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福山雅治さん出演ドラマ『ラストマン』第6話はドラマの内容に類似した事件の発生を受けて追悼文が差し込まれました。内容はというと、犯人の動機や人物描写に納得できない部分が多数あり、これまでのエピソードの中では完成度が低く感じました。
放送日・あらすじ
放送日
2023年5月28日(日)21:00~TBS系列で放送
あらすじ
配信状況はこちらを参考にしてください
ラストマン-全盲の捜査官- - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ
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感想
事件を受けて
今週放送内容に類似した立てこもり事件が発生したことを受けて、冒頭に注意書きが、末尾に追悼文が差し込まれていました。
立てこもり事件
今回登場したSITの新井は山田純大さんが演じており、役名も同じことから『TOKYO MER』第3話に登場するSITの隊長と同一人物でしょう。
本作と『TOKYO MER』は脚本家が一緒です。
脚本家の黒岩氏によるちょっとした遊び心ですね。深い意味はないと思います。
金も地位もある警備会社の社長が突如として家族を人質に10億円要求するという不可解な事件として始まります。
国際大会を巡る談合疑惑や警察OBの天下りなどが絡ませてはいますが「事件の背後に国家の陰謀が…」的なストーリーにはならず、いたってシンプルなつくりでした。
「不可解な立てこもり」という時点で、犯人が脅迫されている可能性というのはまず最初に思い浮かびますよね。
誘拐事件へ
身代わりとして人質になった皆実は娘の靴が見当たらないことから、娘が誘拐されていて菊地は脅されているのだと推理します。
菊地の装着するイヤホンからは誰かから指示が来ている様子が分かりますし、なにより先ほども書きましたがベタな展開なので、皆実でなくても誰でも推測できます。
そして、あとは芋づる式に秘書が犯人だとわかって、第1通報者が主犯だとわかってしまいます。
単純というか、制作者側もあまり隠そうともしていない感じでしたね。
もっとスリリングにするなら、犯人が監視しているかもしれないという描写だったり、監視の目をかいくぐる描写を入れるべきなんでしょうけど、素直でした。
一応モールス信号は使っていましたけどね。
娘の救出
どちらかというと娘の救出の方をメインでやりたかったのかな?という感じがします。
犯人に犯行の目標が達成されたと誤認させてぺらぺら喋らせる手法は『ミッションインポッシブル フォールアウト』にも登場しています。
あっちの方が大がかりですが、基本的には外部の情報を遮断して時計をずらすだけなので一緒です。
この捜査手法は犯人が万能感にあふれたタイプの場合に、自分の計画の優秀さを周囲にアピールしたいという犯人の心理を利用し、余計なことをしゃべらせるところに面白味があります。
さっきまで得意げだった犯人が実は騙されていたというところがスカッとするんです。
でも、この犯人って自己顕示欲が強いタイプなんでしょうか?
犯行動機
犯行動機として犯人は菊地の息子であり、誘拐された娘とは異母兄弟であることが明かされます。
同じ親なのに苦労している自分の境遇を恨み、嫉妬していたようです。
「親ガチャ」という流行りの言葉も登場しました。
皆実の言葉は「幸せになるには出自以外にもいろんな要素があるし、その多くは自分でどうにかできるものだよ」というごく普通のもので、あまり説得力はなかったですね。
「幸せじゃない奴は努力が足りないだけだ」と言っているようにも聞こえました。
というのも、本エピソードを貫くテーマが「親と子」で、犯罪者の息子でありながら護道家に養子として迎えられた護道心太朗(大泉洋)の境遇が、今回の事件とリンクしているんですね。
「あの子は養子だったんです」というセリフは無理に設定を心太朗に寄せたがために生まれたものでしょう。
犯人はそういう話をしていたわけではないですよね。
地下鉄の話といい、煙に巻かれた感じがします。
おわりに
今回も前回に続きイマイチでした。中だるみです。
犯人が人質の交換に応じたのは彼女に恨みはなかったからなのかもしれませんが、そのあたりの説明がないので犯人像がブレているように見えました。
それに時限装置のタイムリミットがあるのにあまり時間の流れを感じないし、緊迫感がありませんでした。
『TOKYO MER』は徐のあたりが上手かったんですけどね。
あと、永瀬くんの「了解」が凄くかっこよかったなぁ。