30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

若草物語(日本テレビ・日曜10時30分・堀田真由/仁村紗和/畑芽育/長濱ねる)第1話感想

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

堀田真由さん・仁村紗和さん・畑芽育さん・長濱ねるさん出演ドラマ『若草物語~恋する姉妹と恋せぬ私』第1話が放送されました。自立した女性を描くという大きな枠組みの中で、現代社会が抱える生きづらさをうまくとらえていて、見やすく面白い作品になっていました。

放送日・あらすじ

放送枠

日本テレビ 日曜日 22:30~

放送日

2024年10月06日

公式サイト

若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―|日本テレビ

基本情報

原案

『若草物語』ルイザ・メイ・オルコット

脚本

松島瑠璃子

キャスト

次女・町田涼 堀田真由
長女・町田恵 仁村紗和
三女・町田衿 長濱ねる
四女・町田芽 畑芽育

行城律  一ノ瀬颯
小川大河 渡辺大知
沼田灯司 深田竜生

相関図はコチラ↓
相関図|若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―|日本テレビ

感想

若草物語とは?

私はこのドラマの原案である『若草物語』を読んだことがなく、映像化された作品についても存在を知っている程度です。どうやら世界中で150年以上も愛され、何度も映像化されている作品のようです。

原案小説「若草物語」とは?|若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―|日本テレビ

ウィキペディアから仕入れた付け焼刃の知識では、どこまで原案小説にのっとっているのかは現時点ではわからないですが、少なくとも

  • 4姉妹であること
  • 三女が不在であること

は原作通りのようです。

現代日本が舞台

本作の面白い点は、古典小説『若草物語』の舞台を現代の日本に置き換えている点です。
どの部分が原作のままで、どの部分が変更されているのか、過去に映像化された作品と比較するのも面白いかもしれないですね。
そもそも原作は自立する女性を描いているので、どのようにアレンジされるのかは大方予想がついていましたし、「シスターフッド」という言葉も宣伝に使われているので意外性はなかったです。
でも、姉妹それぞれの職業や境遇が現代社会に生きる女性の抱える問題をうまくとらえていて、見やすかったです。
アラサーとか、そういう結婚観は少し古い印象はありましたけど、それほど私は気になりませんでした。
それぞれが矛盾?のようなものを抱えているところがあって面白いんですよ。

たとえば、長女がハローワークの非正規職員という、人に仕事を案内しながらも自身が雇い止めされるかもしれないという不安定な立場にいます。

さらに印象的なのが次女・涼(堀田真由)です。
彼女は元脚本家志望のドラマ助監督なのですが、テレビは広告に支えられており、マスに向けて作られています。
彼女が女性に価値観を押し付けるような中つり広告に対して不満を漏らすのですが、テレビとはそういった現状に甘んじている「多数派」に支えられているんですよね。
この矛盾が最終的に脚本家との避けられない対立に発展するのも納得感がありますし、彼女が会社を辞めるのも頷けるんですよ。

脚本家との対立

脚本家との対立点はざっくり言うと、現状を肯定し「古典的な」プリンセス願望に満ちた女性像を商業的に作り続けるのか、それとも「歪んだ価値観の再生産」に終止符を打ち新たな価値観を打ち出すのか、の対立です。
新しい価値観が魅力的で面白く、商業的にも売れるのであれば解決するので、涼はそれをめざすことになるでしょうし、この話自体は多くの人が「涼の主張を正しい」と考えることでしょう。

しかし、このドラマには抱えている(というより日本テレビが抱えている)背景事情があることを知っていると、このやりとりには別の緊張感が生まれます。
このドラマが放送されている日曜22時30分は『セクシー田中さん』が放送されていました。
この作品は自立する女性を描いた作品であり、ドラマ化にあたって原作者の了解を十分に得ない形で改変されたことが問題視されています。
涼の主張は自立した女性を描くためのものですが、やったことは脚本家の了解を得ないままセリフを改変する事でした。
少し複雑な思いがしました。

シンデレラ

シンデレラはプリンセス願望を描いた代表的な作品というだけでなく、姉妹同士・女性同士がいがみ合うという点にも特徴があります。
学生時代の涼が書いた「スニーカーに履きかえるシンデレラたち」というアイデアはこのドラマ全体に通じるものがありますよね。

主人公たちは新たな価値観を推し進める存在である一方で、未熟な側面もあるわけで、彼女たちの成長がどのように描かれるのかこれから楽しみです。

出演者

長濱ねるさんはそれほど登場しませんでしたのでよくわからないですけど、残りの三人はとても良かったです。
どの役も一歩間違えると嫌な奴に映りかねない役ですし、そのあたりの匙加減が良かったように思うんですよね。
姉妹以外を含めて、どのキャラクターも魅力的です。
仁村紗和さんは以前テレビ東京でシスターフッドものをやっていったし、堀田真由さんと畑芽育さんは『たとえあなたを忘れても』でも共演していますし、同じような生きづらさを抱えていました。
なので新鮮さには欠けるかもしれません。

おわりに

予想していた以上に面白いです。でも『マイダイアリー』も気になるんですよね。
しばらくは視聴すると思います。