30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

たとえあなたを忘れても【第7話感想】

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

堀田真由さん、萩原利久さん出演ドラマ『たとえあなたを忘れても』第7話が放送されました。生活感や困窮が描かれるときもあれば描かれないときもあって、どういう心構えでこのドラマを視聴すればいいのか分かりにくい面があります。

 

放送日・あらすじ

放送枠

テレビ朝日 日曜日 22:00~

放送日

2023年12月03日

あらすじ

『たとえあなたを忘れても』|朝日放送テレビ

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
たとえあなたを忘れても - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

ありません

脚本

浅野妙子

キャスト

河野美璃(堀田真由)音楽教室のピアノ講師。
青木空(萩原利久)キッチンカーを経営する記憶障害を持つ青年。
森亜弓(松井玲奈)携帯ショップの上司。
山内和樹(南北斗)美璃の同僚。
田村俊貴(こがけん)店長。
遠山保(風間俊介)美璃の従兄。心療内科の医師。
宮下茜(畑芽育)保の患者。記憶障害を持つ
樋口充(平井亜門)院内薬剤師。
藤川沙菜(岡田結実)薬剤師。空の幼なじみ。
衛藤まりあ(森香澄)プロのピアニスト。美璃の音大時代の同期。
河野ゆかり(加藤貴子)美璃の母親。
青木理佐子(檀れい)空の母親。
青木智也(丸山智己)空の父親。

相関図はコチラ↓
相関図|『たとえあなたを忘れても』|朝日放送テレビ

感想

記憶を取り戻す

以前、沙菜(岡田結実)が「記憶を失っていたころの空(萩原利久)には過去が存在せず、それゆえ未来についても意識していない、その結果現在だけを純粋に生きている。」と説明していました。
過去のトラウマ、将来への不安に囚われていた美璃(堀田真由)にとってはそんな彼の姿に惹かれたわけです。

しかし、空も記憶を取り戻したことで空の中にも将来への不安が頭をもたげます。

まるで「アダムとイブが知恵のみを食べてしまった」みたいな話ですね。

この「過去が無ければ未来への不安もない」という考え方はとても面白いですし、このドラマの美点の一つのように思います。

振出しに戻る

美璃が携帯ショップでのアルバイトを辞め、ピアノの先生に復帰しました。
コンサートを通して純粋にピアノを楽しむことが出来るようになって、ピアノと向き合う覚悟ができたようです。
第1話の状況に戻ったわけで、経済的な苦しさは増しますし、レッスン以外の時間を都合よく埋めてくれる仕事を探さなければならないんですよね。
振出しに戻った感じもしますが、彼女の内面の変化に意義があるのだと思います。
このドラマは生活の困窮を描いているかと思えば、いつの間にか経済的な観念がどこかに飛んでしまうこともあって、そのあたりの不安定さは少し気になります。

携帯ショップの上司はシングルマザーで生活のために過酷な仕事をこなしていたようです。
そんな覚悟を決めて働く彼女には生半可な美璃の態度が腹立たしかったのかもしれないですね。
一方で、今を精一杯生きている美璃への憧れや応援する気持ちもあるようでした。

このドラマでは脇役の背景事情が後々描かれることが多くて、それが美璃の人間的な成長につながっているような気がします。

保(風間俊介)

医師と患者という立場にもかかわらず、茜(畑芽育)と親しくなり過ぎた保(風間俊介)は告白を受けます。
「医者としてどうかと思う」とセリフでも登場していたように、結構心療内科医としてのモラルを飛び越えていますね。
院外で患者と会うこと自体リスクですし、あえてそれをする理屈も特にないので、プロというよりは場当たり的なやさしさに思えてしまいます。

保の手の傷は幼い美璃を庇って出来たものだったんですね。
空も茜も保が美璃に想いを寄せていたことを知り身を引くのですが、あんまり納得がいかないんですよね。
「愛しているとは心の底から幸せになってほしいと思うこと」だと言っていましたけど、どう考えたって保の美璃への想いは恋愛感情とまでは言えませんし、もしそうだったらちょっと気持ち悪いんですよね。

再び忘れる恐怖

「美璃の忘れていることもきっと今の美璃を作っているよ」という言葉は、空が茜に送った言葉であり、彼自身が辛い過去に向き合う覚悟を決めた言葉でもあります。

その言葉をある意味別れの言葉として用いるあたりが面白いです。

再び忘れる恐怖、将来への不安、美璃から身を引く覚悟、過去のトラウマ、あらゆることが空にストレスを与え再び記憶を失ってしまったようです。

何度も記憶を失う映画やドラマは存在しますけど、ここまで積み上げたうえで再び記憶を失うという展開はそんなに見たことがありません。
次回以降どうなっていくのでしょうね?

おわりに

初期化するかのように記憶を消してしまうのも、フィクションとはいえちょっと引っ掛かります。
保の振る舞いといい、現実とは異なる気がします。