30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

離婚しようよ 第5話~父の想い

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

Netflixで配信中の松坂桃李さん、仲里依紗さん出演ドラマ『離婚しようよ』第5話はようやく大志が解決しなければならない政治的課題が具体的に示され、政治ドラマとしての体裁が整ってきました。2人の仲も良好になりつつあり面白かったです。

配信日ほか

配信日

2023年6月22日

配信状況はこちらをご確認ください↓
離婚しようよ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

公式サイトはコチラ↓
離婚しようよ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 

キャスト

東海林大志(松坂桃李)2選目を目指す新人議員。
黒澤ゆい(仲里依紗)東海林の妻。俳優。
加納恭二(錦戸亮)パチアーティスト。ゆいの不倫相手
三俣桜子(織田梨沙)政治家に転身した元アナウンサー。大志の不倫相手
東海林喜一郎(宇梶剛士)大志の父
想田豪(山本耕史)大志の対立候補
佐藤富恵(高島礼子)ゆいの母

感想

BSL-4

今回は大志(松坂桃李)の解決しなければならない政治的課題が明らかになりました。
基本的にこのBSL-4が選挙の争点になりそうです。

劇中でも説明されていたように、BSL-4とはバイオセーフティレベル4というエボラ出血熱のような高い致死率のウイルスでも扱えるような高度な安全性が確保された実験棟のことだそうで、欧米にはたくさんあるのに日本では国立ウイルス研究所しか稼働していません。

現在長崎大学が積極的に誘致しているみたいですね。

世界のBSL-4施設 | 地域の皆様へ | 長崎大学 高度感染症研究センター (nagasaki-u.ac.jp)

劇中では“西温地区”という名で登場しましたが、愛媛県には東温市という地名があり、そこには愛媛大学の医学部が存在しているので、愛媛大学を想定しているのだと思います。

この施設があることでウイルス研究は進むのですが、ウイルスの流出がゼロとは言い切れないので地元が反対するんですよね。
ある種の迷惑施設的な側面があります。

ホワイトボードを持ち出して説明に徹するシーンはクドカンぽかったです。

父の想い

大志の父・喜一郎(宇梶剛士)は文科大臣時代にこの施設の誘致に尽力したものの、地元の反対に遭い結局稼働できないまま生涯を終えてしまいました。

世襲議員である大志にとっては継承し、向き合わなければなりません。
地元住民と語らう中で、大志が今まで知らなかった父の政治家としての誠実さや想いに触れ、徐々に政治家としての自覚が生まれてくるシーンは良かったですね。

世襲議員という存在はやり玉に挙げられがちだし、このドラマだってその存在を全面的に肯定しているわけではないですが、彼らには彼らなりの世代を超えた使命感というものがあるかもしれないというところを示したのはフェアな感じがしました。

それに、選挙に当選することがすべてではない、選挙に落選するとしても向き合わなければならない問題があることも父のエピソードを通して示されましたね。

オンライン討論会

その大志の想いはオンライン討論会で示されます。

国、地元、将来の子供たちという3つの視点で施設稼働のメリットをプレゼンするあたり、大志のバカっぷりを知っている身からすると感動すら覚えます。

想田(山本耕史)の橋下徹さん的な手法・次から次へと話題をずらすことで主導権を握り、相手に反論の機会を与えない扇動的なやり方の前に歯が立ちませんでしたけどね。

まぁ、想田の言っている世襲批判も当然ですし、例えば普段ニュースでこの討論を見たとすれば想田の意見に共感する人が多い気がします。
でもこのシーンでは想田が悪者に見えるようになっているんです。
その前段階を見せられているので完全アウェイでふんばる大志に肩入れしたくなるんです。

そしてその視聴者の想いを代弁したのが恭二(錦戸亮)でした。
彼の意見は「なんか楽しそう。なんかむかつく。」程度のものでしたがちょっとスカッとするんですよね。
彼は世間に興味がない人物なので大志がゆいの夫であることを知らないのかもしれないですね。

途中で電波が悪かったというのは、ゆいに恭二のことを気付かせないためなのかもしれませんけど、あんまり伝わってこなかったです。

ゆいの揺らぎ

今回もう一つ大きなことが起きました。
ゆいの気持ちが恭二から離れ、再び大志の方へと傾き始めました。

母が刺されるという一大事に恭二はそばにいてくれませんでした。
彼はとにかく厄介事を抱えるのが嫌な人間で、ゆいが離婚することすら望んでいません。
「ゆいは何かに守られている」とは言うけど「俺が守る」とは決して口にしません。
仲里依紗さんの恋が冷める瞬間の表情が良かったですね。

それに対して、大志と互いの不倫相手の悪口を言い合い意気投合するシーンは、これまでで一番生き生きとした場面でした。
二人が不仲になった原因って、もちろん大志の不倫が大きな要因ではありますが、実はそれほどはっきり描かれていないんですよね。
相手のことが嫌いというより、周囲から背負わされる夫婦像への息苦しさの方が大きかったような気がします。

「なんで私たち離婚するんだっけ?」ってゆいが言った時に、私も「なんでだっけ?」って思っちゃいましたね。

妊娠検査薬が陽性になったということは、恭二は不能なので大志の子供ということになります。
第1話で豆まきのあとに、映像を変なつなぎ方をしている箇所があったのですが、あのときなのでしょうか?

方言 

「だんだん」とは「ありがとう」の意味らしいです。愛媛以外でも広く使われています。

「だんだん」という方言 - 愛媛の伝承文化 (goo.ne.jp)

「ぞなもし」とは松山周辺で使われる言葉で「~じゃないですか」的な意味合いのようです。
夏目漱石の『坊ちゃん』にも登場するクラシカルな表現みたいですね。

「ぞなもし」とは?愛媛県の方言の意味や使い方を知ろう | セレスティア358 (celestia358.luxe)

おわりに

ティモンディの高岸さんが出演していましたね。
彼は相方の前田さんとは違い、出身も愛媛県らしいです。

恭二がどのような人間なのかいまだよくわかりません。
恭二と大志が顔を合わせたということは「あの時の!」っていう展開がありそうですよね。