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離婚しようよ 感想まとめ

 

 

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Netflixで配信されている松坂桃李さん、仲里依紗さん出演ドラマ『離婚しようよ』を最終回まで観終えたので、これまでの各話の感想を1ヵ所にまとめ、全編を通じた感想を新たに書き加えました。選挙が始まるまでは低調でしたが、選挙が始まると感情が揺れ動く魅力的なドラマになっていたと思います。

配信日・各話感想

Netflixで配信

ep01 2023年06月22日 感想
ep02 2023年06月22日 感想
ep03 2023年06月22日 感想
ep04 2023年06月22日 感想
ep05 2023年06月22日 感想
ep06 2023年06月22日 感想
ep07 2023年06月22日 感想
ep08 2023年06月22日 感想
ep09 2023年06月22日 感想

配信状況はこちらをご確認ください↓
離婚しようよ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

公式サイトはコチラ↓
離婚しようよ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

基本情報

原作

ありません

脚本

宮藤官九郎
大石静

主題歌

Rin音 (feat.asmi)「Good Bye 」「Fruits」

レコチョク↓
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キャスト

東海林大志(松坂桃李)女性にだらしない新人議員。
黒澤ゆい(仲里依紗)大志の妻。お嫁さんにしたい女優No.1。
加納恭二(錦戸亮))自称アーティスト。
印田薫(板谷由夏)大志の弁護士。
想田豪(山本耕史)大志の対立議員候補。
石原ヘンリーK(古田新太)ゆいの弁護士。
佐藤富恵(高島礼子)ゆいの母。
東海林峰子(竹下景子)大志の母親

全編を通した感想

序盤がつまらない

これは海外のレビューでも指摘されていることですし、クドカン作品の特徴でもあるのですが、物語の立ち上がりが遅いんです。
しかも本作は毎話1時間近くあり、通常の日本のドラマの1.3倍ほどの長さがあります。
特に第1話は視聴を止めようかと思うほど何も起こらずリズム感も悪く感じました。
第2話になるとヘンリーK(古田新太)をはじめとする面白いキャラクターが登場したので、なんとか視聴を継続することができましたが、それでも選挙が始まるまではつまらないです。
それにヘンリーKや印田、事務所の社長など特徴的なキャラクターたちは選挙が始まる後半になると徐々にフェードアウトしていきます。
最終回まで観終えるとこれらのキャラクターの描き方は不十分なように感じました。

3角関係

このドラマは当人たちの愛情は冷めきっているのに政界や芸能界の利害・価値観に振り回されて、離婚できずにいるカップルを描いています。

この二人に対する存在として恭二(錦戸亮)が登場します。
彼は二人が縛られている世間体や周囲の期待などと無関係な存在です。
そんな彼の自由な心にゆいだけでなく大志もあこがれを抱きます。

しかし彼自身は家族に対して強いあこがれを持つ普通の男出会うことが明かされ、自分にない物にあこがれてしまうという人間の本質を明らかにします。

ゆいが恭二を「死んでいるように生きている」評していますが、それは大志もそうでしたし、二人の結婚生活だって死んでいるように生きていただけでした。

いのちを燃やすような選挙活動とも対比され、彼の存在が作品に深みを与えています。

第4話あたりから面白くなる

選挙が始まると加速度的に面白くなっていきます。
ドタバタとした展開の中で二人の感情が揺れ動くためドラマとしての面白味が増すからです。
離婚と選挙が結び付き、離婚をするために選挙を頑張るとか、その逆とか、関係のねじれがおかしかったです。

また、そこには「愛し合った二人がなぜ離婚に至るのか」ということや大志の自己実現も描かれているなど、グッと興味を引き付ける内容になっていました。

自分の意志で未来を切り開く

「人事を尽くして天命を待つ」という選挙における決まり文句がこのドラマのテーマを言い当てています。
周囲に流されるまま自分たちの結婚生活の主導権を周囲に引き渡してしまった二人が、多くの犠牲を払いながらも、再びそれを取り戻すという共通の目的に向けて奮闘する姿は自分の意志で未来を切り開く、ありのままの自分で勝負することの美しさと力強さを伝えてくれます。

そもそも政治に対する問題意識がない

このドラマは『選挙』や『なぜ君は総理になれないのか』といった日本の政治や選挙システムの矛盾を描いた作品に着想を得ています。
そこに地方での政治家を取り巻く古い価値観と共通する芸能界や広告業界のイメージ先行の体質を重ね合わせることでオリジナリティを出しています。
ただ、それって借りてきたものに過ぎないんですよね。
この作者が本当に日本の政治や選挙に対して問題意識を持っているのかは疑問符が付きます。

それと関係あると思うのですが、なぜ松山が舞台なのか特に理由がないんですよね。
高齢化、地方の衰退、政治とカネ、いろんな問題に触れてはいるけど掘り下げてはいません。

現状是認すぎる

最終回で改革を掲げていた想田を悪者にしてしまいました。
これでは「政治家なんてどいつもこいつも同じ穴の狢だ」ということになってしまいます。

結局は日本の政治の問題点を個人の資質の問題に帰着させてしまったんです。
これは恭二の書いた選挙ブログの内容が如実に表しています。

でも「個人の資質」に対する過剰な期待こそが日本の選挙制度のおかしなところだと思うんですけどね。
政治家の資質とされるものの中に政治と関係ない要素、誠実さ、地元愛、家族愛などが含まれ過ぎていたり、その資質の評価軸となる価値観自体がジェンダーの不平等などが是正されないままでいることが問題なんです。

大志は父の地盤と妻の知名度だけで当選したろくでもない政治家でした。存在が日本の政治の欠陥そのものなんです。

そんな彼の変化を描くときに女性観は最後まで根本的には是正されていないし、音頭を踊ってしまっているんですよ。振る舞いもどこか幼稚なままでした。

想田を悪者にするのならばこのあたりにもう少し工夫がいると思います。

全てを失う

とはいえ、ありのままの自分を見てほしいと思い続けていた男が、いざ全てを失ってみると自分は何も持っていないことに気付き、失ったものの大きさを思い知るという悲哀は心を動かされるものがありました。
それでもなお、彼が持っていたものは人間としてのやさしさや思いやりなんですよね。

おわりに

いろんな文句も書きましたが、第8話の大志の敗戦の弁は良いシーンだったと思いますし、選挙に行ってみよう、楽しそうと思わせるような内容でもあったので、十分観てよかったと思える作品ですね。

Netflix作品ですけどおそらく日本に住む人間にしか理解できないと思います。