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ばらかもん 【第9話感想】プロの仕事

 

 

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杉野遥亮さん出演ドラマ『ばらかもん』第9話はプロの書道家としての取り組み方と島の助け合いの精神に染まった清舟の決定的な溝が描かれました。一つ一つのやりとりや展開が物語のゴールへ向けて着実に進んでいる感じが観ていて楽しかったです。

放送日・あらすじ

放送日

2023年9月6日(水)22:00~ フジテレビ系列で放送

あらすじ

ばらかもん | ストーリー - フジテレビ (fujitv.co.jp)

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キャスト

半田清舟(杉野遥亮)書道界の家元の後継ぎ。
琴石なる(宮崎莉里沙)小学1年生。
久保田育江(田中みな実)七ッ岳病院に勤務している看護師。
山村美和(豊嶋花)勝気な中学2年生。
新井珠子(近藤華)漫画家志望。美和の友達。
木戸裕次郎(飯尾和樹)七ツ岳の郷長。
木戸朋子(山口香緖里)郷長の妻。
木戸浩志(綱啓永)郷長の息子。
八神龍之介(田中泯)書道界の実力者。館長。
神崎康介(荒木飛羽)書道家。
川藤鷹生(中尾明慶)半田の友人。
半田清明(遠藤憲一)清舟の父。

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ばらかもん | 相関図 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

感想

懸念点

前回の放送終了後予告を見た時に「また東京に行くの?」と若干不安と不満を感じていました。
というのも、第6話で清舟が東京に戻り、第7話では清舟の両親が島を訪れていたんです。
あまり東京と島を頻繁に行き来されると、異世界感が薄れる感じがして嫌だったのですが、今回はそういうデメリットを補って余りある濃い内容でした。

プロの仕事 その1

今回は清舟が父の仕事を手伝うことで書道家やそれを支える人々によるプロの仕事に触れるという内容でした。

清舟はこれまでただ作品を書き上げ会社に提出すると表装を整えてもらえることから、掛け軸がどのように作られているのかを考えたことが無かったことが発覚しました。
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作品のテーマに合わせて、サンプルの中から一文字など掛け軸の部品を選んでいくんですね。
プロは多くのプロフェッショナルに支えられて初めて仕事ができることが示されます。

あまり詳しくない世界なので単純にお仕事ドラマとしても面白かったです。

プロの仕事 その2

今回一番興味深かったのは父と依頼主であるホテルの担当者の折衝です。

前々回に清明(遠藤憲一)の書道家としての実力が示されていたことも、このエピソードを説得力のあるものにしていました。

清明の筆が進まない理由にはなるほどと思わされます。
廊下に「道」、エレベーターに「昇」、客室に「夢」、どれもテーマが安直で見る者に想像力を働かせる余地が残されていないと言うんですね。
「もっと早く言えよ」と思わなくもないですが、指摘は的を射ています。

それに対してホテル側の担当者や川藤が代替案を示し、丁々発止のやり取りが繰り広げられます。
最後には清明を信頼しホテルの担当者たちは帰っていきます。
全てのやりとりが理にかなっていて「確かになぁ」って思わせてくれるので楽しかったです。

そんな中清舟は的外れな提案をして顰蹙を買っていました。
この場には清舟の他にもう一人見当はずれな若手社員がいたのですが、清明が妥協しようとする彼に向けて言った「君の天井はそこまでだ」というセリフは清舟に向けられたものとして解釈していいでしょう。
まぁ、「誰かに手伝ってもらう」という清舟の考え方も島特有なんですよね。前回もケーキ作りを手伝ってもらっていましたし、そういうことの延長線上にある意見なのだと思います。

何はともあれ、ここでは作品のためなら納期を過ぎても決して妥協しないプロ意識が語られました。

自分はいったい何者なのか?

清舟は今まで目標としてきた父が到底自分とはかけ離れている存在であることを知り、自分がいったい何者なのか?どうなりたいのか?わからなくなってしまいます。
アイデンティティの危機のような状態です。
父のような字を書くことしかしてこなかった彼には、父という尺度なしには作品の良し悪しすら判断できないんです。

そんな清舟に気付きを与えたのもやはりなるでした。
なるや島の住人たちが清舟を「先生」と呼ぶこと、東京ではだれも清舟を「先生」と呼ばないこと、「先生」とは普通敬意をこめた呼び方でむず痒いはずなのに、清舟を「先生」と呼ぶ人たちはむしろ親しみを込めていること、に気付きます。

つまり、自分が何者であるかは周囲との関係の中で決まるってことですね。

なるの「半田先生は半田先生だ」という言葉の中に清舟は自己を見出しました。

今回清舟と入れ替わる形で康介(荒木飛羽)が島に行ってました。
彼は島の住人たちに挨拶を交わすもどこかよそよそしくあしらわれてしまいます。
このエピソードも彼が清舟とは異なり島の人々との関係が築かれてないことを示しています。
誰でもいいってわけではないんです。

結構説明を要する展開でしたが、短く簡潔にまとめられていたと思います。

それぞれの将来

あと二話で終わるこのドラマもいよいよ最終回に向けて動き出しました。
どうやらそれぞれのキャラクターがどういった将来を目指して選択するのかというテーマでまとめられるようです。

特技を仕事にする人、好きなことを仕事にする人、将来に何も展望を持っていない人などいろんなパターンが揃っています。
ただ、そもそも将来に夢がないというのは初回の浩志が解決済みなので、美和(豊嶋花)をやりたいことがない人として登場させるのはかなり強引です。

おわりに

動物園になるを連れていく清舟は離婚が決まり最後の思い出作りをする父親のようでした。
一番の思い出がホワイトタイガーの檻の前で先生が肩車してくれたことだというなるも可愛かったですね。
内容的には第6話・第7話あたりと重複しており整理すれば不要な回かもしれませんが、前回の父親のエピソードがスパイスになっているたり前二話とは少し角度を変えていたりするので全くの無駄だとは思いません。

関連リンク

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