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文句なしで面白いです。ドラマって感じじゃないですね。映画のようであり小説のようでありゲームのようでもある、そんなドラマでした。
放送日・あらすじ
放送日
2023年4月10日(月)21:00~フジテレビ系列で放送
あらすじ
配信状況はこちらを参考にしてください
風間公親-教場0- - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ
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風間公親 教場0 - フジテレビ (fujitv.co.jp)
感想
まず最初に
私はスペシャル版の一つ目は視聴済みですが、二つ目はまだ見ていません。
そのうえで申し上げると、このドラマはスペシャル版の前日譚にあたるので特段過去作を観ておく必要は無いと思います。
問題があるとすれば冒頭の明石家さんまに困惑するぐらいですね。
私は何も問題なかったです。
逆にスペシャル版を観てお腹一杯になっている人も、このドラマは別物として楽しめると思いますよ。
基本的な構造
事件の犯人が視聴者に先に示される倒叙という方式です。古畑任三郎なんかと同じですね。
視聴者は新しく捜査一課に配属された瓜原の視点で風間指導官の出す問題を解くことで謎解きに参加します。
瓜原はそれほど優秀な捜査官ではないので多くの視聴者の方が先に真相に気付くでしょう。
だから「おい、瓜原何やってんだよ。交番勤務になっちゃうぞ!」とツッコミを入れながら観られるんです。
一つ目の事件
これはおそらく小説で読めば気付きにくいトリックなんだろうと思います。
しかし、映像で見ると結構露骨なんで、この世にはGPSを使ってお絵かきをする人がいるんだってことを知っていれば容易に真相にたどり着けます。
それでもこの時点で視聴者がたどり着いた真相は正しい道筋でたどり着いたものではありません。
先に犯人を知っているから分かっただけで、捜査でたどり着いてはいないんです。
だから風間との問答で視聴者は正しい道筋に誘導されます。
これで二度楽しめるようになっているんですね。
たとえばタクシー運転手が”女”ではなく”女性”と言っていたことに注目する風間の視点は警官でもない限りほとんどの視聴者には気付かないものです。
だから瓜原と同じく記憶をたどって「なんでだ?」って考えさせられるんです。
まさしく「自分で考えてみたらどうだ?」ってことですね。
犯人への取り調べで瓜原はリベンジポルノの被害者でもある容疑者に同情しすぎてしまいます。
これが瓜原の欠点であり、後でもう一度同じミスをするのですがイマイチ伝わってこなかったかも。
単純に同情しているふりをして自白を誘っているように見えました。
署長賞をもらった時も彼は親身に話を聞いたと言っていましたし、彼は優しい性格のようですね。
あと、猫を轢いてなかったらどうしたんだろうというのはちょっと気になりますね。
二つ目の事件
こちらも一つ目の事件と同じで、やっぱり喘息のような症状を映像で見ると簡単に真相にたどり着けてしまいます。
先ほども述べたように、それがこのドラマの面白さを低減させているわけではないのですが、このあたりの塩梅はもう少し調節してもらった方がより面白いかも。
この犯人は警察学校にいた過去があるので、例えば波打つ遺書の文字について「警察学校で習ったろ」というセリフは二重の意味を持っているのかもしれませんね。
最後の瓜原のウソを風間が見破るシーンでは瓜原自身が火薬アレルギーと射撃訓練の関係性を述べてます。
即座に論理的な矛盾を見つけ嘘を見破る風間の洞察力の鋭さを示すシーンでした。
それにしても市原隼人さんはこういう役が似合いますね。
伊上という存在
基本的に新人が怖い指導官に追い詰められる話だし、扱っているのが殺人事件なので重たいんですけど、定期的に伊上(堀田真由)が登場すると息抜きできます。
風間のものまねをして新人をからかうなど、どことなく平和な雰囲気が漂っています。
初回は30分拡大でしたが、観ていて疲れなかったのは彼女の存在が大きいのかもしれません。
彼に前にもいた風間道場の門下生たちがどうなったかを教えるなどドラマを縦につないでいく役割があるのかもしれませんね。
トリックの無理矢理感について
一部では殺されそうなのに一筆書きをしているのんきな被害者や、火薬アレルギーを医師の診断ではなく変な実験で立証しようとしたところについて疑問視する声があるようです。
まず、風間の目的は犯人の自白を引き出す尋問の技術を新人に授けることであり、犯行を立証するのは、自白後目撃情報を集めたり、逮捕状を請求したり、家宅捜索したりしてやるってことなんだと思ってます。持ち去ったタブレットが見つかれば物的証拠は確保できますしね。
実際の警察がどんなふうに捜査ているのかは知りませんが、このドラマ内では多少論理に穴があっても自白が得られさえすれば、あとは証拠を集めればいいってことなんでしょう。
だから犯人が言い逃れしようと思えばできる程度の根拠でも実務的に”討ち取り”に行くんだと思います。ある意味犯人を信用しているのかもしれませんね。
ただ、それでもGPSで名前を書く行為は説明できません。
これはリベンジポルノで脅すという行為とGPSで名前を書いてサプライズするという行為のギャップを説明するのが面倒だったからすっ飛ばしたのではないかと推測しています。
まとめ
とにかく面白いです。キャストも豪華だし、画面は暗いし、本気度が伝わってきます。
新人刑事は5人なので単純計算すると一人当たり2話ってことになりますね。