30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

フェルマーの料理【第7話感想】

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

高橋文哉さん、志尊淳さん出演ドラマ『フェルマーの料理』第7話が放送されました。岳が過去と決別し料理の真理を探究する男へと成長する大きな転機となる回でしたね。海にタイムリミットが迫る中、二人が共闘するシーンは美しかったです。

 

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 金曜日 22:00~

放送日

2023年12月01日

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 金曜ドラマ『フェルマーの料理』

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
フェルマーの料理 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

小林有吾『フェルマーの料理』

 

脚本

渡辺雄介/三浦希紗

キャスト

主要人物
北田岳(高橋文哉)数学に人生を捧げてきた数学少年。
朝倉海(志尊淳)二つ星レストラン「K」のオーナーシェフ。
赤松蘭菜(小芝風花)前菜を担当。
乾孫六(板垣李光人)コミ。
王明剣(朝井大智)スープ担当。
ダビド・サロ・ペーニャ(フェルナンデス直行)魚料理担当。
ジャン・ジョルダン(ジュア)デセール担当。
布袋勝也(細田善彦)スーシェフ。
福田寧々(宮澤エマ)給仕長。
魚見亜由(白石聖)岳の高校の同級生
西門景勝(及川光博)岳が通う高校「私立ヴェルス学園」の理事長。
北田勲(宇梶剛士)岳の父親。

相関図はコチラ↓

相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『フェルマーの料理』

感想

まず最初に

非常に面白い話でした。
ただ、フィボナッチ数列と黄金比というベタすぎる内容がかなり引っ掛かります。
黄金比というテーマの中にはKのチームとしての調和という意味も込められているので、その意図は理解できるのですが、黄金比に沿って料理を盛りつけただけでパクパク食べ始める広瀬一太郎(細田佳央太)に少し違和感を感じてしまいました。

この点を除けば、第2章の終了にあたるエピソードで、とても面白い回だったと思います。

トラウマ

岳のトラウマはこれまでも登場していましたが、今回の補足がリアリティを増していました。
これまでは数学オリンピックで周囲との実力差を感じ、答案を書きあげられなかったことが挫折として紹介されていました。
私はこの説明がイマイチ納得できなかったんですよね。
数学オリンピックと数学者になる夢の距離感が数学に疎い私にはよくわからないのです。
しかし、今回「広瀬の書いた論文を読んで全く理解できなかった」という挫折の端緒が紹介されたことで、岳のエピソードのリアリティがグッと増した気がします。

料理の世界では彼がKの面々に対して同じような挫折感を与えているのも面白いですね。

ちなみに今期のTBSドラマには朝食にグミしか食べない男が2人登場しています。このドラマの広瀬と『下剋上球児』の楡です。

過去との決別

広瀬という男の考え方は非常に特殊で、全ての物事を数学に還元して生きています。
岳も「合理的ですね」とよく口にしますが、広瀬の場合はそれを徹底しています。
岳は今回そんな広瀬的な価値観、「料理は数学のための寄り道に過ぎない」という考え方に反論することを求められています。

「何かが足りないことは分かる」っていうのは広瀬の考え方に与しない姿勢だと思うのですが、岳の下で働くスタッフにとっては迷惑な話ですね(分かるものと分からないものの関係、これがのちの崩壊にもつながっていくのでしょう)。

岳も一度は妥協をしてしまいます。
でもその背中を押したのが孫六だっていうのも感動的ですし、岳と海が共闘するシーンはかっこよかったです。
海の作ったソースに塩を加える岳の姿は成長を感じさせます。

岳らしさ

岳がチームを指揮する中で、岳らしさが少しずつ形となって表れていきます。
チームのメンバーがそれぞれ持つ特技を調和させることで最高の一品に仕上げる、それが黄金比という数学で表現されているのも良かったです。

徐々に存在感の薄れている魚見も一応北斎の絵で貢献しましたね。
魚見という補助輪を外して、次回から完全に料理で審理を探求する者として独り立ちするのでしょう。

「料理に手を付けないことは数学の可能性を閉ざしてしまうことになる。」というのは、かつて答案を白紙で出した彼自身の行為の反省でもある気がしますし、真理を探究するという決意のあらわれにも思えます。

迫るタイムリミット

このドラマの最初の頃は過去と現在が描かれていて、なぜか海が不在で料理の真理に憑りつかれて豹変した岳の姿がありました。

最近このシーンが無くなって見やすくなってきましたし、徐々に時間が追い付いてきていますね。

海の体調は良くないみたいで、それが未来での海の不在の理由なのでしょう。
蘭菜の言葉とは少し食い違う気もしますが、何かこれから起こりそうですね。

「後継者」という言葉や岳を見る海の目には寂しさが漂っていて、最後の共闘は一子相伝のようでした。

「厨房は広く使え。」

今になってそんな初歩的なアドバイスをするのですか?
って思ったんですけど、最初のころに同じこと言っていたような気もするからそういうことなのかな。

おわりに

ずっと裸だった男が白衣を着て登場したのは面白かったです。
「お前医者だったのかよ!」っておもわず突っ込んでしまいました。
でもこのためだけにずっと裸だったのだとしたら、よく考えられていますね。