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阿部サダヲさん主演ドラマ『不適切にもほどがある』第4話が放送されました。SNSなどのコミュニケーションをめぐる二つの時代の違いを軸に、インティマシーコーディネーターやタイムパラドックスの話を組み込んでいますが、いまひとつまとまりに欠ける印象です。
放送日・あらすじ
放送枠
TBS 金曜日 22:00~
放送日
2024年2月16日
公式サイト
基本情報
原作
ありません
脚本
宮藤官九郎
キャスト
小川市郎(阿部サダヲ)
犬島渚(仲里依紗)
秋津睦実/秋津くん(磯村勇斗)
小川純子(河合優実)
向坂キヨシ(坂元愛登)
向坂サカエ(吉田羊)
相関図はコチラ↓
感想
全体的な感想
つまらないわけではないのですが、見ていてわかりづらい印象を受けました。
というのも第4話は
- コミュニケーションツールの変化
- インティマシーコーディネーターと純子の恋愛
- タイムパラドックス
という3つの要素で構成されていて、それぞれがあまり結びついていないんですよ。
一つ一つは面白いんですけどね。
順番に振り返ります。
コミュニケーションツールの変化
市郎(阿部サダヲ)がSNS依存症になり、無意識のうちにパワハラを繰り返してしまうという展開の中で、特にグループチャットのあるあるが紹介されました。
お決まりのミュージカルもここで登場し、「便りがないのはいい知らせ」であるとか、連絡網とラインの違いであるとか、そういった類のやり取りがなされていましたね。
80年代のほうでは、スマホがない時代のコミュニケーションとして、教師の目を盗んで教室内で回されるとりとめのない手紙や、待ち合わせが難しいこと、伝言板、相手がどこにいるのかわからない不安、などが描かれていました。
どちらもその時代のあるあるネタで新鮮さはありませんでしたが、相手の気持ちがわからないことや、勘違いから生まれるコミュニケーションの難しさを二つの時代を通して描くやり方は面白かったですね。
インティマシーコーディネーター
第4話がまとまりに欠けるのはこの話を入れたからのように思います。
まだそれほどなじみのある職業ではありませんし、SNSなどに比べてあるあるネタが浸透していないので、あるべき姿がわからないまま進んでいく印象を受けました。
しかも、その前段に不適切な番組タイトルをめぐるやり取りや不適切な歌詞をめぐるカラオケ大会が挿入されて余計にまとまりがないんですよ。
そもそもインティマシーコーディネーターとは何なのでしょうね。
Intimacy Coordinator Japan|インティマシー・コーディネーター・ジャパン
私の調べた限りでざっくり言うと、演出家と俳優の間に入り、コミュニケーションを円滑にできる環境を整え、俳優の精神と肉体の健康を確保し、さらには作品のクオリティを高める仕事のようです。
たしか『エルピス』や仲里依紗さんの出演していたNHKの『大奥』で起用されていたと思います。
相次ぐ性加害を受けて現場環境の改善のために導入されてようで、日本で一般的になったのはここ数年です。
でもこのドラマの中で繰り広げられているのは『ラジオの時間』のような演出に口出しする出演者とそれをあの手この手で乗り切る演出家という構図を、マネージャーに置き換えただけなんですよね。
「商品として俳優を縛り付け、俳優たちの可能性を狭めている芸能事務所」の話というのなら分かるんですけど、インティマシーコーディネーターの話ではないような気がします。
そもそもインティマシーコーディネーターの仕事って撮影段階ではほぼ終わっていて、あとは合意通りに運営されているかをチェックするぐらいのものなんじゃないかな?
でも、純子とムッチ先輩のシーンと交互に見せることで、まるでドラマの撮影かのようにみせるメタ視点の入った演出は面白かったですね。
タイムパラドックス
「タイムパラドックスの越えてはならない一線を越えそうになるとビリビリする。」ということを井上がなぜ知っていたのかが明らかになりました。
この作品でのタイムパラドックスとは異なる時代で自分の子や孫と恋愛関係になることに限定されているようです。
こういう手際よい伏線回収が心地よくて、むっち先輩の実家が団子屋であることも後に回収されますし、純子の名前を聞いて渚があることに気づくという展開も次回に回収されそうです。
おわりに
現代のパートは煩わしさばかりが描かれていて、肯定的なメッセージが少ないように感じます。
終盤に向かうにつれて増えてくるのかな?
錦戸亮さんが出演するようです。ネットフリックスの『離婚しようよ』にも出演されていたので久しぶりという感じもしませんが楽しみですね。