2023年6月現在Tverで視聴できます。FODでも視聴できるのかもしれませんが、あまり配信されない作品なのでこの機会に観ることをおすすめします。
各動画配信サービスの作品ラインナップは日々変わりますので、詳しい配信状況はご自身でお調べください。
『桐島、部活やめるってよ』との共通点
高校を舞台にしている点はもちろん、クラスの中心的人物の不在を描いているというストーリーも本作と共通しています。
また、彼(彼女)がなぜいなくなったのかを周辺人物がそれぞれの視点で振り返ることで、多面的な人間像が見えてくるという手法も同じです。
さらにキャストの面でも、松岡茉優さんと清水くるみさんがどちらの作品にも出演されています。
特に、清水くるみさんに関して言えば、バドミントン部所属というところまで同じなんです。
ストーリー
このドラマは新学期がスタートした時期を描いています。
新学期開始とともに荻原あづさが姿を消してから2週間が経ち、単なる家出ではなく事件性を疑い始めている時期で、警察が生徒たちに聞き込みを行うんですね。
主人公の涼子(松岡茉優)はビデオカメラを片手にその聞き取りの様子を記録していきます。公式サイトのあらすじにはジャーナリスト志望と書かれていますが、今のところそのような感じはうけませんでした。
ただ、彼女がそのような取材活動をするのが親友の安否に対する心配というよりは、真実が何なのかを自分の目で見極めたいという点に動機があるところが特徴的でした。
この部分がジャーナリスト精神なのかもしれないですね。
聞き取り調査
初回は江藤美百合(清水くるみ)の聞き取り調査でした。
POVっていうんですか?聞き取りの場面はほぼ涼子の持つビデオカメラの映像として涼子の視点で描かれています。
なので涼子の姿は基本的に映らず声だけがのる形ですし、映像もワンカットというか、ホームビデオのように話している人の方向にヌルっとズームします。
ここで語られる証言は大人たちを前にした証言であり、本音と建前でいえば建前の部分です。
意図的に嘘をついたり、ウソとはいえないまでも重要な部分を隠していたりします。
毎回一人ずつ聞き取り調査をし、その真偽を明らかにすることで最後には真実が浮かび上がってくるんだと思います。
美百合の証言は失踪した日の朝にあづさを屋上で見かけたというものでしたね。
他にも、あづさの母親は涼子のことを認識していることもそれとなく示され、涼子が他の面々とは違い高校以前からの友人であることがうかがえました。
初回でわかったこと
この聞き取り調査が終わった後は友人たちだけの会話へと移ります。ここではビデオカメラは登場せず、普通のテレビドラマのように撮影されています。本音と建前でいえば本音に近い部分です。
こうやって関係性が場面によっていろいろなので登場人物の呼称が「荻原さん」「あづさ」「あづ」というように苗字、名前、ニックネームを使い分けています。まだ初回で把握しきれていないのでちょっとわかりにくかったです。
基本的には視線の方向にいる人のことを言っているんだろうなぁと推測できるので問題ありませんが、私の場合一ヵ所「みゆりって誰だっけ?」ってなりました。
いわゆるスクールカーストが題材となっているようで、あづさをトップとして涼子らのグループは一軍で、奥村千里(森川葵)は下位グループのようです。
涼子たちの間にも序列があって、美百合が一番下みたいですね。
初回でわかったこととしては
- あづさはバドミントン部を昨年夏にやめていた。
- あづさは成績優秀だが特進クラスにはいかなかった。
- 昨年試験問題が流出するという事件が起きたが、あづさの仕業だと噂されている。
- あづさと村岡(成田凌)は破局していた。
ということでしょうかね。
あづさの人物像
友人同士の会話も完全な本音ではありません。
友達間でも言えないことがあるからです。
このドラマでは生徒たちの証言が3層になっていて、最深層は涼子との一対一の中で見えてくるのでしょう。
当然その最も深い部分が真実に近いということになりますね。
初回は美百合が村岡と交際しており、あづさを目撃した場面には村岡もいたこと、そして、その場面を涼子が目撃していたことが美百合と涼子のやり取りの中で明かされました。
映像って言うのは現実のある部分を切り取ったものでしかなくて、当然フレームの外にも世界は広がっています。
そういう画角の外からキャラクターが登場する演出はスリリングですね。
いつもニコニコしていたあづさの裏の顔として、美百合を見下す高慢な部分が見えてきました。
男女の交際に「格があわない」というスクールカーストの概念を持ち出してくるあたり、嫌な感じがします。
これが本音なのか、悔しさの裏返しなのか気になりますね。
おわりに
30分にも満たない放送時間で全部で5話しかありません。
すぐ見終わってしまうのがもったいないぐらいとても面白いです。
『桐島、部活やめるってよ』に比べると各キャラクターの抱える悩みというよりは、あづさが失踪した理由の解明や、あづさの人物像に焦点が当てられている印象です。
両方を比較してみてみるのも面白いかもしれないですね。