30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

離婚しようよ 第9話(最終回)~なくてもいいかも。

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

Netflixで配信中の松坂桃李さん、仲里依紗さん出演ドラマ『離婚しようよ』第9話は最終回です。前回でこのドラマのテーマである選挙と離婚について描き切っているため、今回はエピローグのようでもありました。特段面白い部分もなく、ファンサービスの側面が大きかったです。

配信日ほか

配信日

2023年6月22日

配信状況はこちらをご確認ください↓
離婚しようよ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

公式サイトはコチラ↓
離婚しようよ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 

キャスト

東海林大志(松坂桃李)落選中の元議員。
黒澤ゆい(仲里依紗)大志の元妻。国際的俳優。
加納恭二(錦戸亮)元パチアーティスト。選挙ルポライター。
三俣桜子(織田梨沙)政治家に転身した元アナウンサー。
東海林峰子(竹下景子)大志の母
想田豪(山本耕史)政治家
佐藤富恵(高島礼子)ゆいの母
印田薫(板谷由夏)大志の弁護士
ヘンリーK(古田新太)ゆいの弁護士、事務所の後輩

感想

エピローグ

前回で落選が決まり、二人の離婚も成立したのでこのドラマは一定の結末を迎えました。
最終回となる第9話は主人公の二人とそのほかの登場人物のその後が描かれたエピローグのような内容でした。
正直に言って内容的にはそれほど特筆する点もないので、観なくてもいいかもと思ってしまいましたね。
蛇足とまではいわないまでも、前回を最終回としたほうが作品としての完成度は高かったかもしれません。

最終回は二人の子供・陽自誕生まで、3年後の生活、補欠選挙の3つの部分から構成されています。

陽自の誕生

この部分は子供の親権と教育方針を巡るゆい(仲里依紗)と峰子(竹下景子)との対立が主な内容です。
これ自体はこれまでも散々言い合っていたことですし、3年後に向けてのネタフリの意味合いが大きいように感じました。

面白かったのは、出産が完全無痛分娩でスルッと終わり、大志が出産に立ち会えなかった点ですかね。
子供の名前も既に決まっていて、大志は蚊帳の外に置かれています。
最終回のテーマは離婚した夫婦像を新しい形で提示することと、大志の父親としての子育てに対する当事者意識の目覚めを描くことだと思います。
そういう意味で大志の父親としての自覚がゼロになるようにスタート地点を設定したのでしょう。

2026年

2026年のパートではそれぞれの新生活が描かれていました。俳優として大成功するゆいと、勉強会と地元回りにいそしむ大志を中心に描いています。
この時点ではゆいが不在の間は峰子が陽自の面倒を見ているものの、大志はそれほど育児に参加していませんし、ゆいへの未練も断ち切れていません。
ゆいは「子供には自由に育ってほしい」と言いながらも親としての願望も出てきたりして、よき母親としての在り方を模索中です。
新しい夫婦像のようなものを提示しているようなしていないような内容でした。

そんな中、恭二(錦戸亮)は劇的な変化を遂げ、日本全国津々浦々の選挙を巡る選挙ブロガーに転身します。

彼の選挙観は面白かったですね。

死んでいるように生きていた彼は選挙の中に“生きていることの確認作業”という側面を見出し熱中していきます。
それはまるで祝祭のようでもあり候補者たちは自ら進んで命を燃やしている、「パンとサーカス」で言うところのサーカスっていう意味でしょうね。

このドラマは離婚とともに選挙についても描いてきました。
その多くは日本の選挙システムの非論理的で滑稽な側面を揶揄する内容です。
雨の中で傘もささずに演説をし、大漁旗をふり、愛媛音頭を踊る。
どれも候補者の政治家としての資質とは無関係なことばかりです。
しかし、この祝祭を通して候補者の本質があらわになる瞬間というものが必ずあり、国民はそれを見逃さず候補者の人間性を確かに見抜くのだと結論づけています。

このドラマを総括する内容になっています。
よく選挙期間になると若者へ向けて「この国を変えるために選挙に行こう」という呼びかけがなされます。
でも、はたしてお年寄りたちはこの国を変えるために投票に行っているのでしょうか?
おそらく違います。
単純に楽しいから投票しているんです。

こういう選挙の楽しさが広まれば投票率も上がるかもしれないですね。

大志は父の地盤を引き継ぎ、妻の知名度を利用して当選しただけのろくでもない政治家でした。
彼は落選を経験し、すべてを失います。
それでもなお残ったのは彼の生来のやさしさであり、それに魅了された人々なんですね。
それこそが政治家としての資質ということなのでしょう。

 

補欠選挙

ここまではエピローグとしてそれなりに面白かったのですが、このあたりからやっつけ感が出てきます。

まず、想田がBSL4の施設を民間企業に安く払い下げる見返りとして金品を受け取っていたことが発覚します。
これって想田一人の議員辞職だけでは済まないですよね。
当然罪にも問われますし、政権が瓦解するでしょう。

選挙自体も巫女ちゃんが元夫の応援に駆け付けたところ以外はどうでもいいです。
この選挙は大志が初めて一人で最初から最後まで戦い抜いた選挙ではありますが、前回の選挙も最後の1週間は大志一人で頑張っていましたし、最後に結局ゆいが駆け付けてしまうとその意味合いが崩れてしまいます。
だからといってこの展開から新しい夫婦像のようなものが感じられるわけでもありません。

最後の大志の質問という名の所信表明もイマイチです。

「失敗を恐れるな、寛容になりましょう」というのはおそらく政治についてだけではなく、結婚や子育てについても言及したメッセージになっているのだと思います。

やろうとしていることは分かるんですけど、政治に対するメッセージとしてはあまりに幼稚すぎます。
浪人期間を経て成長した大志をみせるのかと思いきや、相変わらず幼稚なままでガッカリしました。

おわりに

正直言って内容的にはつまらない最終回でした。新しい家族観とか政治家像とかやろうとしていることは分かるのですが中途半端です。
あくまで本編は前回で終わりで、これはファンサービス程度に考えた方がいいのかもしれませんね。

全編を通した感想はまとめページの方に書きました。