30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

最高の教師【第2話感想】瓜生陽介(山時聡真)のお話

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

松岡茉優さん、芦田愛菜さん出演ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』第2話は家族のためにバイト三昧の日々を送る瓜生陽介(山時聡真)の物語でした。「大人」という言葉が各所で印象的に使われていて、思いのたけを吐き出す山時さんの演技は印象的でした。

放送日・あらすじ

放送日

2023年7月22日(土)22:00~ 日本テレビ系列で放送

あらすじ

ストーリー#02『拝啓、人を信じぬ貴方へ』(2023年7月22日放送)|最高の教師 1年後、私は生徒に■された|日本テレビ (ntv.co.jp)

配信状況はこちらや公式サイトでご確認ください↓
最高の教師 1年後、私は生徒に■された - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

 

キャスト

九条里奈(松岡茉優)鳳来高校3年D組の担任。1年後殺される
鵜久森叶(芦田愛菜)不登校になる
九条蓮(松下洸平)里奈の夫。夏に離婚。
相関図はコチラ↓
相関図・座席表|最高の教師 1年後、私は生徒に■された|日本テレビ (ntv.co.jp)

感想

映画女優のつくり方

映画監督の行定功氏がこれまでに自身の作品に出演した女優たちを評論した『映画女優のつくり方』という本を読みました。
松岡茉優さんは山崎健人さんとともに『劇場』という同氏の作品に出演されているので、松岡さんに関する記述もありました。

「日本の俳優は自己流で演技を体得するため、良くも悪くも即興的、周囲の役者に影響されやすい。一方、松岡茉優は確固たる演技論を確立していて周囲に影響を与える側である。」みたいなことが撮影中のエピソードを交えて解説されています。

おそらくこのドラマに出ている生徒役は、芦田愛菜さんのような子役出身者を除けば俳優としてのキャリアもまだ短い人が多いと思います。
芦田愛菜さんだって大人としての演技はまだ確立していないかも。

そういう意味では松岡茉優さんは担任役として生徒役たちを輝かせるには適任なのかもしれませんね。
ちなみにこの本には芦田愛菜さんの子供の頃のエピソードも書かれています。
興味のある方は下のリンクからどうぞ!

 

いじめ後の学校

前回壮絶ないじめが発覚したので、鵜久森以外は程度の差こそあれいじめに加担していたことになります。
生徒達にはそれぞれ悩みがあるとはいえ加害者側の人間が改心したところで「お前いじめてたよな」って思ってしまうのが普通です。
このドラマは鵜久森を演じているのが芦田愛菜だということを利用して、この胸糞悪さを緩和しています。
鵜久森が周囲の生徒たちより精神的に大人で、「私も楽しい学校生活が送れるように頑張ります。」と譲歩しているんです。
もしこれを芦田愛菜さん以外が演じていたら「なぜ被害者が我慢しなければいけないのか?」という批判が生じていたでしょうが、芦田さんの横綱相撲感がそれを緩和しています。

学園ドラマの時代錯誤感

学園ドラマは時代遅れになりつつあります。
その理由の一つは現実の学校では先生の負担が大きすぎるという現状があり、先生に万能な働きを求めるのは酷だからだと思います。

このドラマでは「生徒に情熱を傾ける先生はいなくなった」と言っていますけど、今までの先生依存が異常だったわけで、むしろ教師への依存度が減ることは歓迎すべきことなんです。
現に最近の学園ドラマの流行は学校内警察を描いた『青のSP』のような教師以外を主人公にした作品です。
警察、弁護士、カウンセラーなど社会に開かれた学校が理想とされています。
初回のいじめだって警察が関与してもおかしくないレベルでしたし、今回のストーリーだって本来児童相談所の案件なのかもしれません。

しかし、それでもこのドラマはあえて担任を主人公に据えています。
これは「時代とともに教育の主体が変わろうとも反面教師になれるのは教師だけだ」という意図なんじゃないかなと私は考えています。

九条は一度目の人生で結構いろんな問題に直面していたにもかかわらず、見て見ぬふりを決め込んでしまいました。
その反省から今回は積極的に問題に介入し、無力な自分の姿をさらしているのではないでしょうか?

今回のお金の件だって、彼女が学生時代に抱えた後悔が根本にありました。
多くの専門家が教育現場に介入することが求められ、徐々にではありますが実現しつつある現代社会においてそれでも担任教師にしかできない役割は自身の未熟さをさらしてでも彼らに寄り添うことなのかもしれませんね。

結婚生活

このドラマのもう一つの特徴は九条のプライベートである結婚生活も描かれていて、そこでは離婚という問題を抱えている点です。

ドラマの始まりと終わりを「大事な話がある」で統一するのは綺麗ですし、普段生徒に対しても敬語を使う九条が「離婚したくない」と本音をぶつけるシーンは良かったと思います。
生徒の変化だけでなく、そこからフィードバックされて九条自身が変わっていく姿が夫婦生活の中で描かれていくのかもしれないですね。

おわりに

思ったより他のドラマが低調なので2週間遅れでこのドラマの視聴を再開しました。
大体のドラマが最初の3話は常に視聴可能で、第4話から1週間の視聴期間を設けますね。
このドラマも8月12日まではTVerで全話配信されているので今なら追いつけます。

内容自体には熱量は感じるものの、全てに納得できるかと言われるとそうでもないドラマですが、面白いと思います。

関連リンク

見逃し配信はコチラ

 

主題歌はコチラ