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ばらかもん 【第4話感想】これまでで最高の回

 

 

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杉野遥亮さん出演ドラマ『ばらかもん』第4話は清舟(杉野遥亮)が島の一員としてなじんでいく様子が描かれました。また、彼の新境地への一歩として島での体験が作品作りに反映されていく様もこれまで以上に丁寧に描かれ完成度が高い回になっています。

 

放送日・あらすじ

放送日

2023年8月2日(水)22:00~ フジテレビ系列で放送

あらすじ

ばらかもん | ストーリー - フジテレビ (fujitv.co.jp)

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ばらかもん - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

半田清舟(杉野遥亮)書道界の家元の後継ぎ。
琴石なる(宮崎莉里沙)小学1年生。
久保田育江(田中みな実)七ッ岳病院に勤務している看護師。
山村美和(豊嶋花)勝気な中学2年生。
新井珠子(近藤華)漫画家志望。美和の友達。
木戸裕次郎(飯尾和樹)七ツ岳の郷長。
木戸朋子(山口香緖里)郷長の妻。
木戸浩志(綱啓永)郷長の息子。
八神龍之介(田中泯)書道界の実力者。館長。
神崎康介(荒木飛羽)書道家。
川藤鷹生(中尾明慶)半田の友人。
半田清明(遠藤憲一)清舟の父。

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ばらかもん | 相関図 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

感想

幸せな空間

このドラマの特徴は悪い人が一人も出てこない点にあります。

公式X(twitter)の撮影風景がアップされていますが、どれも楽しそうで雰囲気が良いですね。

軸のあるストーリー

これまでもこのドラマはそれなりにほのぼのしていて面白かったのですが、今回の完成度は群を抜いています。
というのも、これまでこのドラマはどこか散漫というか、気の向くままに進んでいくようなところがあって、全体としてのまとまりに欠けていたのですが、今回は大きく分けて二つのテーマに基づいてしっかりとストーリーが構築されていました。

島の一員

一つは清舟が島の一員になるというテーマです。
清舟は島の神社の寄付者銘板を新たに書き直すという役目を託され、そこに名前を加えることを許されます。
これは分かりやすく清舟が島の一員として迎え入れられたことを意味していますね。
これまでもゼッケンの記入を頼まれるなど、完全にお客様扱いされていたわけではありませんが、もっとフラットに島になじんだことを示すシーンが続きました。

印象的なのはおすそ分けです。
一人では食べきれない分をおすそ分けしているうちに、どんどんわらしべ長者のようにいろんなお返しを受け取るというのはベタですけどいい話です。
貰うばっかりだった清舟が自発的に周囲にお返しをする様子は、石垣をくみ上げる描写でも補強されています。

これまでも島民がどこに暮らしているのかとか、どのように暮らしているのかとかは、一部描かれていましたが、今回はほぼすべての登場人物の家を周りやそれぞれの生活を一覧的に垣間見ることが出来ました。
コミュニティの全体像がつかめるのでこの世界への没入感が高まります。
なるが案内するというのも良いですね。

飯尾さんは一応郷長という役ですが、飯尾さんのままこのドラマに出演しています。
一歩間違えれば大事故になりそうな起用法ですが、今のところいい感じです。
ピーマンを刈り取られたことを根に持って、あちこちに言いふらす器の小さい善人という役柄が飯尾さんにピッタリですね。

作品作り

清舟がこの島に来た理由は作品を書くためであって、これまでも書いてはいたんですが、個人的にはその描き方があまりワクワクしなかったんですね。
その回に体験したことや感じたことを反映しているだけで、例えばアジの魚拓で「鯛」と書かれてもあんまり感想が湧いてきませんでした。

その点今回はかなり優れていました。

まず、書いているときの清舟の顔、「笑いながら仕事をする」様子が描かれていました。
ぶっちゃけ、字の巧拙なんて分かりませんし、手元だったり完成した作品は吹替えでやってることぐらいわかっていますんで、結局みたいのは杉野さんの表情なんですよね。

そして、作品自体もその書き上げる様子から今回の体験が反映されていることを読み取れるようになっています。

1つ目が、なかなか書き始めることが出来なかった清舟がなるたちの手形を隠すという目的を与えられたことで、筆が進むという体験です。
夏休みの宿題の書写での2度書きもここと関連していますね。

2つ目に、使い慣れない道具・ペンキの刷毛を使って文字を書いたという体験が筆遣いに反映されていました。

最後に、遭難して見上げた星空が表現されていました。
ちょっとゴッホっぽいかも。

The Starry Night - Vincent van Gogh — Google Arts & Culture

こんな感じで、彼がこの作品のたどり着いた過程が感じ取れるようになっていました。

それで気づいたんですけど、このドラマは『のだめカンタービレ』に結構似ています。
主人公の独り言が多い点や周囲に影響されて音楽を楽しむことを覚えるあたりはそっくりです。

おわりに

酔っぱらって踏み外すとか、鍵を見つけて家が近いことを知るとか、強引な展開を補完する要素もきっちり含まれていました。

意外にも次回帰京するようですが、また戻ってくるんでしょうね。

関連リンク

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ヨシノサツキ 『ばらかもん』