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阿部サダヲさん主演ドラマ『不適切にもほどがある』第5話が放送されました。市郎と純子を待ち受ける運命について描かれています。阪神淡路大震災に関する表現は非常に抑制が効いていて、視聴者の想像力にゆだねるところが印象的です。
放送日・あらすじ
放送枠
TBS 金曜日 22:00~
放送日
2024年2月23日
公式サイト
基本情報
原作
ありません
脚本
宮藤官九郎
キャスト
小川市郎(阿部サダヲ)
犬島渚(仲里依紗)
秋津睦実/秋津くん(磯村勇斗)
小川純子(河合優実)
向坂キヨシ(坂元愛登)
向坂サカエ(吉田羊)
相関図はコチラ↓
感想
3者面談
おぎやはぎの矢作さんが出演されていましたね。
矢作さんがうぬぼれ刑事にも出演していたことを思い出しました。
それはそうと、この先生の役は矢作さん以外考えられないほど似合っていました。
女子大生ブームというものが1980年代にはあったようで、川島なお美さんがその代表格のようです。
一見くだらない内容ですが、のちの純子の運命に大きくかかわってくるところが面白いですね。
不登校
「登校拒否」と「不登校」という言葉をそれほど意識して使ったことがなかったので、勉強になりました。
そういえば最近は「登校拒否」という言葉を聞かないような気もします。
2022年まで放送されていた長寿ラジオ番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』は1987年4月から放送開始だったようです。
あの声はご本人の声だそうですよ。
1967年からオールナイトニッポンは放送されていますし、葉書を投稿するというラジオ文化はこの時代の特徴というわけではありません。
この時代以前にも、それ以降も存在しています。
ただ、やはりSNSのない時代に思いを届けることの難しさとしてラジオという媒体は面白いです。
まず、投稿が採用されなければなりませんし、そもそも相手が聞いているかどうかもわからないですから、かなり無謀な作戦ですね。
この不登校の生徒の話はどのように展開していくのか想像がつきません。
もっといえば、純子たちの運命が明かされた中、キヨシたちがどのような結末に帰着するのかもわからないんですよね。
犬島ゆずる
さて、今回は何といっても市郎と純子に待ち受ける運命の話がメインです。
それに触れる前に、私はゆずるという男の人生に興味がわきました。
上京して、ディスコで黒服にまで出世し、バブルの崩壊とともに神戸に戻り家業を継ぐ。
震災で妻を亡くし、娘を育てる。
平成という時代を一身に背負っているような生き方に説得力を感じるんですよね。
「こういう人が居てもおかしくないよなぁ」って感じがします。
渚のシンドバット
劇中でも説明されていましたが、渚の母が震災で亡くなっていることはすでに明かされています。
今回明らかになったのは渚の母が純子であること、市郎もその日亡くなったことですね。
市郎が純子と亡き妻が渚のシンドバットを歌うビデオをじっと見つめるシーンが再び登場しました。
以前は未来にきて会えなくなった娘を思うシーンとして登場したのですが、今回は娘がすでに他界したことに気付き、そのことに思いをはせていたのだということが後にわかるようになっています。
このあたりが上手いですね。
犬島渚が「渚」と命名されたのは、純子にとってもこのビデオが思い出深かったからかもしれないですね。
震災
震災は何の前触れもなく発生し、それまであった日常を断絶します。
長年不和なままで、孫が生まれてもなお結婚を認めていなかった市郎がようやくゆずるを認めたあの日は彼らにとって最高の1日だったはずなんです。
実際、阪神淡路大震災に限らず災害の被害にあわれた方たちにも、それぞれのストーリーがあったはずで、それを思うと胸が苦しくなります。
市郎のように注文したまま引き取り手のいない品物も存在するのでしょう。
「もしあの時神戸に行かなければ」「採寸に手間取らなければ」「送りにいかなければ」という運命の分岐点が何度も登場し、そのたびに辛くなっちゃいます。
タイムパラドックスを意識すると、市郎は自らの運命を悟ったうえで神戸に赴いたことになります。
考え始めると結構混乱するのでタイムパラドックスのことはとりあえずわきに置いておくことにします。
ゆずるが初めて手掛けたスーツを羽織るシーンにはすべてを受け入れる覚悟のようなものが感じられました。
おわりに
阪神淡路大震災が発生したのは1995年なので来年で震災から30年を迎えることになります。
語られることも少なくなってきましたが、こういった作品の中で語り継がれていけばいいなぁと思いました。