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福山雅治さん主演ドラマ『ラストマン』第9話は皆実と護道の過去に迫る最終章へと突入しました。警察官としての正義を問う内容で、護道泉を演じた永瀬廉さんの好演が光っていました。最終回を目前にして今回示された新事実を整理しながら、最終回に示されるであろう事件の真相を予想したいと思います。
放送日・あらすじ・前回の感想
放送日
2023年6月18日(日)21:00~TBS系列で放送(15分拡大)
あらすじ
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ラストマン-全盲の捜査官- - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ
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感想
41年前の事件の振り返り
今回からいよいよ皆実と護道の過去・皆実の両親が殺害され、護道の実父が罪に問われた事件の真相に迫っていくようです。
その起点として調書に記載された事件のあらましが紹介されてました。
主には以下の4点です。
- 皆実の父親・誠(要潤)は不動産業とは名ばかりの地上げ屋で、鎌田(津田健次郎)の食堂の大家でもあった
- 鎌田は置いてあったペティナイフで勢津子(相武紗季)を殺害
- 鎌田は階段上で誠と揉み合いになり落下、その後灰皿で誠を撲殺
- 鎌田は火をつけて脱出を図るも意識を失う
事件の様子は前回も映像で流されてはいたので、今回新たに発覚したのは皆実の父親と鎌田の関係ですね。
事件が起きた1982年とは映画『E.T.』が公開された年です。
プラザ合意が1985年ですのでバブル景気直前ということになります。
地上げというと80年代後半のイメージがありますけど、この頃にも地上げ行為はあったのでしょう。
一見するとそれほどおかしな筋書きではないように思えますが、皆実は4つの違和感を指摘します。
- 料亭でしつけられた母がペティナイフを片付けなかったのはなぜか?
- 何故階段の上でもみ合いになったのか?
- なぜ皆実(福山雅治)は玄関前で倒れていたのか?
- なぜ鎌田は逃げずに勢津子を刺したのか?
どれも決定的とは言えない疑問ですね。
片付け忘れることだってあるだろうし、二階に逃れようとしただけだとか、死に物狂いで玄関までたどり着いたのだろうとか、どれも説明しようと思えばできてしまうんですね。
だからこそ、最後の疑問について鎌田の人となりを知る唯一の人物である親太朗(大泉洋)がどのように感じるかが重要なんですね。
この時点では父を信じるとまではいかないまでも、確かに人を刺そうと思うような人間ではなかったところまでは認めています。
正義とは何か?
今回登場人物たちは「正義とは何か?」、「あなたの行動は正義にもとるのではないか?」ということを何度も問われています。
問われたのは護道たちの師匠にあたる山藤、警察官僚の護道京吾(上川隆也)、そして泉(永瀬廉)の3人です。
山藤は沈黙を貫き、出世のために京吾は権力におもねり、泉は「命に重いも軽いもない」と正義に目覚めました。
この辺りは『エルピス』にも似ていましたね。
「大きな安定のためには小さな悪事に目をつぶる」この全体のためという理屈は、強者の理論なんですよね。
その全体のために踏みつけられる人々のことは無視していますし、自分たちは全体の側に属しているんです。
京吾の息子である泉が犠牲になったのは、犠牲になるのが息子であっても同じことが言えますか?という彼らの欺瞞への挑戦でもありますね。
警察一家の護道家は正義の一家としてこのドラマに登場してきました。
対する心太朗は犯罪者の息子であり、悪の側の存在だと心太朗は自認していました。
しかし、最終回直前にしてその構図が逆転します。
護道家は長年悪事を働いていたことが明らかになり、むしろ心太朗の方が正義の側にいることが判明するんです。
そして護道が正義を学んだという山藤も悪の側でした。
こういうダイナミックな展開が今回の見どころだと思います。
まぁ、護道家は最初から胡散臭かったので驚きはありません。
泉は「護道家の人間だから、将来の警察を担う人材だから無理はさせるな、巻き込むな」と言われていました。
しかし、泉にとっては護道家の人間だからこそわが身を危険にさらしてでも向き合わなければならないと考えたのでしょうね。
ある意味、心太朗より葛藤を抱えています。
こういう御曹司が純粋な心を持っていて親の悪事の犠牲になる展開はドラマではよくあります。
若さゆえの感じやすさ、無謀さは魅力的です。
複雑な役どころな割に出演時間が十分与えらえれていたではないですが、永瀬さんは好演していたと思います。
第9話で最も印象的なキャラクターになりました。
これまでは吾妻に思いを寄せる男っていうだけでしたが、今回でドラマ全編を通してもその存在意義がはっきりしましたね。
浮かび上がる構図
浮かび上がってきたのが、弓塚の公共事業のために、皆実誠が地上げ行為を指示し、南雲会の池上が実行、護道誠二(寺尾聰)がもみ消すという構図です。
これは事件の背景ではあるけれど、直接鎌田に関係するようには思えませんね。
単純に口封じのためなら池上にやったみたいにすればいいだけなので、鎌田に頼む必要などありません。
鎌田の登場はアクシデントだったのでしょう。
もう一つ引っ掛かるのが鎌田が途中から全面自供をして罪を受け入れたのかです。
勢津子との関係も伏せていますし、誰かをかばっているようにも見えます。
このあたりが最終回の注目ポイントです。
皆実の母親
皆実の母親・勢津子と鎌田の間には面識があったことが発覚します。
こっちの方が事件の構図としては直接的な気がします。
勢津子を刺したのは鎌田だったのか?おそらく違うのでしょうね。
私の予想では誠が心中しようとしていたのをなぜか鎌田が見つけ止めたという感じかなと思ってます。広見を玄関まで連れ出したのは鎌田なのでしょう。
なんとなく『Nのために』を思い出してしまいます。
そして勢津子は十中八九心太朗の母親なのでしょうけど、皆実広見の父親は誠なんですかね?
あと、心太朗が護道家に養子にされた理由も気になりますよね。
おわりに
悪徳政治家がドラマに登場すると大抵麻生太郎風なんですよね。
特徴的でデフォルメしやすいからかもしれないですけど、もう少しパターンがあっても良い気がします。
41年前の事件についていえば、皆実のにおいの記憶もかなり重要そうですね。
あと、大泉洋さんの走り方ってなんか変ですよね。