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ばらかもん 【第10話感想】人の心を動かす字

 

 

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杉野遥亮さん出演ドラマ『ばらかもん』第10話は書道教室の先生になると言い出した清舟の前途多難な様子と、唯一の友人である川藤との信頼関係、そして「字が人の心を動かす」瞬間を描いていました。次回が最終回であることを忘れてしまうような、ずっと続きそうなドラマですね。

放送日・あらすじ

放送日

2023年9月13日(水)22:00~ フジテレビ系列で放送

あらすじ

ばらかもん | ストーリー - フジテレビ (fujitv.co.jp)

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ばらかもん - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

半田清舟(杉野遥亮)書道界の家元の後継ぎ。
琴石なる(宮崎莉里沙)小学1年生。
久保田育江(田中みな実)七ッ岳病院に勤務している看護師。
山村美和(豊嶋花)勝気な中学2年生。
新井珠子(近藤華)漫画家志望。美和の友達。
木戸裕次郎(飯尾和樹)七ツ岳の郷長。
木戸朋子(山口香緖里)郷長の妻。
木戸浩志(綱啓永)郷長の息子。
八神龍之介(田中泯)書道界の実力者。館長。
神崎康介(荒木飛羽)書道家。
川藤鷹生(中尾明慶)半田の友人。
半田清明(遠藤憲一)清舟の父。

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ばらかもん | 相関図 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

感想

スタートとゴールが違う

このドラマは書道家の清舟が壁にぶち当たりそれを乗り越える成長物語としてスタートしました。
そして、それは前回の第9話まで続いていたのですが、最終回を目前にして大きく方向転換してしまいます。
書道家の道を諦め、書道教室の先生として島で暮らすといい始めたんです。
これは「書道家として大成する」という当初想定されたゴールとは違います。
ある意味彼は挫折したことになるわけです。

人生はそういうものだし、正解は一つではないのでリアルです。
必要とされるところで働きたいという清舟に共感する人も多いと思いますが、拍子抜けしてしまった方もいたんじゃないかな?

経済観念がない

前回、書道教室を開くと聞いた時から「大丈夫か?」と思った方も多いでしょう。
その懸念は的中します。

まず父親が払ってくれていた家賃を支払わなければならないことに気付きます。
これを言い出す郷長って、演じ方によっては意地悪に映ったり、深刻過ぎたりしかねませんが、飯尾さんは飄々としているので、コミカルなシーンになっていたのが良かったですね。
ちゃっかりセカンドバックを携えているのが大家って感じです。

ただでさえ子供が少ない島で書道教室を開き生計を立てるため月謝1万円を掲げますが、私が調べた感じだと東京と比べても相場の2倍程度です。

児童くらぶ 書道教室 中田教室のコース・料金情報|子供の習い事口コミ検索サイト【コドモブースター】 (kodomo-booster.com)

清舟の「月1万円」っていう言い方が例の通販番組みたいで可愛かったですね。

川藤との友情

これまで川藤というキャラクターはそれほど描かれていないというか、清舟の友人であるという以外には酒癖が悪いことなどの周辺情報しかわかっていなかったのですが、今回脚光を浴びました。

書道家に戻るように説得するつもりが、何もできない清舟に世話を焼き、気付けば結局応援しているというのはそれだけで面白いですし、
書道家のマネージャーとしてではなく、一人の友人として清舟の新たな挑戦を応援する姿はすがすがしかったですね。
清舟の方も康介のエピソードを通して川藤への信頼を示していましたし、互いに思いあう関係は尊いです。

ちょっとわかりにくかったのは、なるの徒競走のたとえでした。
一緒に走っていた(伴走していた)つもりがいつの間にか心が離れていたと寂しさを感じる川藤に対してなるが助言するのですが、このたとえ話はラストの清舟の「誰も通っていない道を道案内してやる」という言葉で補完されるまでイマイチ意味が分からないんですね。

ラストのタクシーを呼ぶシーンはベタですけどカッコいいです。

書道体験教室

書道教室での展開は予想通りでしたが、あの指導法は面白いですね。
ただ、秋の草花を使ってゲーム形式を取り入れるのはワクワクするのですが、説明が十分でなく、何がしたいのか映像だけでは分かりにくかったです。

おそらく、草花を避けて筆を動かすことで集中力が身につくほか、ゆっくりと適切なスピードで筆を動かすことを知らず知らずのうちにマスターできるという効果があるのだと思います。
もしかすると、筆の行き先を探しながら書くことで文字のバランスにも意識が向かうのかも。

それぞれの将来

料亭の試験に落ちて島を出ることに二の足を踏むひろしのエピソードは正直言って少しくどい気がします。
「東京ってどんなとこ?」って川藤に聞くシーンは良かったですけどね。

それよりも良かったのが美和たちのエピソードです。
将来やりたいことが無かった美和が目標を持ち、珠子が漫画を投函する、という一連の流れが「人の心を動かす字を書く」を体現していて、
それが字だけでなく、清舟の踏み出した一歩が伝播していき、誰かの人生を好転させていく姿はある意味芸術の理想形を感じさせてくれました。

おわりに

次回再び別れのシーンが描かれるようです。
これで3度目なのでちょっと多すぎる気がしますが、なんだかんだ感動しちゃうんだろうなぁ。

 

関連リンク

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