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ハヤブサ消防団【第9話感想】素晴らしい最終回

 

 

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中村倫也さん、川口春奈さん出演ドラマ『ハヤブサ消防団』第9話は最終回を迎え、聖母アビゲイルこと展子の正体が明らかにされました。探偵役の太郎が小説家であることが全編を通して意味を持つところが面白いです。

放送日・あらすじ

放送日

2023年9月14日(木)21:00~ テレビ朝日系列で放送

あらすじ 

最終話|ストーリー|木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』|テレビ朝日 (tv-asahi.co.jp)

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ハヤブサ消防団 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

原作

池井戸潤『ハヤブサ消防団』

 

主題歌

ちゃんみな『命日』

 

キャスト

三馬太郎(中村倫也)スランプ気味の作家。
立木彩(川口春奈)映像ディレクター。

藤本勘介(満島真之介)団員。八百万工務店勤務。
徳田省吾( 岡部たかし)班長。一徳堂の店主。第7話で死亡。
森野洋輔(梶原善)副分団長。土木課に勤務。
宮原郁夫(橋本じゅん)分団長。宮原養鶏を経営。
山原賢作(生瀬勝久)部長。山原林業社長。
賀来武彦(福田転球)協力団員。居酒屋サンカク店主。

江西佑空(麿赤兒)隋明寺の住職。
野々山映子(村岡希美)住民。
村岡信蔵(金田明夫)八百万町の町長。
山原浩喜(一ノ瀬ワタル)札つきのワル。第1話で死亡。
波川志津雄(大和田獏)幼少期の太郎を覚えていた。引っ越す。

真鍋明光(古川雄大)ルミナスソーラー営業スタッフ。
中山田洋(山本耕史)出版社草英社の編集者。
山原展子(小林涼子)謎の女性。

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相関図・キャスト|木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』|テレビ朝日 (tv-asahi.co.jp)

感想

杉森との問答

今回の特徴は冒頭に杉森と太郎が問答を行い二人の対立点が明らかにされたところです。
その後立木が揺れ動く際にも、一体何を巡って彼女が悩んでいるのかが分かりやすくなっていました。

「作家の仕事とは人の本質を見極めることだ」という太郎はユートピアという言葉の本来的な意味から杉森の思想の誤りを指摘します。

ユートピア - Wikipedia

問答を繰り返し、太郎に反論するうちに杉森の主張は少しずつずれていくんですね。
彼は論理的に一貫しているわけではなくその場しのぎの返答を繰り返しているだけなんです。

最終的には「騙しているとしてもその人が救われるならそれでいい」とまで言っています。
視聴者に太郎が正しく、杉森が間違ていることを印象付けることが出来たと思います。

舞台が田舎ということもあり、どこか『魔の山』のようなサナトリウム文学の雰囲気もありましたね。

語られた真相

教団の聖母・展子の正体がようやく語られました。

その語り手が二人いて住職と映子です。
生前の展子については住職が、展子の死後教団内で変質する展子像については映子が担当していました。
住職は展子を見捨てた良心の呵責に耐え切れず仏門に入ったのかもしれませんね。
映子も良い人だったみたいです。
彩が映子に本心を打ち明けていたことが、映子が太郎に関心を持つきっかけになっているのもよく考えられています。
それにしても余命幾ばくもない展子の存在を「好都合」だととらえる教団の邪悪さには身の毛がよだちます。
ノブコがノビーになり、アビーと呼ばれるようになったと言う微笑ましい話が「アビゲイル騎士団」という名前に作り替えられたり、展子が「厳しい環境で威厳をもって咲くところが好き」と語っていたシャクナゲがいつの間にか鉄槌を下す合図となっていたり、現実の展子が聖母アビゲイルへと塗り替えられていく様がリアルでした。
もうひとつ面白いのが、展子の写真が太郎の家にあった理由については彩の見た幻想の中で真相が語られている点です。
これはあくまで彩の妄想なので真実とは言えませんが、彼女の心が虚構の聖母アビゲイルから現実の展子へと惹かれている様子が分かるようになっていました。

作家という仕事

太郎は新たな聖母にろうとする彩を説得することで教団によるハヤブサ乗っ取りを阻止しようとします。
この手法が面白くて、住職や展子から聞いた話を編集し、『展子の生涯』という本にまとめて彩に読ませるんです。
彼は探偵ではなく小説家です。
小説家らしい手法で事件を解決するが筋ですし、そういう風に話を持っていったのは正しいと思います。

まぁ、言っていることは良くある話です。
都会の中で挫折した人間の心の隙間に「あなたは特別だ」と優しい言葉をかけてくる教団、その教団の作った虚構の中で偽りの幸せを生きる道が片方にあり、
展子のように辛い人生であろうとも精いっぱい生きた人生が片方にあるわけです。

そもそもなんで彩が新しい聖母に選ばれたのか、その理由がはっきりしないので彩に共感しづらいんですよね。

後日譚

なんだかんだあって、無事真鍋や杉森(彩も)は逮捕され、太郎はベストセラー作家になり、展子の遺骨は彼女の愛したハヤブサに戻り、消防団の欠員も補充されました。

変わったことと変わらないことがバランスよく描かれていました。
彩は放火の共犯で捕まったのかな?

このドラマの主題歌を担当されたちゃんみなさんが新たな聖母候補として登場しています。

おわりに

田舎でおこった連続放火と土地の買収という地味な題材かを丁寧に描き、日本の地方の実情を織り交ぜながら真の幸福とは何かについてまで到達した本作はかなり優れたドラマです。
タイトルを出すタイミングも毎回工夫されていますし、時代を切り取ってもいるので長く愛される作品になると思います。

詳しい全編を通した感想は後日まとめます。