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船越英一郎さんの主演ドラマ『テイオーの長い休日』第4話では二組の親子が登場します。母にも言えない秘密を抱えた悟に対して熱護は意外な方法で彼がすべきことを伝えました。それは熱護の役作りへのこだわりそのもののようにも思えます。
放送日・あらすじ
放送日
2023年6月24日(土)23:40~フジテレビ系列で放送
あらすじ
あらすじ | テイオーの長い休日 | 東海テレビ (tokai-tv.com)
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感想
二組の親子
今回は康介(アキラ100%)と悟(石原颯也)、日置(河相我聞)と健太という二組の親子が登場しました。
康介は悟にいつも寄り添い、応援してくれるよき父親でしたが、3年前に死んでしまいました。
一方の日置は忙しさにかまけて息子と向き合うことをせず、息子の変化にも気づかない父親でした。
悟の悩み
悟は友人が自転車泥棒をしているところを見かけたものの、彼がいじめられて悪いグループから脅されていることを知り、どうするのが彼のためになるのかわからなくなっていました。
しかもその遠因は悟にあって、彼が父を亡くした3年前に彼が庇うことで解決したと思っていたいじめが続いていたんですね。
悟にとってはある意味やり残した課題のようなものです。
悟は3年前と同じく、父の洋食屋でイメージの中の父と3年前の会話を繰り返します。
しかし、3年前で父は止まっているのでそこに答えはありません。
「何があっても父さんが守る」と言ってくれる父はいないのです。
熱護の解決策
熱護は過去に演じた経験のある役は自在に演じることができますが、演じたことのない役は全く演じられません。
序盤に悟が父親の影を追っていることには気付いたものの、何という言葉をかければいいのかわからず、立ったり座ったりを繰り返すだけでした。
船越英一郎さんの何か言いそうで何も言わない演技はそれだけで面白かったのですが、このエピソードが後半への布石になっていました。
彼は鯵野滑郎という料理人に扮し悟の父の得意料理・メンチカツを調理します。
父親を演じることはできなくても、料理人は演じることができるんですね。
油の音がシュワってなって、父の面影を重ねるシーンはノスタルジックで心地よかったです。
なんか違う
普通なら、「この味だ!」ってなって、父を思い出してなんとなくいい感じで終わっていくものですが、このドラマは違いました。
子供たちが「なんか違う」と言い出すんですね。
いくらおいしくても父のメンチカツではないのです。
それを受けて熱護が「当たり前だ」と返すところに今回のメッセージがありました。
熱護は康介のことをよく知らないので彼を演じることはやはりできないとあっさり認めます。
そして、もしそれができるとしたらそれは父を間近で見ていた悟に他ならないと指摘するんです。
いつまでもいなくなった父を頼るのではなく、父の死を受け入れ、記憶や経験をもとに「父だったらどのようにしていただろうか?」と自分で考えることが大切なのだという意味でしょう。
そしてそれはおそらく熱護の役作りの真髄なのでしょうね。
できないところを見せることで相手に気付かせるという手法はこれまでで初めてでした。
思えば、熱護は料理人を目指す悟を連れ出しホールの手伝いをさせました。
「いい経験になったよ」と悟が言っていたように、経験することの大切さはこの時点でも示されています。
父親を演じられないと言っていた熱護ですが、自分の背中を見せるその振る舞いは父親そのものですね。
分かりにくかったところ
今回はいつもと違い、すっきりした解決策は示されていません。
ここがわかりにくさの原因です。
一発でホールインワンしてしまうようなドラマなんだから、リアルさなんか必要は無いとも思いますが、個人的にはこれで良かったと思います。
息子と向き合うことを決めた日置親子もきっと好転するだろうし、悟だって「もし父ならこんな時どうするだろうか?」という生きる指針を手に入れたことで、彼らしく生きることができるようになると思います。
熱護が解決してしまっては意味がなくて親子で向き合うことが大切なんですね。
おわりに
このドラマは定番のネタを扱っていますが、なんとなくいい話にしてごまかすことをせず、毎回何かしらの明確な結論を用意しています。
そのあたりが好感が持てる点です。