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たとえあなたを忘れても【最終話感想】

 

 

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堀田真由さん、萩原利久さん出演ドラマ『たとえあなたを忘れても』最終話が放送されました。前回の空の記憶喪失は嘘だったという反則級の事実が判明しましたが、そんなことがどうでもよくなるぐらいストーリーを畳もうという意欲が前面に出た最終回でした。

 

放送日・あらすじ

放送枠

テレビ朝日 日曜日 22:00~

放送日

2023年12月17日

あらすじ

『たとえあなたを忘れても』|朝日放送テレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
たとえあなたを忘れても - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

ありません

脚本

浅野妙子

キャスト

河野美璃(堀田真由)音楽教室のピアノ講師。
青木空(萩原利久)キッチンカーを経営する記憶障害を持つ青年。
森亜弓(松井玲奈)携帯ショップの上司。
山内和樹(南北斗)美璃の同僚。
田村俊貴(こがけん)店長。
遠山保(風間俊介)美璃の従兄。心療内科の医師。
宮下茜(畑芽育)保の患者。記憶障害を持つ
樋口充(平井亜門)院内薬剤師。
藤川沙菜(岡田結実)薬剤師。空の幼なじみ。
衛藤まりあ(森香澄)プロのピアニスト。美璃の音大時代の同期。
河野ゆかり(加藤貴子)美璃の母親。
青木理佐子(檀れい)空の母親。
青木智也(丸山智己)空の父親。

相関図はコチラ↓
相関図|『たとえあなたを忘れても』|朝日放送テレビ

感想

それはちょっとダメなんじゃ…

空の記憶喪失が演技であったことが発覚しました。
もちろん前回のエピソードを見た時も「演じているのかな?」と思わなくもなかったのですが、さすがにそれはないだろうと深く考えませんでした。
公式のあらすじにも「記憶喪失になった」と書いてありましたからね。

美璃(堀田真由)を遠ざけるためとはいえ、この嘘は駄目だと思います。
信頼関係が一気に崩れますよね。
それに、美璃との関係だけでなく、母親や沙菜も巻き込んでいます。
美璃が怒るぐらいの展開はあったほうがよかったのかも。

それに、「記憶喪失が再発するかもしれない」という懸念はこの記憶喪失によって現実のものとなったわけで、これが嘘ということになると、ストーリーの根幹が揺らいでしまいます。

早送りのような展開

冒頭のこの展開で結構呆れてしまったのですが、そんなことがどうでもよくなるほどの怒涛の勢いでストーリーを畳みにかかります。
時間的にも二人の結婚や子供が生まれ保育園に入園するまでも描いちゃいます。
それだけでなく、茜(畑芽育)の過去、保(風間俊介)と沙菜の交際など周辺人物についても一気に解決していきます。

一つ一つのエピソードはそれほど悪くないレベルでした。
茜の件もいいこともあれば悪いこともある、思い出は彼女一人のものではない、っていう真っ当なものでしたし、世話焼きの沙菜と保が結ばれる展開は好感が持てました。

でもなぁ、余白がないんですよね。

意味深なラスト

結婚して幸せに暮らす二人のある朝が描かれました。
記憶をなくしたのか、ぼんやりしている空の両隣にこどもと美璃が腰かけます。

若干ホラーっぽいというか不穏な感じが漂いますし、単なる「状況に流されていく男」に見えなくもないですが、いったん拒絶した手を握りなおす、体が覚えている手触りをたよりに愛を感じ取ることができたということなのでしょう。
ある意味彼らの強い絆を感じさせ、「彼らなら乗り越えられる」と思わせてくれるシーンでもありますね。

全体の感想~基本的に面白い

最終回なのでドラマ全編を通した感想を書きたいと思います。

まず、雰囲気が非常に良かったです。
空の空虚な内面を象徴したような廃墟が登場するなど、印象的なシーンが多かったですよね。
特に時間の流れを感じさせる廃墟と即興的で一時的なピアノの音色の対比は美しかったですし深みがありました。

また、過去に縛られて生きていた人々がその過去を受け入れ「今を生きる」に至るまでの過程を丁寧に描いていてメッセージもわかりやすかったです。

一方で経済観念が揺れまくるんですよね。
生活苦で登場した主人公はいつの間にかお金の心配をしなくなりますし、バイト先の携帯ショップをやめてしまいます。
かと思えば「コーヒーだけでは生活できない」と言い出します。

全体の感想~説明がくどい

このドラマの悪い点は説明が丁寧すぎることに尽きます。
セリフによる説明が多くてせっかくの雰囲気を壊してしまってます。

そもそも登場する人物も最初から役割を担って登場している感じがするんです。
そして最終的に全員がハッピーエンドになるので、実在感が薄れるんですよね。

 

おわりに

不満な点もいくつかありましたが、基本的には楽しかったです。
神戸という設定も、序盤を除きほとんど人工島だという不満はありますけど悪くはなかったです。
次の月9は長崎が舞台だそうですし、今後地方都市を舞台にしたドラマが増えるかもしれませんね。