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不適切にもほどがある【第6話感想】

 

 

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阿部サダヲさん主演ドラマ『不適切にもほどがある』第6話が放送されました。前回明かされた市郎と純子の運命を受けて、全体的にシリアスなトーンが強まりました。一方で三原じゅん子さんや加藤茶さんなど芸能人を使ったギャグパートもあり楽しく見続けられます。

 

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 金曜日 22:00~

放送日

2024年3月01日

公式サイト

金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』|TBSテレビ

基本情報

原作

ありません

脚本

宮藤官九郎

キャスト

小川市郎(阿部サダヲ)
犬島渚(仲里依紗)
秋津睦実/秋津くん(磯村勇斗)
小川純子(河合優実)
向坂キヨシ(坂元愛登)
向坂サカエ(吉田羊)

相関図はコチラ↓

相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』

感想

前回を受けて

前回市郎と純子が1995年の阪神淡路大震災で亡くなる運命にあると判明しました。
そんな前回の展開を受けて、第6話は死が強く意識された話になっていましたね。
世代間のギャップを面白おかしく取り上げる内容はこれまでと変わらないのですが、深みが増したように思います。
一つ一つの表情に意味を感じるんですよね。

自分が死ぬことは受け入れられたとしても、前途ある娘が9年後に死んでしまうという事実は容易に受け入れられるものではありません。

彼を苦しめているのが過去を改変してはならないというタイムパラドックスのルールです。
このドラマはタイムパラドックスを厳密に扱った作品ではないため、その扱いは難しいです。
もっとも簡単な方法は神戸に行かないことになるのでしょうけど、現実に多くの方がなくなっている震災でそのような描き方はすべきではないですよね。
このような難しさを抱えた未来の改変についてどのように描くのかなぁと、注目して観ていましたが、結論から言えば非常にうまく描いていたと思います。

あらゆる改変の可能性にはあえて触れず、「純子を犬島と引き離せば渚が生まれてこなくなる」という一点で説明していたのが簡潔で良かったです。

昔話の是非

今回の大きなテーマは昔話でした。
かつての売れっ子でオワコン化した脚本家を再生させるストーリーの中で「なぜ人は昔話をしてしまうのか?」という問題提起をしています。

その根底に、純子には未来がないという絶望が流れていることで安易に答えを出せなくなってくるんですよね。
純子の言う「小馬鹿にする」だけのテーマではなくなるんですよ。

例えば「先のことを考えるのはつらい。昔話は楽なんだ。」というセリフ一つとっても、市郎の抱える苦悩を知った後では受け取り方が変わってきますよね。

そして毎話恒例となったミュージカルで示された結論は真っ当でした。
私なりに要約すると
「昔話をしているときは、昔の話をしているのではなく、17歳のあの時に戻ってその瞬間を生きているんだ。今の積み重ねが過去であり、今を生きることがかけがえのないことなのだ。」
となると思います。

過去でも未来でもなく、今なんだという力強いメッセージでしたね。

自身の過去作や最近の流行、過去の名作からの引用でお茶を濁していた脚本家も、党に描きたいものに立ち返ることができたようです。
人の感性は本当に17歳で固定してしまうのだろうか?という疑問もありますが、これはこれで納得のいくお話でした。

よくよく考えると、実は市郎はタイムスリップしているので過去の話はしていても、昔話はそれほどしていないんですよね。

おわりに

「純子ちゃん、子供好き?」というセリフは素晴らしいですね。
幼くして母を失い、母の記憶も薄れているであろう渚のこの言葉は母の愛情を確認する意味があります。

不登校の佐高君の話はどのように絡んでくるのでしょうね。