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たとえあなたを忘れても【第6話感想】

 

 

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堀田真由さん、萩原利久さん出演ドラマ『たとえあなたを忘れても』第6話が放送されました。「過去と向き合う」尊さをストレートにセリフで説明するのがこのドラマの特徴で、美点でもあり欠点でもあります。全体的にちぐはぐな印象を受けますが、雰囲気がいいので気になりません。

 

放送日・あらすじ

放送枠

テレビ朝日 日曜日 22:00~

放送日

2023年11月26日

あらすじ

『たとえあなたを忘れても』|朝日放送テレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
たとえあなたを忘れても - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

ありません

脚本

浅野妙子

キャスト

河野美璃(堀田真由)音楽教室のピアノ講師。
青木空(萩原利久)キッチンカーを経営する記憶障害を持つ青年。
森亜弓(松井玲奈)携帯ショップの上司。
山内和樹(南北斗)美璃の同僚。
田村俊貴(こがけん)店長。
遠山保(風間俊介)美璃の従兄。心療内科の医師。
宮下茜(畑芽育)保の患者。記憶障害を持つ
樋口充(平井亜門)院内薬剤師。
藤川沙菜(岡田結実)薬剤師。空の幼なじみ。
衛藤まりあ(森香澄)プロのピアニスト。美璃の音大時代の同期。
河野ゆかり(加藤貴子)美璃の母親。
青木理佐子(檀れい)空の母親。
青木智也(丸山智己)空の父親。

相関図はコチラ↓
相関図|『たとえあなたを忘れても』|朝日放送テレビ

感想

このドラマの良いところ

私はこのドラマ好きなんですよね。
主人公の存在感が薄かったりセリフでの説明が多かったり、必ずしもクオリティが高いわけではないですが、それでも好きなんです。

その理由はテーマが明確な点にあると思います。

このドラマに登場する人物は皆程度の差はあれど過去に目を背けて生きています。
青木空(萩原利久)と宮下茜(畑芽育)は記憶障害の原因として過去に蓋をしていることが挙げられています。
そして、藤川沙菜(岡田結実)や理佐子(檀れい)など空の周辺人物も空との過去を取り戻すことで傷つくことを恐れていました。

それだけでなく河野美璃(堀田真由)はピアノに対するトラウマを抱えたままでしたし、保(風間俊介)も手の傷に何か過去があるようです。

「過去に向き合うこと」の怖さや大切さという一貫したテーマが観ていてわかりやすいんですよね。
最も大切なメッセージは空のセリフで説明してしまっているという欠点はありますが、雰囲気が良いです。

今回は茜(畑芽育)の過去が取り上げられました。
畑芽育さんは『Get Ready!』でも似たような役を演じていましたね。

実際のところ転校したとはいえ同じ街で暮らしていて本人の耳に過去の話が入ってこない方が不自然だと思うし、いじめを受けていた子を街中で見かけたとしてあんなに親しげに話しかけるか?という疑問はあります。

でも、思い描いていた自分と実際の自分がかけ離れていた際に感じる絶望感、周囲から「可哀そう」と同情されていたこと、それを自分だけ知らなかったことに対する情けなさと怒りは共感できますね。

空のアドバイスも「いい思い出も悪い思い出も含めて自分を構成している」という達観したものではありますが、彼の口から語られたことに意義があると思います。

ピアノのコンサート

「楽しむことを忘れていた」というのは音楽を取り扱うドラマではほぼ確実に登場する理屈ですね。
『のだめカンタービレ』や『リバーサルオーケストラ』でもこんな話があった気がします。
実際のところプロの音楽家の方にとっては「楽しむこと」ってどれほど重要なことなのでしょうね?
これも美璃がスピーチで語って解決してしまいました。

コンサート本番で演奏しているところを見せず、観客の反応で想像させるという演出も賛否あるでしょうね。
練習シーンでは弾いているので、個人的にはちぐはぐな感じがしました。

良かった点は衛藤まりあ(森香澄)の過去が明かされた点です。
美璃にとっては順風満帆な音楽人生を送っているように見えたまりあも過去には経済的な苦境に立たされていたし、現在も決して楽に生活できているわけではないという現実を知ります。
「誰にでも過去がある。そしてそれらはすべて等しく尊い」というメッセージは良かったと思います。
ただ、これもまりあのセリフで説明しているんですよね。

おわりに

久しぶりに携帯ショップも登場しました。初回では主人公の経済的苦境が結構取り上げられていたはずが、いつの間にか金銭面の心配が消し飛んでいます。

観ている側としてはストレスが無くて良いのですが、やっぱりちぐはぐではあります。