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真夏のシンデレラ 第1話~懐かしい感じがします。

 

 

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森七菜さん、間宮祥太郎さん出演ドラマ『真夏のシンデレラ』第1話が放送されました。キャストに人気若手俳優をそろえた豪華な本作ですが、過去のフジテレビドラマのオマージュかのようなベタなキャラクター設定や展開が目白押しでした。温故知新的な試みなのかもしれませんね。

放送日・あらすじ

放送日

2023年7月10日(月)21:00~ フジテレビ系列で放送

あらすじ

ストーリー 第1話 | 真夏のシンデレラ - フジテレビ (fujitv.co.jp)

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真夏のシンデレラ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

 

基本情報

原作

ありません

脚本

市東さやか(第34回ヤングシナリオ大賞受賞)
フジテレビ ヤングシナリオ大賞 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

主題歌

緑黄色社会『サマータイムシンデレラ』

 

 

キャスト

蒼井夏海(森七菜)サップのインストラクター。
水島健人(間宮祥太朗)大手建築会社に勤める男性。
牧野匠(神尾楓珠)地元で働く大工。夏海の幼なじみ。
滝川愛梨(吉川愛)江ノ島で働く美容師アシスタント。
佐々木修(萩原利久)研修医。
山内守(白濱亜嵐)司法浪人生。
小椋理沙(仁村紗和)シングルマザー。クリーニング店店員。
早川宗佑(水上恒司)ライフセーバー。
蒼井亮(山口智充)夏海の父。食堂「Kohola」を経営。
蒼井海斗(大西利空)夏海の弟。
村田翔平(森崎ウィン)理沙の元夫。
長谷川佳奈(桜井ユキ)夏海と匠の元担任。

相関図はコチラ↓
相関図 | 真夏のシンデレラ - フジテレビ

感想

ベタな展開

最悪な出会い方をした二人が徐々に惹かれあっていくとか、着ていく服が決まらず何度も着替えるとか、ベタ中のベタな演出が至る所に散りばめられています。

あらゆる設定の一つ一つがフジテレビの過去ドラマにルーツがある気がします。
そういうものを“古臭い”と思うか、“逆に新しい”と思うかで評価が分かれそうです。
過去作を連想しながら鑑賞すると面白いかもしれません。

ストーリーは振り返るほどでもないので、一人一人のキャラクターについて気付いたことを書くことで、話全体を振り返りつつ、これからの展開を予想したいと思います。

蒼井夏海(森七菜)

この「青い夏の海」というバカみたいな名前が潔くていいですね。
幼いころに母が家を出ていき、それ以来まるで母親のように家族を支えている利他的な女性です。
一人でボードを運んだり、客のドライスーツを抱えたり、両手いっぱいに荷物を持っていることが多くて、一人ですべてを抱えこんで生きてきたことを象徴しています。
その荷物を持とうとするのが健人でした。

サップというスポーツは波がないほうが楽しめます。
彼女は凪のような人生を望んでいながら、この夏はじめて波に乗ることを決意するのかも。
彼女の胸元にはくじらのネックレスが常に掛かっていて、自分や家族、地元を捨てて、おそらく東京へ行ってしまった母への屈折した思いがこれから重要な意味を持つのだと思います。

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彼女は湘南に生まれ、これからもそのコミュニティの中で暮らしていく女性なんだと思います。
彼女に他の夢があるのかどうかはまだ分かりません。
彼女は『こち亀』を読んでいるし、彼女の知識は裏技や知恵袋的で生活に根差しています。
お金に執着もありませんでしたね。
何よりも“人”を大切にするという価値観を持っているようです。
リフォームのための貯金も誰かにあげちゃうのでしょう。
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健人(間宮祥太朗)

彼はよくいるタイプのキャラクターです。
自分の夢は別にあったのに親の会社を継ぐというレールの上に乗ることしかできず、東京での生活に虚無感を抱いています。
「誰かの人生を生きている」とは自分の人生を生きていないということですし、この夏湘南でもう一人の自分を見つけ、夢へと歩みだすのでしょうね。

彼はサップが上手なのにそれを隠していましたし、自分の別荘を友人のものってことにしていました。
こういう友達思いなところ、心の機微に敏感なところは夏海と共通します。

匠(神尾楓珠)

これまた良くいるタイプのキャラクターでした。
夏海の幼馴染ですが、夏海の想いには気付かない鈍感さがあります。
そして高校の担任だった長谷川に想いを寄せていて、決して叶わない恋に悩んでいました。
彼は初回「直す」という行為を何度も繰り返しています。
この「直す」という行為が彼のイメージなのかな?
夏海も湿布を貼り直してあげてました。

