30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

彼女たちの犯罪【第9話感想】強引だけど面白い

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

深川麻衣さん、石井杏奈さん、前田敦子さん出演ドラマ『彼女たちの犯罪』第9話は由香里の正体や理子の本当の目的も明かされ、これまで謎とされていたことがすべて判明しました。展開は全体的に強引ですが、各キャラクターの行動原理がはっきりしていて彼女たちの感情の揺れを楽しめます。

放送日・あらすじ他

放送日

2023年9月14日(木)23:59~ 日本テレビ系列で放送

あらすじ

第九話|ストーリー|彼女たちの犯罪|読売テレビ (ytv.co.jp)

配信状況は公式サイトあるいはこちらをご確認ください↓
彼女たちの犯罪 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

 

キャスト

日村繭美(深川麻衣)大手アパレル企業の広報。交際相手が既婚者と知る。
神野由香里(前田敦子)智明の妻。夫の不倫と不妊に悩む。
熊沢理子(石井杏奈)新人刑事。
神野智明(毎熊克哉)由香里の夫。医師。大学時代の後輩・繭美と再会。
玉名翠(さとうほなみ)謎多き女性。由香里の唯一の友人になっていく。
上原武治(野間口徹)理子とバディを組む先輩刑事。

相関図はコチラ↓
相関図|彼女たちの犯罪|読売テレビ (ytv.co.jp)

感想

由香里の正体

前回、由香里が偽物でその正体が愛であることが判明しましたが、今回はさらに詳しく由香里の半生が語られました。
由香里は無戸籍で親にも捨てられ透明人間のような人生を送っていたんですね。

日本の「無戸籍者1万人」は、なぜ生まれるのか 「就学、結婚もできない現実」を生む5つの謎 | 政策 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

本物の由香里から「代わりに看護の専門学校に通わないか?」と持ち掛けられ、初めて経験する自分の席が用意されクラスメイトが挨拶を交わしてくれる環境にはまってしまったようです。

このドラマでは「席替え」など「席」という言葉が象徴的に使われています。
オープニングの映像も椅子に座ります。
本物の由香里が「セキ」の代価としてお金を要求するのですが、その「セキ」は「籍」だけでなく「席」の意味も帯びています。

懊悩する上原

完全に事件の真相にたどり着いた上原ですが、事件に部下の理子が関わっていること、そして理子は余命いくばくもなく何か思いがあることを知り、彼女が自首するのを待ちます。

今の状況では上原が決断さえすれば事件はすぐに解決するので、この展開はちょっと緊張感に欠けます。
上原は理子を監視することもなく、「これから病院に行きます」と言われたらそのまま帰ってしまいました。
上原が追跡していても「多分捕まらないだろうなぁ」と思いながら観ていますし、実際そうなります。

翠との再会

ふらふらとあてどなく彷徨う由香里が翠と再会するシーンはちょっと強引でした。
結構冷める展開でしたが、由香里と大輔が出会うのは展開として大きいです。

繭子が計画を何とか完遂しようと奮闘しているのに対して、由香里はすぐに計画から降りようとします。
由香里が頭の中で自首する文言をシミュレーションする様子は本当に気持ち悪くて、「自分は反対していた」とか「すでに致命傷を負っていた」とか、ウソではないですが自分にとって都合のいい部分を切り取ってつなぎ合わせているんです。
例えば翠に成りすましてショッピングを楽しんでいたことなどは考慮外になっています。

さらに「もとはと言えば脅した由香里が悪い」「母親が悪い」と他責的に言い訳を次々に考えて補強していくんです。

しかもその根源にあるのが翠の言った「自分が楽になることを考えればいい」というアドバイスなんです。
自首することすら「翠の助言があったから」と責任を負うことを回避しようとするんですね。
他人の人生を生きている中で彼女は自分を失ってしまったようです。

だからこそ逆に由香里が大輔と昔の自分を重ね一緒に逃げる展開には説得力がありました。
彼女の中の「自分」は幼少期にまで遡らないと存在しないのかも。

でも確かに彼女はそれほど重い罪に問われない可能性があります。
計画を立案したのは理子だし、本物の由香里に致命傷を負わせたのは繭美です。
罪に問われてもほかの二人よりは軽い気がするんですよね。
その分、大輔と逃げる選択は彼女が運命を共にすることを意味するので興味深いんです。

理子の目的

理子の目的や経緯はこれまでの流れを追っていれば当然の内容なので驚きはありませんでした。
でも、繭美や由香里が理子に子供がいることを知らなかったのは「あれ?そうだっけ?」って感じでした。
そういえば、理子がプールバッグを繭美の車の中に忘れたことがありましたが、あれは繭美に気付かれないためだったのかな?

事件直後の車内で「生きる理由がないから死を恐れない」という翠と、大輔を残して死ぬ運命を背負った理子の対比が面白かったです。
石井杏奈さんの何とも言えない表情が印象的でした。

最後の望みであった指輪を使った偽装工作も見破られてしまいました。
そもそも、あの指輪だけでは複雑な偽装自殺を説明しつくすことは不可能だと思いますけどね。

おわりに

道端であんなに苦しそうな人がいれば「大丈夫ですか?」と声をかける人もいそうですし、大輔と理子の位置関係なども結構不自然です。
理子が罪を背負って死ぬというのはまずないと思うので、3人が破滅して翠だけが大輔とともに生きていくということになるんじゃないかな?

関連リンク

見逃し配信はコチラ

 

(本ページの情報は2023年7月時点のものです。最新の配信状況はhuluサイトにてご確認ください。)

原作は電子書籍で読めます

横関大
『彼女たちの犯罪』

 

主題歌はコチラ