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ラストマン第1話~おもしろいんだけど

 

 

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福山雅治さん主演ドラマ『ラストマン』第1話はまだ始まったばかりということもあってか、大泉洋さんとのバディ感は薄く感じました。そして、日本社会における差別についてきれいごとで覆い隠しているような印象を受けました。そのあたりについて振り返りたいと思います。

 

放送日・あらすじ

放送日

2023年4月23日(日)21:00~TBS系列で放送

あらすじ

www.tbs.co.jp

配信状況はこちらを参考にしてください
ラストマン-全盲の捜査官- - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

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感想

皆実(福山雅治)という男

初回ということで主人公・皆実の能力や人となりが事件に絡めて紹介されていました。

初対面の人間の特徴を次々言い当てるのはシャーロックホームズ『緋色の研究』でも登場する定番の展開ですね。

全盲である代わりに、嗅覚と聴覚が人より優れていて、観察力や分析力もあるようです。
また、視覚以外の情報から相手の行動を読み取り、犯人を制圧することもできるようです。

 

相手の油断に付け入る方法は『dele』とかでも登場しましたね。使えるものは何でも使うしたたかさは『座頭市』みたいなものでしょう。
性格的には温和ですが、大胆なところもありました。

特別捜査官 - Wikipedia

 

対する護道(大泉洋)は警察一家の一員のようですね。正義のためには手段を選ばず違法捜査も平気で行う人物のようですが、初回からはそんな感じはうけませんでした。
いつも通りの大泉洋さんです。

デバイス

全盲の皆実を補助するデバイスが登場します。
『TOKYOMER』でいうところのERカーみたいな秘密道具ですね。
画像を読み込んで文字を音声化したり、あらかじめ登録した人物を認識することができるみたいです。

まぁ、現実のAIによる画像処理機能など既存の技術を組み合わせれば、近い将来不可能でもなさそうなレベルのデバイスです。

視覚障がい者向けの高速再生技術の研究開発(4/5):NICT

この音声と仲間の指示により捜査する様子はテレビゲームの探索みたいで面白かったです。
ちょっと違いますけど日本の街並みをキャラクターが移動するのは『龍が如く』とか『ジャッジアイズ』とか、そんな感じがしました。

バディ感は薄い

この皆実へのナビゲーションは吾妻(今井美桜)が担当しています。そのためどちらかというと広見と吾妻がバディに見える瞬間もありました。

助手席に乗るあたりは確かに護道とバディなんですけど、広見と護道には凸凹感がないし、護道のキャラクターはそんなに際立っていないので、誰でも代替可能な気がします。

爆弾犯に対して発砲しなかったところは護道が皆実の能力を認めた瞬間なんですけどね。
こういった感じで回を重ねるごとに二人の信頼関係が生まれ、バディへとなっていくのでしょう。

絵にかいたような爆弾犯

材料が入手しやすいものを使っているとか、攻撃対象が多岐にわたること、性能が向上していることなどの情報を手掛かりに犯人像を分析するプロファイリングは面白かったのですが、結局登場した犯人像は典型的な爆弾犯でした。

なんか劇場版『踊る大捜査線』の犯人っぽかったですね。

これなら私でもわかりますよ。もう少し意外性のある人物の方がアメリカ育ちで視覚障碍者の皆実が捜査する意味が出るのではないかと思いました。

無能すぎる日本の警察

分かりやすすぎる人物なのに犯人を特定できない日本の警察の無能さは際立っていました。
なぜか皆実の合理的な助言を無視しています。

しかし、実は視聴者がこのドラマに登場する日本の警察を無能に感じるのには理由があります。

それは彼らが皆実をなめている理由が巧妙に隠されているからなんです。

彼らは皆実がFBIのよそ者だから嫌っているのではありません。
目が見えないからなめているんです。
そう思えば彼らの非合理な行動は納得できます。
しかし、そのことを明言しないため単なる無能に映るわけです。

本来なら「目が見えない奴の指示には従わない」的な差別的セリフを言わせるべきだったと思います。
ニュアンス的には何ヵ所かあるんですが、もっと直接的でもよかったんじゃないかな。

犯人を諭す皆実

どこかで聞いたことがあるような内容ではありますが、ハンディキャップを背負った皆実が言うことには説得力があります。

でもなんか現状を是認しているようなところがあって、このセリフを障がい者の皆実の口を借りて言わせることには若干ずるさを感じました。

まだ初回ですし、この辺りは微妙なニュアンスなので保留にしておきます。

まとめ

面白いんですが、どこかで日本社会には差別がない前提で作られている感じがしました。

FBI特別捜査官という設定は海外の視点で日本社会を見つめ直すという面と、お客様扱いして日本社会の汚い部分を覆い隠す面があると思います。

今のところ後者寄りかな。