どこかのタイミングで夏海の想いに気付き、3角関係になるけど最終的には身を引くのでしょう。

どうでもいいことですけど、レンタサイクルの修理に90分以上費やしていました。
いいところを見せたいにしても、自分の自転車ならまだしもレンタサイクルなんだから、そのまま押して行って修理してもらうか新しいのに取り換えてもらった方が早い。
「ごめんなさい、無理そうです」と言わない匠も、「やっぱいいよ」って言わない長谷川も、どちらもやばい。

守(白濱亜嵐)

彼は男性陣の中で唯一何も持っていない男です。
『やまとなでしこ』の堤真一や、『プライド』の坂口憲二とか、と同じく身分を偽って登場しました。

修(萩原利久)

こいつもたまにいるタイプのキャラでした。
人の心がわからず無神経に失礼な言動を繰り返しています。
進学校や東大という狭い世界で生きてきたみたいで、自分の住む世界が常識になっているようですね。
でも、初回はちょっと度が過ぎるというか、「高学歴を鼻にかける」レベルをはるかに超えていて、人間としてクズ過ぎました。
序盤は客だから我慢するのは分かるけど、二度目にあった時はそれこそ「二度と会わない」のだから、普通帰るでしょ。
夏海が我慢したとしても、他の友人が怒って「帰ろう」って言ってもおかしくないです。

「高学歴を鼻にかける」レベルの失礼加減だったら、スポーツが苦手って要素でバランスが取れてかわいげがありますが、彼の場合は相当のことがないとチャラにならないです。

彼はこの夏いろんな人との交流を通じて、新たな価値観を身につけて成長していくのでしょうね。
私の中ではこいつがどうなろうと興味がありません。

愛梨(吉川愛)

東京にあこがれを持っている点で夏海とは違いますね。
こういうタイプは、守と恋仲になって、後で守のウソを知るというのが定石ですが、守のウソは見抜いていたし、どうなるのかわからないですね。
初回では一番影が薄かったです。

理沙(仁村紗和)

彼女はシングルマザーで東京から帰ってきた点で二人とは違います。『ビーチボーイズ』の稲森いずみみたいな役ですね。
『わたしのお嫁くん』を観ていた者としては自然と仁村さんに目が行くのですが、一番キャラクターとして実在感がありました。
初回で溺れた人間が二人いて、彼女はそのうちの一人ですが、彼女の現状を象徴しているのかも。

でも溺れた後の展開は、このドラマの作り手に対する信用を失うレベルの意味不明さでした。

シンデレラの件 

ドラマのタイトル『真夏のシンデレラ』って言葉が個人的に結構好きなんですよね。
夏はいずれ終わるし、魔法はいつか解ける。
限りある時間というイメージが符合しています。
夏が終わった時に、それでも残るガラスの靴のような真実の愛が見つかるのかもしれません。
一方で、シンデレラの価値観って今の時代に合わないし、このドラマの主人公ってずっと湘南から離れないから有限って感じもしません。
このあたりの難しさを現代のおとぎ話として落とし込めればかなりいい作品になるんじゃないかな?

初回の終盤に健人が夏海にビーチサンダルを履かせるシーンが登場しました。
でもシンデレラって「舞踏会で唯一残されたガラスの靴を手掛かりに運命の人を探し出す」という話なので、健人のやっていることは王子様じゃなくて魔女の方です。
だからこれで終わりということはないはず。

地元愛

このドラマでは東京と湘南が対比されています。
でも湘南、しかも江の島周辺って誰もが憧れる土地ですよね。
住んでいなくても江の島を愛している人結構いますよ。
それに夏以外でも年中観光客いますよね。
「何もないけど、私にとっては特別な、夏だけ活気の溢れる街」っていう場所の方が良かったんじゃないかな?
「なんで東京に行かないの?」って思わないというか、「湘南だもんね。そりゃずっといるよね。」って思っちゃいました。
「江の島と東京どっちに住みたい?」っていうアンケートを取れば票は割れる気がします。

おわりに

夏って感じで爽やかで楽しいドラマですが、初回を見た限り、あんまりノレなかったですね。
地元愛をテーマにしている作品なので、視聴者が「こういうやつウチの地元にもいる!」って思えることが大切だと思うんですよね。
でも夏海をはじめ、キャラクターにあまり実在感が無くて、生きている感じがしません。
キャラクターだけでなくこのドラマに登場する湘南の作り物感も気になりました。

後、やっぱり音楽ですね。

いろいろ予想を書きましたが、実を言うとこのドラマの結末は決まっていないそうです。

『真夏のシンデレラ』の結末は出演者と視聴者次第!森七菜は“日サロ”で、間宮祥太朗は“日傘”で役作り - フジテレビュー!! (fujitv-view.jp)

全く白紙ということはないでしょうが、A案とB案ぐらいはあるのかもしれません。