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堀田真由さん、萩原利久さん出演ドラマ『たとえあなたを忘れても』第2話が放送されました。空の抱える記憶喪失の症状がいろんな立場から語られるという工夫がされていますし、言外に登場人物の心情を読み取る余地が残されているなど、丁寧に作れれている印象です。
放送日・あらすじ
放送枠
テレビ朝日 日曜日 22:00～
放送日
2023年10月29日
あらすじ
配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
たとえあなたを忘れても - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ
基本情報
原作
ありません
脚本
浅野妙子
キャスト
河野美璃（堀田真由)音楽教室のピアノ講師。
青木空（萩原利久)キッチンカーを経営する記憶障害を持つ青年。
森亜弓（松井玲奈)携帯ショップの上司。
山内和樹（南北斗)美璃の同僚。
田村俊貴（こがけん）店長。
遠山保（風間俊介）美璃の従兄。心療内科の医師。
宮下茜（畑芽育）保の患者。記憶障害を持つ
樋口充（平井亜門）院内薬剤師。
藤川沙菜（岡田結実）薬剤師。空の幼なじみ。
衛藤まりあ（森香澄）プロのピアニスト。美璃の音大時代の同期。
河野ゆかり（加藤貴子）美璃の母親。
青木理佐子（檀れい）空の母親。
青木智也（丸山智己）空の父親。
相関図はコチラ↓
相関図｜『たとえあなたを忘れても』｜朝日放送テレビ
感想
勘違いしてました
記憶を失うドラマや映画は先行作品がたくさんあるので、それらの影響で知らず知らずのうちに先入観を持っていたようです。
私は勝手に主人公は定期的に結構な頻度で記憶を失うものだと思っていましたが、過去に記憶を失ったのは4回だけのようですね。
言われてみれば第1話でも約束をすっぽかすまでは美璃と特に問題なくコミュニケーションをとっていました。
もう一つ第2話を観て思ったのが、廃墟のピアノは結構ほこりをかぶって汚れていました。
第1話を観た時には綺麗なピアノだなぁと思ったのですが、光の加減ですかね？
それでもやっぱり綺麗すぎるとか、そもそも廃墟にピアノがあるはずがないとか、思わなくもないですが、些末なことなのでこの辺にしておきます。
記憶を失った原因
今回は空が歩んできた半生が沙菜（岡田結実）の口から語られました。
18歳の時に記憶を喪失して以来、定期的に記憶を失ってしまうため、人との交流を避けるようになり、仕事も変えたようです。
アルバムの写真からすると彼は村上春樹さんの母校・神戸高校出身のようですね。
工夫されているのが、空と同じく記憶障害を抱える宮下茜（畑芽育）や心療内科医の遠山保（風間俊介）もそれぞれの立場で美璃に記憶障害について解説している点です。
彼らの話を総合すると、空は事故に遭う前に辛い経験をし、それが記憶喪失の原因になっていて多分父親が絡んでいるってことのような気がします。
忘れられた人々
休日を返上し空の店を手伝う沙菜（岡田結実）は幼馴染のようですが、あそこまで献身的に支えるということは、彼女は空に想いを寄せているのでしょうね。
「私のこと覚えてる？」と詰め寄ることが空を傷つけることを知っているから、さばさばした風を装っているのでしょう。
空の母親も空のことを心配しているようですが、母であることは明かしていませんし、客として訪ねる以外は何もしません。
息子に忘れられたショックを引きずっているのか、記憶喪失の原因が自分にあると思っているのかも。
空の親子関係は美璃の親子関係ともどことなく似ています。
美璃も過去に辛い経験をしているようですし、空と触れ合うことで少しずつ傷がいえてくるのかな？
携帯ショップ
このドラマの良いところは登場人物の言動に、それとは裏腹の心情が透けて見える点です。
亜弓（松井玲奈)は高額なプランを勧めることをためらう美璃に対していら立ちを覚えていますが、彼女も昔は美璃と同じ感情を抱いていたのでしょう。
「年寄りは見た目より金持ち」「私よりお金を持っているかも」と自分に言い聞かせることで考えないようにしているんでしょうね。
無断欠勤した美璃は携帯ショップに戻りました。
ここはちょっと引っ掛かりますね。
芥川龍之介の『羅生門』じゃあるまいし、「年寄り騙して強く生きる」ってわけにもいかないでしょう。
次回以降どんな描き方になるのかちょっと心配です。
空を受け入れた美璃
美璃は空との関係を再開しました。
「過去も未来をなくて今だけがある」空に「過去と未来に縛られた」美璃は魅力を感じるのでしょうね。
空との交際は忘れられる運命を受け入れることを意味します。
例の洋館を訪ねたいと空が言い出したシーンは『世にも奇妙な物語』のようなホラー感がありましたが、「何度出会っても恋に落ちる」二人にはキュンとします。
おわりに
写真の中に女性の後姿を見つけるところとか、印象的なシーンが多いですし、空と周囲の関係性も細かく丁寧に描かれていて退屈しません。
多少時系列が分かりにくかったし、神戸っぽさが第1話ほど感じられなかったところは今後に期待します。
あと羅針盤でわかるのは方角です。
