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離婚しようよ 第8話~いよいよ投票日

 

 

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Netflixで配信中の松坂桃李さん、仲里依紗さん出演ドラマ『離婚しようよ』第8話はいよいよ投票日を迎えました。想田候補(山本耕史)との討論会での白熱したやり取りや、選挙結果を受けて大志の心に去来する想いなど見どころがたくさんありました。

配信日ほか

配信日

2023年6月22日

配信状況はこちらをご確認ください↓
離婚しようよ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

公式サイトはコチラ↓
離婚しようよ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 

キャスト

東海林大志(松坂桃李)2選目を目指す新人議員。
黒澤ゆい(仲里依紗)東海林の妻。俳優。
加納恭二(錦戸亮)パチアーティスト。ゆいの不倫相手
三俣桜子(織田梨沙)政治家に転身した元アナウンサー。大志の不倫相手
東海林峰子(竹下景子)大志の母
想田豪(山本耕史)大志の対立候補
佐藤富恵(高島礼子)ゆいの母
ヘンリーK(古田新太)ゆいの弁護士、事務所の後輩
早乙女五郎(尾美としのり)大志の秘書

感想

討論会

冒頭は候補者による公開討論会からスタートです。
投票日の2日前というタイミングで討論会をやってどれだけ意味があるのか?とも思いますが、ほぼ拮抗している二人にとってはどうしても落としたくない戦いであることは理解できます。

前回第5話で開催された討論会では議論の中身というよりは想田に主導権を奪われたことに敗因があったし、今回も序盤は主導権の奪い合いが主でしたね。

「中森明菜の『難破船』のような小声」とはどの映像や音源を指しているのかは分かりませんが、Youtubeのワーナーミュージックの公式チャンネルで87年のライブ映像が公開されているので、それをご覧いただければ雰囲気は伝わると思います。

中森明菜『難破船』のアルバムページ|2000113145|レコチョク (recochoku.jp)

この作戦によって想田のペースにのまれるのを防いだ大志がBSL4の必要性について訴えます。

前回は「国のため、地元のため、将来のため」という資料っぽい説明でしたが、今回は「危険はないのか?」とか「なぜ愛媛に作るのか?」という住民の目線に立った説明になっていました。
彼の成長を感じられます。

ただ、ジェンダーフリーに関する彼の主張は詭弁ですけどね。

赤シャツ

意外な人物が登場しました。
赤シャツ候補は無所属のいわゆる泡沫候補ですが、彼の主張は案外しっかりしていました。

そもそも「赤シャツ」とは松山を舞台とした夏目漱石の代表作の一つ『坊ちゃん』に登場するキャラクターの名前です。
Amazon.co.jp: 坊っちゃん 電子書籍: 夏目 漱石: Kindleストア
その名前からも彼が愛媛愛のある人間だということがわかりますね。

松山空港の管制権が岩国基地にあるのは本当の話のようですね。実際の選挙でもこの問題の解決を掲げている候補者の方もいらっしゃいます。

松山空港 - Wikipedia

途中想田が「松山は愛媛1区だろ」っていうセリフがあって、「あれ、彼らが戦っている愛媛5区」はどこなんだ?って思ったのでちょっとだけ調べました。

愛媛県庁/愛媛県庁/愛顔のえひめ(令和5年2月号) (pref.ehime.jp)

愛媛はこの度公職選挙法の改正により選挙区を3つに減らされましたが、その前は4つありました。

このドラマの愛媛5区とは今治市を中心とした旧愛媛2区がモデルのように思います。

想田が思わず「そんなこと愛媛の人間しか知らない」と本音を漏らすなど、第8話では想田が地元を軽視する描写がたくさん出てきました。
この辺りは最終回に関係してくるのかもしれないですね?

最終日

さて、討論会も無事に乗り切り追い上げムードの大志たちは最終日を戦います。
前回の選挙最終日に大志が雨の中演説を続けていたことはこの夫婦にとって最も大切な思い出です。
当然今回も雨が降ったんですけど、イマイチ盛り上がりませんでしたね。
「ゆいは妊娠しているし、ずぶ濡れになるのは良くないよね。」とか考えてしまったからかもしれません。
すぐにアーケードに移動しましたし。

投票日

投票日は演説などをしてはいけないということで魂が抜けたように時間を持て余す二人はこれからのことを話し合います。
選挙という喧騒の中で意識していなかった離婚という現実が徐々に具体化していく不安、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉通り、あとは宿命に委ねるしかないっていうシーンです。

開票速報

ゆいが「比例区では改革の会に投票した」と言い出します。
このドラマの自由平和党や大志の主張って保守的で、特に女性に対する価値観が古いんですよね。
ゆいがこういう行動をとったことは唐突ではありますが、作品全体のバランスを考えた時に保守に寄り過ぎなくて良かったのではないかと思っています。

このドラマではこれまで愛媛5区での話しか出てこなかったので、日本全体の情勢は分からなかったのですが、政権交代が達成されました。
そういえば「泣いちゃった解散」でしたもんね。
このあたりは例えば朝刊の情勢分析の記事を少し映すとか、これまでの回でそういう気配を感じさせてくれたほうが良かったかも。

接戦で深夜まで当落が分からなかったことで選挙事務所内は閑散としましたが、注目選挙区の接戦区でそんなことがあり得るのですかね?
それに、誰もいないというのも「沈みゆく船に見切りをつけたから」というのではなく、ただ「深夜だから」です。
ちょっとずれている気がしましたね。

敗戦の弁

不徳の塊こと大志は敗れた候補の慣例に倣い敗戦の弁を述べます。
「不徳の致すところ」とは通常謙遜の言葉ですが、彼の場合は本当に彼の不徳に敗因があるというのが面白いところです。

彼は「自分は全てを失った」と述べます。
しかしそれは大志自身が望んでいたことでもあるんですよね。

世襲候補としてでも、巫女ちゃんの夫としてではなく、東海林大志というありのままを見てほしいと彼は願っていたし、第6話ではありのまま何も持たず自由に生きる恭二にあこがれすら抱いていましたから。

望みがかなえられた時、彼は自分が何も持っていない男であることを初めて自覚し、今まで父や妻から受けていた恩恵の大きさを再認識します。
非常につらいシーンではありますが、どこか前向きさも感じました。

余談ですが、日本の選挙方式は小選挙区比例代表並立制で、小選挙区で接戦を演じた候補ほど優先的に比例代表として復活します。

惜敗率 - Wikipedia

自由平和党が大敗しているとはいえ大志は復活できないのかな?

おわりに

選挙も終わり離婚届も提出したことで、このドラマの当初の目的は達成されました。
次回は3年後を描くそうなので、二人がどんな生活を送っているのか?元の鞘に収まるのか?に注目ですね。