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ラストマン第10話(最終回)~「へぇ~」って感じでした。

 

 

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福山雅治さん主演ドラマ『ラストマン』が最終回を迎えました。皆実(福山雅治)と護道(大泉洋)の過去が明らかになりましたが、真相は全て皆実の口頭で発表するというものでした。個人的に物足りなさが残った最終回について振り返ります。

放送日・あらすじ

放送日

2023年6月25日(日)21:00~TBS系列で放送(15分拡大)

あらすじ

あらすじ EPISODE 10|TBSテレビ:日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』

配信状況はこちらを参考にしてください↓
ラストマン-全盲の捜査官- - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

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感想

前回の時点で41年前の事件の疑問点は整理されているため、観る側としてもある程度予測はついています。
確実に「これが真相だ」とはいかないまでも、なんとなくそれぞれの項目について2択ぐらいに絞っていたんじゃないですかね?
今回はそれを「こっちでした」と確認する作業のように思えてしまいました。

前半

便宜的に皆実による真相の解明シーンを境に前半と後半に分けます。
前半は泉が命懸けで手に入れたカメラ映像を元に池上殺害の真相を暴きつつ、41年前の捜査を続けるという内容でした。
鎌田(津田健次郎)と勢津子(相武紗季)が交際していたことは誰でもわかることなので置いておくと、その他は誠二(寺尾聡)が用意したシナリオをたどることになります。
こういう一部非を認める展開はテレビドラマでたまにあります。
殺したけど事故だったとか、正当防衛だったとか、偽物の犯人が出頭してくるパターンもありますね。

こういう工作がかえって真相を明らかにするのは良くある話で、今回も事件が弓塚主導ではなく誠二主導であったことが浮き彫りになりました。

でも、こういうのって「そのシナリオに乗っかって一応の決着で終わらせようとする事なかれ主義の組織と、それに反発する主人公」っていう形で進んでいくから面白いんだと思うのです。
しかし、このドラマでは特捜部という全くの別組織を唐突に登場させ、その役割を背負わせてしまってるんです。

京吾(上川隆也)を決定的な悪者にしないためにねじれてしまったんだと思います。

もはやガリレオ

後半は皆実たちの偽計にかかりおびき寄せられた誠二の前で真相を解明するパートでした。
前半が土地取引という巨大な陰謀に焦点を当てているのに対し、後半はとある家族の秘密という小さな問題に焦点を当てるという対比が美しいですね。

でもここからは皆実チームの独自調査の結果が皆実の口から語られるのみです。
心太朗(大泉洋)バディであるにも関わらず蚊帳の外に置かれてしまいます。
心太朗をビックリさせなければならない脚本の都合があるので仕方ないのですが、このドラマはバディものですよね?
これでは面白くないです。
ここからは『ガリレオ』だと言われても気付かないぐらい福山雅治の一人語りが続きます。
『容疑者Xの献身』とか『真夏の方程式』とかの感じです。

明かされた真相

明かされた真相は二人の父親も一緒だという点を除けば、まぁ大体そんなところだろうというようなものなのでつまらなかったですね。
細かいところを気にしなけらばこれまでに示された疑問点についてすべて説明しています。
でも個人的に気になる点はありました。以下に羅列します。

  • 41年前の誠二は理事官に過ぎません。なんでそんな男に殺人のもみ消しができるとか、警察官としての安泰を保証できると考えたのか謎です。誠二を逮捕したほうが出世できるのでは?
  • 鎌田に罪を着せるより皆実誠(要潤)による無理心中に見せかければよかったのでは?
  • 心太朗はまだしも皆実は鎌田のことを覚えていないのか?41年前とはいえ、事件の発生時は「あっ、もう一人のお父さんだ!」ぐらい思っていても不思議ではないのでは?
  • そもそもそんなに秘密にすることか? 二人が成人したあたりで「やっぱりやってません」って言っちゃってもよかったんじゃない?

要は誠二という人間が描けていないんですよね。
やってることは極悪非道なのにいい人風にしているのが納得できないのです。

罪滅ぼしで心太朗を育てたというより、心太朗を育てているうちに良心が芽生えたって方が人間らしい気がします。

誠二の心境

誠二の心情としては心太朗に自分の罪を突き止めてほしいと思っていたことにしたほうがストーリーとして綺麗です。

でも心太朗は最後に手錠はかけたものの基本的に蚊帳の外に置かれていたので、あんまり感動的ではありません。
心太朗の贈ったスマートウオッチが決定的な証拠だというのもわかるんですけど、「いまどきGPSでバレるってどうなの?」って思っちゃいましたね。

おわりに

確かに全ての謎は解決しました。
でも最終回を見て、私はこの二人にそれほど興味がなかったのかもしれないということに気付いてしまいました。
二人の過去ってそれほど興味がわかなかったなぁ。

どちらかというと泉(永瀬廉)と吾妻(今田美桜)の爽やかな恋の始まりが観ていて心地良かったです。

泣きながらオムライスを食べる姿は『ランチの女王』を思い出しました。

全編を通した感想はまとめページに書きます。