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真夏のシンデレラ 【第2話感想】プロジェクションマッピングの意味

 

 

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森七菜さん、間宮祥太郎さん出演ドラマ『真夏のシンデレラ』第2話は徐々にベタな内容の羅列からこのドラマオリジナルなメッセージへと移行し始めました。特に印象的だったのが、夏海(森七菜)の「半径3メートルの幸せ」という言葉と健人(間宮祥太郎)のプロジェクションマッピングです。

放送日・あらすじ

放送日

2023年7月17日(月)21:00~ フジテレビ系列で放送

あらすじ

ストーリー 第2話 | 真夏のシンデレラ - フジテレビ (fujitv.co.jp)

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真夏のシンデレラ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

蒼井夏海(森七菜)サップのインストラクター。
水島健人(間宮祥太朗)大手建築会社に勤める男性。
牧野匠(神尾楓珠)地元で働く大工。夏海の幼なじみ。
滝川愛梨(吉川愛)江ノ島で働く美容師アシスタント。
佐々木修(萩原利久)研修医。
山内守(白濱亜嵐)司法浪人生。
小椋理沙(仁村紗和)シングルマザー。クリーニング店店員。
早川宗佑(水上恒司)ライフセーバー。
蒼井亮(山口智充)夏海の父。食堂「Kohola」を経営。
蒼井海斗(大西利空)夏海の弟。
村田翔平(森崎ウィン)理沙の元夫。
長谷川佳奈(桜井ユキ)夏海と匠の元担任。

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相関図 | 真夏のシンデレラ - フジテレビ

感想

ベタドラマ

初回のこのドラマに対する批判は「内容がベタすぎる」というものです。

それで思い出したのですが、2005年ごろにくりぃむしちゅーさんの番組で『ベタドラマ』という人気コーナーがあったらしいんですよね。
毎回テレビドラマのベタであるあるな展開だけで構成されたドラマが作成され、スタジオの出演者たちはそのドラマの次の展開を予測するというコーナーなんですね。
2023年7月現在TVerで一部視聴できます。

#3 くりぃむしちゅーのたりらリラーン:ベタドラマ | TVer

この『真夏のシンデレラ』という作品はある意味「夏のベタドラマ」なんでしょう。
でもベタドラマにはいくつか作品として弱点があります。
このドラマで言うと

  • キャラクターの行動に整合性がない
  • キャラクターが記号的で魅力的に映らない

っていう問題が生じています。
理沙(仁村紗和)と宗佑(水上恒司)なんて典型的で、脈絡が無いんです。

特に匠

上記の問題点が一番生じているのは匠です。

このドラマに限らず、ベタな展開というのはどのドラマにだってあると思います。
ベタな部分とオリジナルな部分が組み合わされて作品は構成されるのは普通ですよね。
そういう意味では、夏海(森七菜)や健人(間宮祥太朗)はキャラクターが描きこまれていてそれほどベタという印象はうけません。

一方で、匠(神尾楓珠)の周囲で起こる出来事の数々は少し変なんです。
まず、前回長谷川(桜井ユキ)が匠をわざわざ呼び止めた理由が分かりません。
彼女が結婚生活に不満を持っているとか、匠に惹かれているとすれば、結末は駆け落ちになるはずです。
でもそうであれば、健人の恋敵にはなりえないですよね。
長谷川が無自覚に男性を翻弄してしまう魔性の女である場合でも、フラれてヒロインになびくのは微妙です。
健人にもその点は指摘されていました。

それに、今回で言うと不良に絡まれているときに匠が颯爽と現れて助けるのですが、彼が助けたのは愛梨(吉川愛)なんです。

現状匠が全く魅力的ではないキャラになってしまっていますが、こういう不自然さは回を重ねて、描きこみが増えれば徐々に解消されていくとは思います。

4角関係と三角関係 

大体の構図が判明しました。
夏海(森七菜)は健人(間宮祥太朗)と匠(神尾楓珠)の間で揺れ動き、そこに匠が佳奈(桜井ユキ)に抱く未練が絡んでくるようです。
守(白濱亜嵐)と修(萩原利久)は愛梨(吉川愛)を巡って3角関係になるようですね。

理沙(仁村紗和)に関しては宗佑(水上恒司)一択ですが、東京にいる息子との関係がそこに絡んでくるようです。

半径3メートルの幸せ

今回印象的だったのは半径3メートルの幸せという言葉です。
夏海の地元志向、家族愛がこの言葉に集約されています。
自分の目の届く範囲内の人々の幸せが彼女の幸せなんですね。

普通のドラマならヒロインをそういう狭い世界から強引に連れ出し広い世界を見せてあげる人物が登場するのですが、このドラマでは彼女の価値観を尊重しています。
女性が運命の王子様を待ち続けるような価値観は採用されていない点は好印象です。

健人の提案は「その3メートルの中に自分も入れてみたらどうかな?」と彼女の大切にしているものを尊重しつつ、自分を大切にするように促すものでした。
これはかなりこのドラマにオリジナルな要素ですね。
普通のドラマなら例えば「俺はその3メートルに入っているの?」って聞きそうなものです。
それをしないあたりが健人という男なのでしょう。

プロジェクションマッピングは6メートルのクジラを使うことで彼女の言う3メートルの幸せと彼女自身の夢が両立する可能性を示しています。

ここは感心しましたね。
ただ、積極的だけど強引ではない健人の温度感が若干気色悪いです。

海を見る

今回もう一つ印象的だったのは3回登場した海を見るシーンです。

1回目は冒頭、匠にフラれて意気消沈する夏海。
2回目は長谷川に拒絶されて落ち込む匠。
3回目はプロジェクションマッピングを見た後の夏海と健人。

狭いの世界と外の世界の二項対立ではなく、今の世界にも無限に可能性は広がっていて、見慣れた景色も違って見えるってことを示しているのかな?

失恋した時に眺めるようなありふれたものであったはずの海が健人といると全く別の可能性に満ち溢れた希望のように姿を変えています。

健人は夏海を外に連れ出すのではなく、今いる世界の中で別の世界を見せてくれるんですね。

おわりに

なんだかんだ面白いドラマだと思いますし、徐々に情報が増えてくれば今のところ存在感のない周囲のキャラクターたちも輝きだすのではないでしょうか?

バブル世代のノスタルジーだと切り捨てるにはまだ早いのではないかと思わせてくれる第2話でした。